トップページ 泌尿器科診療案内  
STD(性感染症・いわゆる性病)とはどんな病気
 STD(性感染症)とはSexually Transmitted Disease(性行為でうつる病気)の略。日本で古くからいわれてきた性病(淋病・クラミジア・梅毒)というイメージよりも、広い範囲の病気を指します。性行為でうつる可能性のある病気としては、淋病梅毒のほかにも、今話題のクラミジアヘルペス、そしてAIDSなどがあります。これら有名な病気は誰でもSTD(性感染症)だと知っていますが、これらのほかにも伝染性単核球症B型肝炎尖圭コンジローマトリコモナスマイコプラズマウレアプラズマなどなどいっぱいあるのです。
子供によくできる水イボ、私はこれだっておとなが裸でいちゃついたときにうつればSTD(性感染症)のなかまになると思っています。
こうやって考えるとSTDは意外に身近にある病気です。STDの感染経路は、「性器を介するほどの濃密な接触」ですから、考え様によっては、STDを起こす原因菌(またはウィルス)は、非常に感染力が弱いものだといえます。また、保菌者たちはSEXができるほど元気な人たちですから、感染していても、すぐには体に大きな障害を起こさない病気だともいえます。ですから、万が一STD(性感染症)にかかってもむやみに怖がる必要はありません。
とはいえ、AIDSのように命取りの病気や、尖圭コンジローマのように子宮がんの原因になったり、梅毒やクラミジアのように自分の子供に影響するような病気たちですから、決してなめてかかってはいけません。
STDは何科にかかればいいの?

読者の皆さんの期待を裏切るようですが、新宿さくらクリニック「性病科」の医院ではありません。本来「性病科」などという講座は医学部にはないのです。STD(性感染症)は、感染経路が泌尿生殖器を介するというのであって、感染症というとらえ方からすれば、内科の病気であってもおかしくはありません。事実、クラミジアはSTD(性感染症)として有名になるずっと以前からトラコーマという目の病気として世に知られていたのです。
と言うわけで原則的にはSTDを見てもらうためには、症状が出たところの専門に行けばよいわけです。女性性器なら婦人科、尿道が痛ければ泌尿器科、皮膚がかゆければ皮膚科・・・という具合に。原則はそうですが、世の中はそうそう単純ではありません。なぜ先進国といわれる国の中で日本だけクラミジア感染症が年々増加しつづけているのでしょうか。こんなに感染力が弱くて、治し方もわかっている病気がいつまでも蔓延しているのは不思議じゃあありませんか?
その理由は・・・・
1.「STDなんか決められた薬を飲ませれば簡単に治っちゃう」と考えているドクターと患者さんが意外に多いこと。
痛いとか痒いとかの症状がおさまれば,ばい菌は全部いなくなったのでしょうか?もしも治療後の判定検査を怠ったり、患者が途中で治療を勝手に止めてしまうと、ばい菌が残っていて再発を繰り返したり,パートナーや他の人に移したりしてしまいます。

2感染しても.臨床症状が出ない人のほうが多いこと。
STD(いわゆる性病)は、感染していても自覚症状が出にくく、知らない間に他人にうつしてしまう病気です。しっかりとした検査を受けなければなりません。

3.検査は100%信頼できるものではないこと。
STD(いわゆる性病)の検査は、100%信頼できるものではありません。検査をするときの状態や、検体の保存状態などに左右されます。検査は1種類だけではなくて、たくさんの種類があって、それぞれ精度がまったく違います。たとえばクラミジアの検査出よく使われる核酸増幅法にもいろいろな種類があり、制度は10倍から100倍違うことがあります。そんな検査で感染がないといわれても本当に安心できますか?診断は検査だけに頼らず、患者さんの症状や状況、尿や分泌物などの様子を見ながら総合的に判断しなければなりません。
「簡単」「早い」「安い」などの検査には注意が必要です。

2.日本では「STDは性生活をしているカップルの病気である」ことを認識がうすいこと。
パートナーも治療しなければそのうちまた感染するに決まってるのに、わざわざ注意してあげてもパートナーには黙っている人が多い。これって一種の犯罪ですよ。
ありがちな例:ある男性がクラミジア性尿道炎と診断された。パートナー(この場合彼女)は婦人科で検査を受けたが何ともないと言われた。女性の側としては「私は潔白よ」と考えて治療したくなかった。
こんな事が起こったら女性側の主治医はどうしましょうか。私だったら、クラミジアが検出されなくっても男性といっしょに治療します。クラミジアの検出方法にはいろいろあって、どんなによい方法でも30%ぐらいは見落とす危険がありますし、検査方法によっては半分も見つけられないのですから、「検査で何ともない」のは「何ともなくない」と考えるべきではないでしょうか。

3.効かない薬でもSTDの治療薬として認可されていること。
STD(いわゆる性病)の臨床現場では細菌と治療薬の追いかけっこです。教科書で習った薬はとっくの昔に効果がなくなってしまっていることがよくあります。厚生労働省がSTD(いわゆる性病)の治療薬として認可している薬の中でも、国が決めた使いかたではもはや効かなくなってしまった薬はたくさんあります。日々臨床の現場でSTDと立ち向かっている施設でないと治療が難しくなってきています。

4.SEXパートナーが複数いることが多くなってきたのに日本ではコンドームの使用率が低いこと。
STD(いわゆる性病)に繰り返してかかる患者さんは、そうでないひとに比べるとSEXパートナーの数が多く、性行為の頻度の高いことが統計上明らかになっています。フリーセックスを煽る風潮が社会全体にあるように思いますが、それならそれで予防方法もしっかりと宣伝べきでしょうに、現実は厳しいものがあります。

当院では厚生省と東京都のSTDサーベイランス事業に参加するだけでなく、性感染症学会の研究やテレビ新聞,雑誌などの多数のメディアの取材等に協力して、STD予防の啓蒙活動も行っていますが、個人医院の力では到底効果が現れません。国を挙げての活動が必要です。
そんなわけで世の中からSTDが消えないわけです。

STDには保険は使えないの?
 STDは肺炎やはしかや風邪と同じ感染症ですから、当然保険扱いの対象になります。性病は保険がきかないと言うのは、何十年も前のことです。また、STDの病名が会社に知れることを恐れる人がたまにいますが、なんであれ病名は個人の最高レベルのプライバシーですから、やすやすと会社の上司に知られるようなものでもありません。また、万が一知られても、それを理由に人事等に影響することは、法律で硬く禁じられています。
保険制度の破綻で将来はどうなるか分かりませんが 現在のところは、ほとんど保険でカバーしています。治療する立場からも、自費扱いだと検査やくすりを十分に使えないこともあってやりずらいこともあります。安心して保険診療をお受けください。

ただし、次のような場合は保険が適用されませんのでお気を付けください。
1.本人の保険証(本証)を持参しない場合。保険証のコピーはだめです。また、原則として再診時でも保険証が必要です。最低限毎月提示してください。
2.保険証の資格や期限が切れている場合
3.医療機関が健康保険取り扱いの指定を受けていない場合
4.保険の認めている限界以上の検査や投薬が必要な場合
〜最新、最良の検査や薬を使おうとすると、自己負担が必要になることがあります〜
5.病気にかかっていることが明らかではないが、本人の希望で検査を受けたいとか、予防的に治療したいと言う場合
このケースは結構あります。保険扱いが当然と思っている人も多いのですが、まず自費で払ってもらい、検査で病気がはっきりしてから保険扱になります。
尿道炎(淋病・クラミジアなど)の知識と対策

<当院の方針>当院では、患者様が「痛い」とか「恥ずかしい」とか感じることがないように出来るだけ注意を払っています。基本的な検査はほとんど痛いことはありません。そのためには出来るだけ排尿を我慢されてからご来院下さるようお願いいたします。時間の目安は2−3時間です。採血や注射など、診断・治療に必要な場合は痛みがありますのでご容赦ください。

尿道炎とは、尿道にばい菌が入りこんで炎症を起こす病気です。ばい菌の種類によって「淋菌性尿道炎(淋病)」、「クラミジア性尿道炎」、「雑菌性尿道炎」などと呼ばれます。

原因になるばい菌は、淋菌、クラミジアトラコマティスが特に有名ですが、そのほかにもマイコプラズマ、ウレアプラズマ、トリコモナス、大腸菌、ブドウ球菌などなど数え切れないほどありますが、主に性行為によって感染するのはだいたい同じです。ここでは最も代表的なクラミジアトラコマティスと淋菌感染症についてお話いたします。

【クラミジアトラコマティス感染症】
クラミジアトラコマティスは、現在最も多い尿道炎の原因菌です。感染すると、1日から1週間ぐらいの間に発病します。
最初の症状は、おしっこをするときに尿道がしみるようにいたんだり、痒かったり、おしっこが熱く感じたりします。そのうち尿道からさらさらとした透明かやや白くにごったうみが出てきます。ウミが少ないときには,パンツに粘液がついたり、亀頭の先端がいつもぬるぬるしていたりします。
クラミジアトラコマティスは、光学顕微鏡では見えないぐらいの大きさのばい菌なので、以前では診断できずに見逃されがちな病気でした。最近ではDNAレベルで検出できるようになったので、診断は比較的簡単になりましたが、検査の方法によって結果にばらつきが生じてしまうのが厄介です。
残念ながら、現在最も優れた検査方法はDNA増幅検出法のひとつであるPCR法と呼ばれるものでも100%検査結果が信用できないのが現実です。と言うのもクラミジアがいても検査でマイナスになったり、逆にクラミジアがいなくても検査がプラスになったりする事が時々あるのです。ですから私はクラミジアの診断に当たっては検査結果だけではなく、患者さんの症状や、パートナーの状況、尿道分泌物の細胞配列などの臨床的な情報も含めて総合的に判断するように心がけています。

治療にはクラミジアトラコマティスにもっとも有効とされるクラリスロマイシンやガチフロキサシンを2週間服用してもらいます。なぜかというとクラミジアはヒトに感染するとその人の粘膜細胞の中に入り込んでしまい、3−4日周期でしか細胞の外に現れないので、薬が効きずらいのです。多くの患者さんはこの方法で治りますが、厚生省が推奨するこの方法でも5人にひとりぐらいの患者さんで治らない人が出てしまいます。
2種類以上のばい菌に混合感染している人
感染してから治療開始まで時間がかかってしまった人
不適切な初期治療を受けていた人
指導されたとおりに薬を飲まなかった人
治療中にお酒を飲んだ人
パートナーの治療をしなかった人
体格がいい人・糖尿病の人
薬に対して抵抗性のあるばい菌に感染してしまった人
がこれに当てはまります。
このような方の場合には多少副作用が問題になりますが、上記の薬品の大量投与やエリスロマイシンやミノマイシンの併用、さらには近年認可されたばかりのジスロマックを使用することがあります。

【淋菌性尿道炎・淋病】
淋菌性尿道炎(淋病)は昔から性病の代名詞のように有名でしたが、最近ではクラミジアにその王座を譲ってしまいました。ペニシリンが発明されたからです。確かにペニシリンは淋病によく効きました。でも、「ペニシリンを一回注射すれば淋病は治る」と言うのは真っ赤な誤解です。
近年ではペニシリンに抵抗性のある淋菌がはびこっていますし、淋菌の約60%に他のばい菌が混合感染しているために、淋菌だけをやっつけても尿道炎が治らないのです。淋菌(淋病)の治療には早期から出来るだけ大量の抗生物質を使うことが必要です。なぜなら、淋病の治療効果は「血液中の薬品濃度」によって大きく左右されるからです。そのため内服薬とともに筋肉注射や点滴による抗生物質の投与を躊躇なく行わなければなりません。
最近の淋菌はペニシリンばかりではなく、いろいろな抗生物質に抵抗性を持っている事がありますから、医学部で教えているような一昔前までの治療法方ではとても直す事が出来ません。当院では、短期間多剤併用療法で治療成績を上げています。とはいえ、ほとんどの治療が保険適応できますので、安心して受診してください。

Q and A

 このコーナーは2006年3月1日新宿区保健所主催の講演会で寄せられたご質問に回答したものです。電話やメールでのご質問には対応いたしかねますのでご容赦ください。重複する内容はまとめてお答えしました。当院院長の専門外のご質問に関しましてはお答えしかねるものもございますので、ご了承ください。表記はご質問用紙に書かれたものをそのまま転記しました。一部表現を変えたところもありますができるだけ原文のまま掲載いたしました。新宿保健所ならびに講演会にご出席の皆様のご了解の上、公開いたしました。内容の一部であっても原則的に転載は禁止いたしますが、講演会にご出席の方におかれましては、当院に電話でご一報いただければ転載していただいて結構です。
【質問1】ヒトパピローマウィルスのハイリスクグループに感染しても2年間何もなかったらガンにならないと聞きましたが本当でしょうか。/ヒトパピローマウィルスの感染からどれぐらいで子宮頸がんが発症するのですか? 子宮頸がんになったら子供を生むことはできなくなりますか?
 ヒトパピローマウィルス(HPV)がどれだけの時間潜伏しているかは、本当のところはわかっていません。臨床上は3ヶ月間再発がなければ一応ウィルスの影響がなくなったとしていますが、再感染も含めて完全に大丈夫とはいえません。一度HPVに感染してしまったら、特に女性では定期的な検診をお受けになることをお勧めいたします。
 HPVに感染しても尖圭コンジローマを発病する人は約3%、そのうちガンになる人はさらにその3%以下・・・ですからHPVに感染してもガンになるのは1000分の1の確率でしかありません。個人にとっては危険の確率は非常に低いのですが、100万人が感染したら1000人の人が将来ガンになる危険を持っています。そういう意味で恐ろしい病気ですね。

 ガンができるまでは感染から10年以上かかることもありますが、若い細胞ほど影響を受けやすいので10代で子宮頸がんになるケースもあります。ガンが発病する前に細胞異型性が起こり、初期のうちであれば治療で根治します。ガンも範囲が小さければ子宮をとらずに治せるので子供を生むことは可能です。ただし、ガンが進行してしまってはそうは行きません。早期発見するためにも定期的な婦人科検診が必要です。
【質問2】STDの治療をパートナーにもすすめる際、Dr.から説明される内容で、特に気をつけることはどんなことですか?(パートナーに話しにくいと言う人が多いのではないかと思うので)
 まず、STDは「性環境の汚染」であることをよく理解してもらうことです。パートナーの治療はその人のためでもあり、自分自身のためでもあります。ただし、最初から「あなたから性病をうつされた」と言うスタンスではけんかになってしまいます。医者に行くのは犯人捜しのためではありません。あくまでも二人のためなのです。相手を説得するときにはまず自分がSTDのことをよく理解して、愛情を持って説得することです。
 STDには、感染が強く疑われていても検査して陽性に出ないことがあります。それでもパートナーに治療を受けてもらうためには病気のことをよく理解してもらわなければなりません。著者が提供するSTD情報サイト「性病事典」をぜひ一緒にお読みになってください。
 もしも自分から言いづらければ「私の主治医がパートナーを連れてくるように言っている」と説明するのもいいですね。

 ただし、尖圭コンジローマ(パピローマウィルス)や性器ヘルペス(ヘルペスウィルス)などのウィルス性疾患に関しては症状が出ない限り診断は難しく、予防的な治療方法もありませんから、「同時治療の原則」は必ずしも当てはまりません。女性の場合無症状であってもパピローマウィルスの有無を調べることは可能ですが、健康保険適用外です。無症状の男性の場合はウィルス検査は不可能です。
【質問3】コンドームをつけたがらないパートナーに、どのようにアプローチしたらいいでしょうか。/彼氏が歌舞伎町のファッションヘルスによく行くのですがどんな性病の危険がありますか。
 世界的にSTD予防のためにコンドームをつけることは常識化しています。WHOも安全な性行為として推奨しています。
  イギリスの中学校では女子生徒に「コンドームをつけたがらないような男はあなたを愛していない」「コンドームをつけない男にはセックスをさせない」ようにと教育している学校もあります。つまり、セックスの主導権を女性側が持つ文化があるからでしょう。日本ではそこまではいっていませんが、今後女性が主導権をとる時代になってゆくことでしょう。コンドームをするしないで愛を試されている。そう考えてみてはいかがでしょうか。

  ヘルスでは「ホンバンはないから性病にかからない」と誤解している人が多いのですが、そんなことはありません。男性尿道炎、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、毛じらみ、疥癬などはヘルスで感染することが多いのです。STDは確率の病気です。感染する危険性は性行為の回数ではなくて相手の数に比例して高くなります。不特定多数との接触を持つヘルスでは、当然STDにかかる確率が高いのです。彼氏がヘルス通いをやめないようなら、ますます危険は高まってゆきます。それを許す許さないはご本人たちの問題ですが、やはり愛情が試されているのではないでしょうか。彼氏のヘルス通いを容認するのは愛情ではなくて甘やかしでしかないでしょう。私の立場からはすぐにやめていただくようにお勧めいたします。
【質問4】STDに安全日はないのですか?
ありません。生理中は特に危険です。また、STDに限らず体調が悪いときには膀胱炎などの感染症になりやすくなったり、セックス自体が苦痛を感じたりしますので、お互いの体調を気遣うようにしましょう。
【質問5】性感染症は、症状が出てからどのくらいで膣内または卵管に菌が進入してしまいますか?/不妊症になる確率はどれぐらいですか/妊娠中はSTDの治療ができないと聞きましたが本当でしょうか。
 すみません。不妊症になる確率はお答えできません。STDのうちとくにクラミジアは放置しておくと子宮内膜炎、卵管閉塞や骨盤内腹膜炎などを起こして不妊症の原因になることが知られています。しかし、長年感染している人でも妊娠できた方もいますので、必ず不妊になるというわけではなさそうです。また、クラミジアをはじめSTDは症状に気づかない場合が多いので、知らず知らずのうちに感染が体の中に広がってしまうのです。もしも症状が出たらすぐに婦人科などの専門医にご相談されてください。また、症状がなくてもパートナーに感染があったら、一緒に治療されてください。その場合、感染がなくなったことを確認するまで治療することはもちろんですが、治療中の性行為もしてはいけません。

 妊娠中にクラミジアや淋菌などのSTDに感染していると 流産を起こしやすくなります。また、胎児に感染を起こしたり、出産のときに産道感染をしたりで、赤ちゃんに重大な障害を起こします。妊娠中であっても積極的に治療をしなくてはいけません。妊娠中の治療については産科の主治医にご相談ください。
【質問6】カンジダについて教えてください
 カンジダとは、カビの一種です。膣カンジダ症は女性にとっては頻度の高い病気です。カンジダ自体はSTDではありませんが、クラミジアや淋菌があるとカンジダになりやすいので、カンジダ症になったら一緒にSTDも調べることをお勧めします。体調が悪いとき、風邪を引いたとき、抗生物質を長期間服用したときなどにも起こることがあります。症状はヨーグルトや豆腐をかき混ぜたときののような塊を含んだ白いオリモノが特徴的です。膣の痒み、性交時の痛みなどもあります。カンジダを抑える薬を膣の中に挿入すると5―7日ぐらいで治りますが、繰り返し感染する場合には婦人科専門医にご相談ください。
【質問7】HIVとSTDの関係について教えてください。
 STDの中で梅毒とヘルペスはHIVとの関連が高い疾患です。両者とも皮膚や粘膜に傷を作る病気なので、HIVが体内に侵入しやすくなります。反対に淋病やクラミジアは粘膜表面で炎症を起こす病気ですから、HIVとの関連性は梅毒・ヘルペスほど高くありません。しかし、STDは確率の病気です。病気の種類によって感染する危険性が異なりますが、同じ経路で感染が広がっているのですから、どんなSTDであってもHIVと無関係ではありません。

  HIVの感染を持つ人と性行為があっても感染してしまうのは100〜1000分の1ぐらいと考えられていますが、それは通常の性行為に限ったことであって、肛門性交や、道具を使った性交では粘膜面に傷ができやすいのでHIV感染のリスクが高まります。
【質問8】口唇ヘルペスは口腔内にうつらないのか。性器にはどうか。
 口唇ヘルペスは単純ヘルペスウィルス1型(HSV1)による感染症で、性器ヘルペスは2型(HSV2)によると言われてきましたが、近年オーラルセックスによってその境目はほとんどなくなってしまいました。HSV2のほうが症状が強く出やすいので、口腔内全体に広がるような重症例のほとんどはHSV2によるものと考えられます。もちろん性器にHSV1が感染することもあります。
まだまだたくさんのご質問が寄せられておりますが、著者の専門分野として責任を持ってお答えできる範囲に限らせていただきました。講演会にお越しくださった皆様に御礼申し上げます。

 


 医療法人社団智嵩会 新宿さくらクリニック
 
東京都新宿区百人町2−11−22