楽器遍歴について

 息を使ってはいけない、という事は既にお話ししたが、その理由についてまず説明しよう。少し長くなるが・・・・。
 中学2年の秋、確か化学の実習の時に教室でふざけていて転倒し、頭を強く打った。その時の事はなんとなく覚えているけれど、その後の事は全く覚えていない。友人(多分学級委員)が保健室に連れて行ってくれ、また家も近所であったため、帰りも送ってくれたのだが、全く覚えていないのだ。そう、気が付いたら家で寝ていた。
 次の日に病院に行って診察を受けた。2ヵ所くらいの病院に行ったと思うのだが、どちらも聞かれた事は「嘔吐しましたか?」だった。頭を打って嘔吐するのは、非常に危険なのである。詳しいことは分からないが、脳に損傷があるからだ。
 自分は吐いた記憶が無かったので「吐いてません」と答えた。
 が、しかし!実は記憶に無かっただけで、家で吐いていたのである!う〜ん、良く生きてるななぁ、自分。(笑)
 さて、それから1年以上過ぎ、中学3年の1月。夕食中に、指先がピクピクと痙攣し出したのだ。自分は訳分からず、親に「変だ」と言ったのだが、親はふざけてると思ったらしく、「あんた、いいかげんにしなさい」と言うだけ。
 そのうち痙攣が体全体に広がり、救急車で運ばれることに。この時はもちろん意識不明なので、救急車の乗り心地は当然わからずじまい。今でもそれは残念に思う・・・。(爆)
 集中治療室に運ばれ、何時間か後に意識を回復した。後で聞いた話しだが、まだ意識が戻らない時に、途中で医師が外に出たらしい。外で待っていた親が、「どうですか?」と聞くと首を横に振ったそうだ。どういう意味だったかはわからないが、もしかしたら「望み薄」だったのかも・・・・。
 気が付いてからが大変。「住所は?」「電話番号は?」「名前は?」「生年月日は?」と何度も聞かれた。多分10回くらい言わされたと思う。「いい加減ににしろ!」と言いたかったが、そこは純粋な中学生なので、うざいと思いつつ答えていた。
 次の日、病院で脳波を測定した。結果は、呼吸系の脳波が異常、とのこと。しかし、原因が1年前に頭を打ったことにあるのか、生まれつきなのかは、頭を打つ前に脳波を測定していないのでわからない、ということだった。どちらだったとしても、そんなわけで激しく呼吸するスポーツは禁止されたのである。
 余談になるが、脳波の計り方は2種類あって、1つは針を頭皮に刺す方法、もう1つはコードを糊で頭に付ける方法。はっきり言って、どちらも非常に痛い。糊の方法は、付ける前に、頭皮を思いっきりこする(奇麗にして、電気を流しやすくするため)のだ。血が出るくらい。オーバーではなく、本当に血が出た。
 もし今後脳波を計る場合、針をお薦めする。というのは、糊だと髪の毛がボサボサになるからだ。

 さて、楽器のことからだいぶ話しが逸れた。
 そんなこんなで打楽器パートの部員になった。学校の文化祭まで1ヵ月を切っているという時期だったので、何曲か楽譜が渡された。鍵盤が数曲、シンバル、バスドラ(これも余談だが、ベースドラムというのが正式らしい)、などなど。現在でも鍵盤をなんとかこなせるのは、この時に鍵盤を担当したおかげだと思う。
 それから暫く経って、友人が入っている吹奏楽団のアンサンブルの演奏会を聞きに行った。その時に初めて聴いた木管5重奏。実はその時の吹奏楽部にはオーボエもファゴットも存在せず、その演奏会で初めて実物を見た。そしてオーボエの音を聴いて、「この楽器やりたい!」と思ったのである。これがまあ、言ってみれば自分とオーボエの出会いだ。
 早速、市民バンドに入団。しかし、楽器が無かったため、最初はサックスに。サックスも楽しかったし、今でも好きだが、やはりオーボエが吹きたかったので、満期になった保健で安い楽器を購入。それが高校3年の時。
 それから約11年程オーボエを吹いた。途中でアングレも買ったし、オーボエも買い換えた。その間自分も色々知識が増え、ファゴットにも目が行くようになった。そうしているうちに市民バンドもオーボエの団員が増え、平成5年頃にファゴットに転向することを決意。
 今でもファゴットがメインで、打楽器もやるしたまにオーボエも吹く。だから上達が遅いのかもしれないが、自分としては楽しくやっているので、まあいいだろう。(自己満足)

 さて、最初に述べた息を使ってはいけない件だが、現在脳波が正常になっているのかは良く分からない。  今度機会があれば、また測定してみたいと思う。




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