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Last Update 2002/09/25

科学研究費補助金 基盤研究(c)(2) アメリカ合衆国の連邦軍とマイノリティの関係をめぐる比較史的研究 中間報告のサイト

 

第5回フィリピーノ・アメリカン・エンパワメント会議における

フィリピーノ・WWIIべテラン問題の表象

 

(2002/8/29-9/1)

DoubleTree Hotel, San Jose, CA. & Moscone Center, San Francisco, CA

 

 

このページでは、上記コンファレンスでの参与観察の記録をいくつかの写真・映像を通じて紹介します。

参与観察の機会を提供していただきました会議主催者に感謝します。

なお、このページで示した見解は、すべて報告者(中野聡)のそれであることをお断りします。このページおよびこのページからのリンクで表示されるページ・画像・映像の著作権は著者に帰属します。無断転載・複製を禁じます。


アジア・太平洋の国際関係史を、米国、フィリピン、日本の関係を中心に研究しています。このサイトでは、著作の一部や、関連する研究教育情報を公開しています。



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San Jose市会議員Chuck Reedさんから星条旗を受け取るフィリピーノ・ベテラン代表フェルナンドさん「第5回フィリピーノ・アメリカン・エンパワメント会議」のひとコマ(2002/8/29撮影)。退役軍人(ベテラン)帽をかぶっている右側の男性は、会議が行われた地元サンノゼ(シリコンバレーの町)の市会議員Chuck Reedさん。ベトナム戦争空軍ベテランです。左側のベテラン帽をかぶった老人は、いわゆるフィリピーノ第二次世界大戦ベテラン。大戦中、USAFFE(米極東軍)の一員としてフィリピンで対日戦争をたたかったフィリピン軍のベテランです。左手に折りたたまれた星条旗を抱えています。これはReedさんの空軍兵士の娘さん(夫も空軍!)がアフガン戦争のときにアフガン上空ではためかせたものを、Reedさんがフィリピーノ・ベテランの活躍を讃えて贈ったのです。この老人のように、1990年移民法の特例帰化条項によって米国に移民帰化したフィリピン軍ベテランの総数は2万名近くにのぼりますが、米軍ベテランとしての老齢年金を受け取ることはできず、生活保護手当で暮らしている人々がほとんどです。フィリピーノ・アメリカン・コミュニティでは、このベテラン処遇の差別是正運動が、かつての日系人強制収用補償問題にも似た盛り上がりを見せています。この問題については『アメリカの多民族体制』(2000)、『アジア遊学』(2002)でも書かせてもらいました。アメリカ史研究者夏季セミナー・シンポジウム(9/22)でも報告させていただきました(2002/9/22記)。

 


 

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