乗算を使用したLRGB合成


 通常のLRGB合成では、ビニングを施すことで各色に対する露光時間を減らしています。しかし、それでも、S/Nの高いカラー画像を得るには、それなりの露光を必要とします。露光が少なくS/Nが悪いカラー画像を用いてLRGB合成を行うには、カラー画像をぼかし色ノイズを判らなくしてから合成することが行われています。
この場合、輝度画像とカラー画像の間で本来のLab色空間の関係との差が大きくなり、LRGB合成時に色が変わってしまうといった問題があります。
ここでは、カラー画像の露出時間が短くても、キレイにLRGB合成を行う方法を示します。

1.各色で撮像した画像を輝度画像と同じサイズに変換する
2.変換した画像を、それぞれ輝度画像と乗算する
3.乗算された画像をRGB合成する(輝度画像と同じサイズのRGB画像が出来上がる)
4.出来上がった画像のカラーバランスの微調整を行い、自動レベル設定に記憶
5.輝度画像を自動レベル設定
6.輝度画像とカラー画像をLRGB合成

必要に応じてLRGB合成の前に、デジタル現像と色彩強調を行っておく

(2000.12.11記)
乗算されることにより、RGB画像のコントラストが強くなるため、多段デジタル現像などによりトーンカーブの変換を行っておくと良い。
(2000.12.20記)
通常のLRGBとの違いが判りやすいように、処理手順を同じ様にしてみました。
どちらも色彩強調はRGB/GGGで行っています。また、原画像を2倍に拡大してあります。

通常のLRGBで処理した画像
デジタル現像+色彩強調

今回のLRGB合成で処理された画像
デジタル現像+色彩強調



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