Q2-1
                                                                                                     

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質問: 

オカリーナには、C管、F管、G管などがあるらしいですが、どういうこと?

オカリーナは、厳密にいうと管楽器ではないため、C「管」などという呼び方は正しくないのかもしれませんが、ここでは便宜的に使わせていただきます。

まず、「C」は日本語では「ド」、「F」は「ファ」、「G」は「ソ」に当たります。詳しくはここをご覧ください。

基本はC管です。C管の「ド」の指使いは、サブホール以外の穴をふさぎます。これをチャートで示すと下のようになります。(運指の表し方についてはここをご覧ください。)

X-XXXX  X-XXXX

さて、「F管」というのは、この「ド」の指使いで音を出したとき、「F」すなわち「ファ」の音が出る楽器のことです。

C管用の「ドレミファソラシド」の指使いで、F管を吹くと、実際には「ファソラシ(b)ドレミファ」の音が出ます。別の言い方をすると、ハ長調の曲をF管で吹くとヘ長調になります。

「G管」というのは、「ド」の指使いで音を出したとき、「G」すなわち「ソ」の音が出る楽器のことです。

C管用の「ドレミファソラシド」の指使いで、G管を吹くと、実際には「ソラシドレミファ(#)ソ」の音が出ます。別の言い方をすると、ハ長調の曲をG管で吹くとト長調になります。

つまり、F管やG管で演奏すると、自動的に移調したような格好になります。

F管やG管のことを、「移調楽器」といいます。

移調楽器では、楽譜上にかかれた音と、実際に出る音が違います。楽譜上にかかれた音を「記譜音」、実際に出る音を「実音」と呼びます。

ソロ(一人)で演奏する場合、自分が持っている楽器が「何管」であるかは、あまり気にする必要はありません。どの管でも、C管用の楽譜をそのまま、C管と同じ指使いで吹けばいいのです。ただし、実際には、元の調と違う調で演奏したことになります。F管の場合には、元の調からフラットが1つ増えた(またはシャープが1つ減った)調で吹いていることになります。G管の場合には、元の調からシャープが1つ増えた(またはフラットが1つ減った)調で吹いていることになります。

伴奏者がいる場合や、別の管と合奏する場合は、かなり注意が必要です。

伴奏者がいる場合、C管用の譜面をF管で演奏する時には、フラットが1つ増えた(またはシャープが1つ減った)調で、伴奏してもらう必要があります。同様に、C管用の譜面をG管で演奏する場合には、シャープが1つ増えた(またはフラットが1つ減った)調で、伴奏してもらう必要があります。

 

次に、C管、F管、G管、の3本で、「ドレミファソファミレド」という音列をユニゾン(=全員が同じ音を演奏すること)で練習するとしましょう。

C管用の記譜音は、そのまま、  「ドレミファソファミレド」です。

F管用の楽譜(記譜音)はどうなるか、考えて見ましょう。

F管で最初の(実音で)ドの音を出すには、どうしたらいいでしょう。次の対応表を見てください。

指使い ファ
F管で実際に出る音(実音) ファ シb
G管で実際に出る音(実音 ファ#

2段目をみると、実音で「ド」の音を出すには、「ソ」の指使いで演奏します。

F管の記譜音は「ソ」から初めて「ソラシドレドシラソ」となります。一般に、C管の譜面をF管用に書き直すには、元の調からシャープが1つ増えた調(またはフラットは1つ減った調)へ移調したものになります。ハ長調ならト長調になります。

 

G管用の楽譜はどうなるか、考えてみましょう。

上の表の3段目を見てください。G管で、実音で「ド」の音を出すには、「ファ」の指使いで演奏します。

G管の記譜音は「ファ」から初めて「ファソラシ(b)ドしラソファ」となります。シにはフラットをつけます。G管では、「シ」の指使いでは実音でファ#の音が出てしまいますから、実音で「ファ」を演奏するには、指使い(記譜音)は「シb」となるのです。一般に、C管の譜面をG管用に書き直すには、元の調からフラットが1つ増えた調(またはシャープが1つ減った調)へ移調したものになります。ハ長調ならへ長調になります。

楽譜で書くと下のようになります。in C, in F, in G とあるのが、それぞれC管、F管、G管用の譜面になります。

 

まとめると、下のようになります。移調楽器の実音と記譜音の関係は混乱することがあるので、落ち着いて考えましょう。F管では「自動的」にフラットが1個ついてしまうので、C管とあわせるには、フラットを1個減らすように移調する必要があるのです。

  記譜音「ドレミファソラシド」を演奏した時に出る実音 実音「ドレミファソラシド」を演奏したい時の記譜音(指使い)
F管 ファソラ シ(b) ドレミファ ソラシドレミファ(#)ソ
G管 ソラシドレミファ(#)ソ ファソラ シ(b) ドレミファ

 

移調楽器は、オカリーナだけでなく、さまざまな楽器(多くは管楽器)に見られます。例えば、クラリネットにはBb管、A管、Eb管などがあります。オーケストラなどの楽譜では、その楽器が移調楽器である場合、楽譜のパート名のところに、例えば Clarinet in Bb などと書いてあるのが普通です。また移調楽器用のパートは、フルートなどのC管のパートと調が違いますから、そこでも移調楽器用の譜面であることが分かります。

皆さんは、小学校でソプラノ・リコーダーを、中学校でアルト・リコーダーを習ったかもしれません。ソプラノ・リコーダはC管、アルト・リコーダはF管です。

ちなみに、リコーダーでは、オカリーナと違って、すべて実音表記にするのが普通のようです。つまり、F管(アルト・リコーダーなど)を演奏する場合、別の指使いを新たに覚える必要があるのです。

オカリーナも、リコーダーと同じように、管ごとに別の指使いを覚えるべきだという人もいます。その説にも一理あります。特に音感がある人ほど、移調楽器が吹きにくいそうです。その場合、F管、G管それぞれ、別の楽器として指使いを覚えなおした方がいいかもしれません。しかし市販されているオカリーナ・アンサンブルの楽譜では、通常、移調楽器は、そのまま読めばわかるように移調してあるので、注意が必要です。

 

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