ISO感度


だれもが知っている、いわゆる「フィルムの感度」という数字が、このISO感度です。
昔はASA(アーサー)という表記でしたが、数字の意味は同じです。

ISO(国際規格)感度とは、ある所定の条件下でフィルムを露光現像して、
得られた特性曲線のある点の露光量から計算されます。

ご承知の通り数字が大きいほど「感度が高い」わけであり、
数字が倍になれば、感度が倍で、露光時間が半分で済むわけです。(相反則が成り立っている時は)

ただこの感度は、(それに限らず特性曲線等で示される写真性能も)
メーカーが規定の条件下で測定した値であり、
実際にユーザーが写真と撮るときの場合の実効感度とは必ずしも一致しません。

例えばフィルムが作られてからの時間や保存状態、撮影時の温度や条件、現像液の状態、
そして特に天体写真で最大の問題となる、相反則不軌で実際の感度は変化してしまいます。

この相反則不軌があるために、長時間露光の天体撮影時には、
ISO感度表示が高いフィルムが高感度であるとは必ずしも限りません。
ISOでは低感度のフィルムであっても、相反則不軌による感度低下が少ないためために、
むしろ天体撮影時には感度が高い結果になることもあります。