ゲインと読出しノイズの求め方

ステライメージを使って、簡単に求めてみましょう。
用意する画像は、2枚のフラットフレームと2枚のダークフレームです。

ゲインの計算

  1. 2枚のダークフレームを平均加算して、(ちょっと)高精度ダークを作ります。
  2. 2枚のフラットフレームから高精度ダークを減算します。
  3. 各フラットフレームの同じ領域を切り出します。サイズは処理を簡単にするため100x100画素とします。
  4. 画像メニュー→画像情報を使って、各画像の平均値を求めます。
  5. 画像をそれぞれA,Bとしたとき、それぞれの平均値をSA,SBから、電卓で r=SA/SB を求めます。
  6. 画像Bにrを乗算します B'=r・B 得られた画像はB'と呼ぶことにします。
  7. 画像AからB'を減算します。 A'=A-B' 得られた画像はA'と呼ぶことにします。
  8. 画像A'に画像A'を乗算します。すなわち、二乗した画像を作ります。
  9. ソフトビニングで1x1画素の画像にビニングしてしまいます。
  10. 画像A'の画素の値Vを調べます。
  11. 電卓で、 V'=V/(100x100x2) を計算します。
  12. さらに電卓で、 G=SA/V' を計算します。Gがゲインとなります。単位はe-/ADU
正確に調べたいのであれば、露光量の異なる複数の画像についてV'-SAのグラフを作図してください。
V'をX軸にとりSAをY軸にとった場合、グラフの傾きがゲインとなります。
解説と注意事項
手順3で選ぶ領域は、明らかな欠陥画素や宇宙線ノイズを含まない領域を選んでください。
手順7で得られる画像A'の画像情報で、平均値がほぼ0であることを確認してください。ステライメージの演算精度の関係で、手順4で求めた平均値の精度が悪く±1程度になることがあります。
手順8〜11では、分散σ2=1/n・Σ(Xi-μ)2を求めています。1/2するのは、2枚の画像の差分を使用しているためです。また、画像演算で、1/20000を行わないのは、ステライメージの画像情報では、小数点以下が表示されないためです。

読出しノイズの計算

  1. ダークフレームの同じ領域を切り出します。サイズは処理を簡単にするため100x100画素とします。
  2. 画像情報メニューを使って、各画像の平均値を求めます。
  3. 画像をそれぞれA,Bとし、それぞれの平均値をSA,SBとし、電卓で r=SA/SB を求めます。
  4. 画像Bにrを乗算します B'=r・B 得られた画像はB'と呼ぶことにします。
  5. 画像AからB'を減算します。 A'=A-B' 得られた画像はA'と呼ぶことにします。
  6. 画像A'に画像A'を乗算します。すなわち、二乗した画像を作ります。
  7. ソフトビニングで1x1画素の画像にビニングしてしまいます。
  8. 画像A'の画素の値Vを調べます。
  9. 電卓で、 V'=V/(100x100x2) を計算します。
  10. さらに電卓で、 σ=√(V') を計算します。
  11. 電卓で、 Rn=G・σ/√2 を求めます。Gは先に求めたゲインです。Rnが読み出しノイズです。単位はe-
本来は、バイアスフレームを使用して求めるものですので、できるだけ短時間露光のダークフレームを使用してください。

解説と注意事項については、ゲインを求める場合と同様です。