館長の本棚

とりあえずコミックから……
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濱口の本棚から、お気に入りの紹介です。

「So What?」 わかつきめぐみ (白泉社)

 星雲賞を取ったとかどうとかいうのと関係なく、良い本です。
 わかつきめぐみ のコミックはどれも人と人との間の、 日常的な心の通い合いがとても暖かくて大好きです。


「辺境警備」 紫堂恭子 (小学館、角川)

 紫堂恭子の描くファンタジーの世界は、足が地についています。
 その世界での生活がドラマを産んでいる気がします。
 ファンタジーという道具を単にスペクタクルなネタの4次元ポケットとしてではなく、 舞台として扱いきれている数少ない名作と感じます。


「観用少女」 川原由美子 (朝日ソノラマ)

 大きいサイズの本であることと このタイトル、 ミルクのみで生きる育たない少女人形(プランツドール)というテーマ、 その怪しさに騙されてはいけません。素敵な物語です。
 その少女達は上手にまわりのドラマを生きたものにする 素晴らしいキーになっています。
 プランツ達の美しさも、 登場人物達が思わず惚れ込んでしまうのに納得のいくものです。


「少年宇宙」 岡野史佳 (白泉社)

 美しく、少し悲しげに、青く透明な世界が広がる1冊。
 一言で言ってしまえばメルヘンなのだけど、明確なテーマが語られない、 その世界の雰囲気だけに浸りきってしまう不思議な感覚のする読後感があります。
 ストーリーを楽しむのでも、テーマを掘り下げるのでもなく、 静かな世界に浸りきりたい。そんな時に読みたい本です。

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