【お正月のいわれ】

  お正月は年神様(としがみさま)を我が家にお迎えして祝う、新年度最初の大切な行事。
  お正月飾りや初詣、おせち料理などのいわれをご紹介します。
  これからもお正月の風習を大切に受け継いでいきたいものです。

      【元旦の行事】
  「初日の出」は年神様の降臨
  「初詣」はいつどこへ行く?
  「お年玉」は本来はお餅だった
  「お年賀」は目上の人へのご挨拶

   【縁起のよいおせち料理のいわれ】

         【紅白蒲鉾】
  紅白は祝の色蒲鉾は「日の出」を象徴するものとして、
  元旦にはなくてはならない料理。紅はめでたさと慶びを、白は神聖を表します

         【伊達巻】
  長崎から伝わったシャレた料理江戸時代、
  長崎から江戸に伝わった「カステラ蒲鉾」が、
  伊達者(シャレ者)たちの着物に似ていたので伊達巻と呼ばれるようになったようです。
  また、昔は大事な文書や絵は巻物にしていたので、おせち料理には巻いた料理が多くあります。

         【錦玉子】
  金、銀、錦にたとえて
  黄身と白身の2色が美しい錦玉子は、その2色が金と銀にたとえられ、
  正月料理として喜ばれます。2色を錦と語呂合わせしているとも言われます。
  錦織り成すあでやかさで祝いの膳を華やかにしてくれます。

       【栗きんとん】
  豊かさと勝負運を願って
  黄金色に輝く財宝にたとえて、豊かな1年を願う料理。
  日本中どこにでもある栗は、山の幸の代表格で、
  「勝ち栗」と言って、縁起がよいとして尊ばれてきました。

       【黒豆】
  元気に働けますように
  「まめ」は元来、丈夫・健康を意味する言葉です。
  「まめに働く」などの語呂合わせからも、おせち料理には欠かせない料理です。

       【昆布巻】
  日本料理の必需品、昆布で健康長寿を
  昆布は「喜ぶ」の言葉にかけて、
  正月の鏡飾りにも用いられている一家発展の縁起ものです。
  おせち料理には、煮しめの結び昆布、昆布巻となかなかの活躍です。

       【田作り】
  小さくても尾頭付き
  五穀豊穣を願い、 小魚を田畑に肥料として撒いたことから名付けられた田作り。
  片口鰯の小魚(ごまめ)を使った田作りは、関東でも関西でも祝い肴3品のうちの1品です。

      【数の子】
  子宝と子孫繁栄を祈る
  数の子はニシンの卵。
  二親(にしん)から多くの子が出るのでめでたいと、古くからおせちに使われました。
  正月らしい一品です。

      【菊花かぶ】
  旬のかぶもめでたい形で
  冬が旬のかぶをおめでたい菊の形に飾り切りし、
  紅く染めて、紅白の酢のものに仕立てたのが菊花かぶです。
  消化によい栄養素を含み、ご馳走の中の箸休めにぴったり。

      【小肌粟漬】
  将来の出世を願って
  小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前。
  出世魚なので縁起がよいといわれています。
  黄色はクチナシで染めた粟で、五穀豊穣を願っています。

        【えび】
  長生きの象徴
  えびは、長いひげをはやし、
  腰が曲がるまで長生きすることを願って正月飾りやおせち料理に使われます。
  おせち料理には、小えびを串で止めた鬼がら焼がよく用いられます。

       【お多福豆】
  福を招く豆料理
  「阿多福」という字が当てられ、文字通り福を招く食べ物として、
  祝い膳にはよく登場します。空豆の一種で、その形が、
  ふくよかなおたふくの顔に似ているところから、お多福豆と呼ばれています。

       【紅白なます】
  紅白でおめでたいさっぱり料理
  生の魚介と大根、にんじんと酢で作ったことから、なますの名がつけられました。
  今は生の魚介の代わりに、干柿や昆布、ゆずの千切りも用いられます。

        【ごぼう】
  細く長く幸せに
  細く長く地中にしっかり根を張るごぼうは縁起のよい食材として様々に使われています。
  たたきごぼうは、軟らかく煮たごぼうを叩き、身を開いて、開運の縁起をかついだもの。
  ごぼうの産地である八幡の名をとった、牛肉の八幡巻、穴子の八幡巻も正月らしい巻もの料理です。
  宮中で正月に配られる花びら餅の芯にも、ごぼうが用いられ、大切に扱われているのです。

       【するめ】
  祝い事を表す縁起もの
  「寿留女」の字をあて、結納の品として使用され、めでたい祝儀の膳に欠かせない品でした。
  恵比寿神を奉るエビス棚には、しめ縄が飾られ、するめ・昆布・新巻鮭などを飾る習慣がありました。
  寿とは、幸せのこと祝事を表す言葉です。

      【餅(鏡餅と雑煮)】
  餅は、昔から神様に捧げる神聖な食べものとして考えられ、祝いごとや祭りの日には欠かせないものでした。
  昔は、多くの家で正月用の餅つきをしましたが、12月31日につくのを一夜餅、29日につくのを苦餅といって嫌いました。
  正月に、年神様に供える餅が鏡餅で、1月11日の鏡開きまで、床の間や各部屋に飾ります。


  雑煮は、年神様にお供えした餅を、野菜や鶏肉、魚介などといっしょに煮込んで作る料理です。
  地方色豊かな料理で、主として白味噌仕立ての関西風、醤油仕立て(すまし仕立て)の関東風と大きく分けられます。
  餅の形も関西では丸餅、関東では切り餅(のし餅、角餅)が一般的です。
  関西で丸餅を使うのは鏡餅をかたどっているためといわれます。

                   【お重詰めの豆知識】

  年神様にお供えし、ともにいただくおせち料理。
  おせち料理は新しい年の五穀豊穣、一家安泰、子孫繁栄を願って一品一品を縁起に見立てたものです。
  栄養バランスや保存性のよさなど、まさに先人の知恵の結晶と言えます。
  正式なお重詰めは四段ですが、現代では多くても三段重でしょう。
  詰める料理の数は陽数といわれる奇数にして祝う心を表すなど、伝統が培った様式は継承していきたいものです。

         【壱の重】

  おとそを祝うための祝い肴(数の子・黒豆・田作り)
  や紅白蒲鉾、伊達巻、錦玉子等の口取りを詰めます。

         【弐の重】

  口代りの酢のものに、焼きもの、煮ものなどを取り合わせて詰めます。

         【参の重】

  我が家の自慢料理、煮しめをたっぷりと詰めます。

【お節料理とは】