好きな歌

 こちらは、中島みゆきの好きな歌についてのコーナーです。
 説明文を読んで頂いて、「今度、自分も中島みゆきを聴いてみようかな」と思って頂けたら嬉しいです。


○LOVERS ONLY
 クリスマス。自分には関係ないね。この日は恋人達だけのためにあるようなもんなんだからさ。街を歩けばカップルばかりで、独りの自分は一体どこに行ったらいいんだ?
 許される、癒される、願いごとが叶う、そんな言葉も恋人達のためにあるようなもんだしね。
 トホホ・・・・・。

○Tell Me,Sister
 実はこの楽曲は、”すごく好き”という程でもない。もちろん好きな曲ではあるけれど。
 で、なぜこのコーナーに載せたかというと、これを聴いて考えさせられたからである。
 歌のストーリーは、顔も性格もイマイチな女性が、「こんなじゃなかったら、もっといい人生を送れたに違いない」と嘆いていたが、ある日”全てを備えた彼女”に出会う。更に「どんなに頑張ってもそんなふうになれない」と嘆くと”そのままでいいのに”と彼女は微笑むだけ。そして月日は流れ、彼女がこの世にいないことを知る。
 何が幸せなのか、人それぞれだと思う。正直言って、自分も「もう少し二枚目だったら、人生は変わってたかも」とすっごく思う(笑)。でもそんなことよりもっと大事なものがある、とこの歌は教えてくれる。そして、その大事なものを探すために、人は生きているのかもしれない。

○記憶
 これは「夜会」Vol.11「ウインター・ガーデン」で歌われた楽曲で、もちろんCD化はされていない。とにかく、この歌詞を記憶しているうちに(さむ〜〜)、記録しておきます。ただ、既に失念していたり、始めから覚えられなかった部分もあるし、実際と違ったふうに覚えてしまった箇所もあると思うけれど、そのへんはお許しを。(出だしの谷山浩子さんのソロはすっかり忘れました)
”もしも産まれる前の 記憶を覚えていたら
 ここにいない人を探して つらいかもしれない
 忘れてしまったのは 嬉しかった記憶ばかり 楽しかった記憶ばかり
 覚えていたいけれど
 独りで産まれた日に 誰でも掌にぎっていた
 未来は透き通って 見分けの付かない手紙だ・・・”
 実は最後の部分はあまり聞き取れなかった。でも長くて何度も繰り返して歌ってくれたので、なんとか覚えられた。
 でも本当にいい歌だった。なにせ、自分の両側に座っていた人がだんだん身を乗り出して来たほど。(自分はそれを見てニヤニヤしてしまったが)

○永久欠番
”どんな立場の人であろうと
 いつかはこの世におさらばをする
 確かに順序にルールはあるけど
 ルールには必ず反則もある・・・”
 いざ退職する日の数日前から、永久欠番のこの歌詞が頭についていた。実際にはこれは人の生死の歌であるが、自分の会社、職場に置き換えていた訳だ。
 普通なら、(細かいことを除いて)入社して定年まで働いた場合、早く入社した人から先に定年退職を迎えるという”ルール”があるのだが、それに対して僕の様に”反則”を犯す人もいる。
”人は忘れられて代わりなどいくらでもあるだろう
 誰か思い出すだろうか
 ここに生きてた私を・・・”
 会社に入社して、某会社に派遣になって、自分の会社も派遣先の職場も、人間関係には恵まれていたと思う。これは本当に幸なことだ。
 でも実際に自分が”そこ”からいなくなる時が迫って、自分は自分で新しい生活が始まるし、残った人にも新しい生活が始まるし、でもそんな中でたまにはお互いを思い出して「いま頃どうしてるかな」なんて考えたりできたら、考えてもらえたら嬉しい。もちろん、それを強要することはできないけれど・・・・。

○命の別名
 「糸」と並んで某テレビドラマの主題歌。主題歌(一般大衆向け)として作られた割りには、みゆきカラーが色濃く出ているのではないだろうか?
 この楽曲にはシングル(主題歌)バージョンとアルバムバージョンがあり、シングルの方は主題歌向けに、アルバムはそれより低い音域で力強く作られている感じ。アルバムバージョンの方がみゆきさんの”言いたい事”が伝わってくるようで、アルバムバージョンの方が好き。
 最初にタイトルを聞いた時、「また凄そうな歌だなぁ・・・」と思ったものであるが、初めて主題歌としてこの歌を聞いた時、一気に好きになってしまった。一番好きなのは2番の、
「たやすく涙を流せるならば
 たやすく痛みも分かるだろう
 けれども人には
 笑顔のままで泣いてる時もある」
という部分。
 そうそう、”顔で笑って心で泣いて”ってヤツですな!自分もそういうことは良くあるから、チョー共感してしまった。ヨシ、また今度カラオケで熱唱しよう!
「命に付く名前を『心』と呼ぶ 名もなき君にも 名もなき僕にも!」

○おだやかな時代
 この歌は、「きっかけ」の所にも書いた通りニュースステーションの”日本の駅”というコーナー主題歌だった曲である。既にあった歌を起用したものなのか、委嘱したのかは分からないけれど、出だしの静けさと
「駅は部屋のドア 開ければそこから始まるよレールウェイ」
という歌詞は、あのコーナーにピッタリだと思う。(ただし、現在CD等で聴けるのは、ニュースステーションで使用していたのとは別バージョンのようである)
 この歌は一言で言うと、”孤独”が表現されている。
「まだ眠っている町を抜け出して駆け出すスニーカー」
は自由・新しい世界を憧れているようだし、
「僕に怯える天使たちよ僕は君程強くないさ」
は、強がって生きている主人公が”本当は違うんだ”と心の中で訴えているようである。
 是非カラオケで歌ってみたいが、残念ながら何処にも存在しない。

○十二月
 「自殺する若い女がこの月だけ急に増える」
という、おっそろしい歌詞で始まる。これからも想像できるように、歌詞の内容はものすごく暗い。が、逆にメロディーはとても激しいものになっているが良い。(^^)
 ”自殺”するのは、”クリスマスを前に男に捨てられた女達”だと思う。実際にこういう統計があるのかどうか分からないが、もし本当であればその逆のパターンで、”自殺する若い男”も増えるのかな?と思ってしまうのは、自分だけだろうか??(^^;;;;
 なお、この歌には”歌詞があまりにも辛辣である”ため、CDには収録されなかった幻の2番が存在する。

○誕生
 こちらも「きっかけ」の所に書いたが、この歌のおかげで引きずり込まれてしまった。
 この歌の詩はけっこうストレートな部分が多いので、解説することもないと思う。出だしは
「ひとりでも私は生きられるけど
 でもだれかとならば人生ははるかに違う」
うんうん、全くその通りである。
 しかし、そういう普通の、しかし奥深い歌詞からサビの部分で急に感動の頂点へ。
「Remember 生まれた時だれでも言われた筈
 耳をすまして思い出して 最初に聞いた Welcome」
これが、出だしの歌詞が布石になって、2番のサビではさらなる感動へ導かれる・・・・。

○南三条
 主人公の女性が、ある日昔の知人に出会う。相手は昔、主人公の恋人を奪った女性だった。その女性は赤ん坊を背負い、ますます主人公の恨みをかう。しかし、紹介された男性は、あの恋人ではなかった、というお話し。
 小説にでもなりそうな内容を、見事に歌にしている。アップテンポのメロディーが、主人公の心の葛藤を現わしているようでとても良い、のであるが、こちらもカラオケには存在しない。

○誰だってナイフになれる
 タイトルと歌詞を初めてみた時、「キツそうな歌だな〜(^^;;」と思った。
「誰だってナイフになれる いつだってナイフになれる
 (中略)
 人が幸せ見せるとき 人が背中を見せるとき
 けれど時に理由もなく そんな自分に切りつける
 誰だってナイフになれる 自分を嫌いになるとき」
 ほら、そう思ったでしょ?
 でも、実際に歌を聞いたらとてもメロディーが美しく、恐さより悲しさを表現した歌なんだと思った。他人の幸せを妬んでしまう自分。そんな自分自身を傷つける自分を。
 これは、「夜会Vol.8『問う女』」で歌われた歌である。この『問う女』を観れば、良くおわかり頂けるかもしれない。

○夏土産
 「そういえば、今年の夏は友達と海に行く、って言ってたわね。でも嘘だって分かってたの。だって目つきがいつもと違ってたし、あなたが行くって言ってた場所は恋人達が訪れるので有名な場所なんですもの。帰ってきてからも『カメラを忘れて行ったから何も撮れなかった』なんて、言ったりして。
 でもね、本当は知ってるの。私の友達が偶然あなたと同じ所に遊びに行ってたの。その友達が撮った写真の隅に、あなたと見知らぬ女性が写ってたんですもの。
 でも、それをあなたに言えないのは、私、まだあなたが好きだから・・・。」
 っていう歌です。

○ローリング
 これには2つのバージョンがあって、最初のバージョンの方は奇麗にまとめられているような気がする。後で出たバージョンは、詩の内容に合ったアレンジになっていて、自分は後者の方が好きである。
 この曲で気に入ってるのは3番の歌詞。
「9桁の数字を組み替えて並べ直す
 淋しさの数と同じイタズラ電話
 ボックスを叩く街の風が冷たい
 どうしても1つだけ押せない組がある」
家族か、遠くに置いてきた恋人か、はたまた親友か。電話しようと受話器を握り、しかし電話できずに組み替えた番号を押してしまう・・・。主人公の行動を通してその心理を表現する詩がたまらなく良い。

○いつか夢の中へ
 折角ニューアルバムを買ったので、そこからまず1曲。
 これは「夜会Vol.9『2/2』」で歌われた曲で、「夜会Vol.7『2/2』」には無く、莉花の恋人によるモノローグの後、デュエットで歌われた。勿論、今回のアルバムでもデュエットで歌われている。
 詩の内容は「夜会」のストーリーを反映して、「1人旅立つ」「何もわからない 誰もわからない 自分の事がわからない」などの歌詞があるが、それを抜きにして単独でも充分魅力がある。また、メロディーもとても奇麗で、ぜひカラオケに加えて欲しい1曲だ。(しかし、男性のハモリが難しそう・・・)



ホームに(て)