銀塩写真とよく言われますが、それは今のカラーフィルムの光センサーに相当する部分が
「ハロゲン化銀」、具体的にはヨウ臭化銀(AgBrI)の結晶からなるためです。
この結晶は1ミクロン以下の顕微鏡でしか見えない微少な粒子で、
様々な機能を持たせるために最適に制御されて作られています。
例えば35mmフィルムの1コマをサッカーコート大に拡大すると、
このハロゲン化銀結晶は直径3mmほどの薄い6角形の小石程度に相当します。
そしてこの粒子が、サッカーコート一面に4センチくらいの厚さに、
十数層の層を成して約百億個、規則正しく並んでる、という状態です。
想像すると気が遠くなりますが・・・。
もともとハロゲン化銀(ヨウ臭化銀)は黄色く、青い光にしか感じません。
これではカラー写真にならないので、緑の光に感じるようにマゼンダ色に染め、
さらに赤い光に感じるようにシアン色に染めたハロゲン化銀結晶を組み合わせて使います。
これをカラーフィルムでは上から、青感層、緑感層、赤感層と並べて、
カラー写真になるように設計されています。
現像されると、青感層は補色の黄色に、緑感層は補色のマゼンダ色に、
赤感層は補色のシアン色に発色して、ネガ像が形成されるわけです。
ネガフィルムでも、リバーサルフィルムでもAPSでもブローニーでも基本的に構造は一緒です。
リバーサルフィルムは現像時に反転処理を行い、カラーポジ画像を得るところが主な相違点です。
かくして、カラーフィルムは、とりわけポジ画像が得られるリバーサルフィルムは、
光センサーを備えた撮影材料が、そのまま画像表示材料になるという、
両特性を併せ持った優れた化学化成商品です。
現像という化学処理を必要とするのが最大のネックですが・・・。