自我について


 自分は我が強い。友人の中には分かっている人も多いと思うが、我が強い。
 実は、幼少の時にこんなことがあった。幼稚園生くらいの時だ。
 その日は両親とデパートに買い物に行った。そしてエレベータに乗った時のこと。満員のエレベーターの扉は閉まり、動き出した。その時、自分は大声で泣き出した。当然親はオロオロ。そして「エレベーター(のフワッとした感覚)が怖いのね」とあせりながら俺の口をおさえた。今となってはその親の気持ちは十分わかるが、その時俺は親の手を噛った!のである。
 今だから事実を話そう。自分はエレベータなんて怖くもなんともなく、他の理由で泣いたのだ。それは、隣に立っていたオッサン(実は若い人だったかもしれないが、その時はオッサンに見えた)に、思いっきり足を踏まれたのだ!
 いや、足を踏まれたのはまあいい。何が不満だったかというと、その後何の謝罪もないのだ。だからムカついて泣いてやった。子供とは恐ろしい・・・。
 ところで、満員電車に乗っていると、はずみで人の足を踏んでしまうこともある。そいういう時は謝ろうと思うのだが、「イテテ、あー痛てえっ」とわざとらしく言われ、顔をじろっと見られると、謝る気分も失せてしまう。「なんだよ、わざとじゃねーぞ!」と思ってしまうのだ。本当は良くないことなんだけれど、やはりこれも自我の現われだろうか・・・。




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