ちなみにこのページは2年前に作りました。なので、現在では12年前、なのですが・・・。ご了承下さい。
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今からちょうど10年前、
1988年3月18日、小笠原沖の海上で皆既日食が見られた。
当時大学生の私は、サークルの仲間たちと観測ツアーに参加。
「おがさわら丸」に乗り込み28時間の船旅の末に父島へ、
さらにそこから10時間かけて、
皆既日食の見える海域へ向かう。
その船の上から見た星空は、
後にも先にも経験したことない程すばらしく、
プラネタリウムが陳腐に思えるほど。
そして3月18日の朝、水平線から顔を出した太陽は、
やがて静かに欠け始め、
ついに最後の光が消え「黒い太陽」に。
興奮する船上。感動の声、声、声。
あたりは暗く星が輝き、水平線上は360度紅く染まる。
黒い太陽の周りをふちどる深紅のプロミネンス。
太陽直径の数倍にも及ぶ羽毛のような真っ白いコロナ。
手や膝が震え、双眼鏡のピントが合わせられない。
馬鹿みたいにカメラのシャッターを切る。
「すげえ〜」以外の言葉が見つからず、
細かいことは良く覚えていない。
わずか3分50秒後、
黒い太陽の一端から光がこぼれ始め、
消えるコロナ、戻る世界。
美しいダイヤモンドリングとなって、
皆既日食は終わりを告げた。
つづく |