丘のドングリ

1999/8/3


 私のTVの上の小物入れにはドングリが2つ入っています。 秋に近くの道に、丘から転がり出てきた物です。
 うちの近所は道沿いに店があり、住宅街もあり、田畑もあり、 そしてドングリや竹林の残る小さな丘がいくつもある、そんな住みやすい街です。
 転勤の心配さえなければ、家を買うことを考えたくなるくらいに。

 でも今、ドングリを拾ったところを通ってみると、その丘はありません。 どうやら住宅地になるようです。


 住宅地と言えば、私が2年近く前にここに引っ越してくる時、 近所で新築建て売り住宅を「好評分譲中」で、 宅地造成も続けられていました。
 ちなみに1件売れただけで、未だに「好評分譲中」(^^;)
#2年たっても「新築」なんだろうか?(^^;;)
 造成された宅地には何も建っていません。

 最近新しくマンションが1つ作られつつありますが、 いつまでたっても、「先着順、好評受付中」のチラシが 時々郵便受けに入っています。

 そういえば近所には空き地が多く、 売れるまでの間、と不動産屋が駐車場として貸しているところも多いようです。
 私もそんな一角に駐車場を借りています。

 中古住宅、マンションも、いつまでも「売物件」のところが目立ちます。


 昨日見たニュースによると、この地方の路線価 (税金用のその土地の評価額みたいなもの)は今年も大きく下がったようです。
 不動産関連の知人によると、バブルのころは路線価以上でも売れたけど、 今は駄目だそうです。
 逆に言えば、それでも売れないから毎年路線価が下がるのでしょう。


 きっと今度造成された住宅地もあまり売れないでしょう。
 でも造成する人がいるのは、 売れそうもなくても造成したほうが利益があがるからでしょう。 不思議な話です。

 不思議な話ではあるけど その売れそうも無い物のために ドングリと竹林は切られ、丘は削られ、 買い物途中の涼しい木陰が無くなったことは現実です。
 私の持っているドングリの兄弟達も芽を出すことは無くなりました。

 せめて、私の手元のドングリだけでも、 私の実家の山に蒔いてあげたいと思います。
 なんせ、私の実家は景気が良かろうが悪かろうが、 開発が行われないようなド田舎ですから。(^^;)