Terrible Booing Soccer

アルビレックス新潟に軸足を置いてサッカーを論じる、時にブーイングを放つサイト。



●アルビレックス・ゲームレポート2008
第6節 vsガンバ大阪(AWAY) 2008/4/13


(文:オヤジ 2008/4/19)


 AWAY2連戦で勝ち点2とまずまずの結果を収めたアルビ。さらにナビスコ大分戦も引き分けと、何とか負けないところまでは来た。この結果を勝利に繋げて欲しい。心からそう願い、今日もここにブーイングする。


Ambivalence

 この試合を見終わり、私は主審の村上伸次に勝利をモミ消された気分になった。

 後半10分過ぎの千代反田のバレーとの競り合いはファウルには値しないものである。あれでPKを取られるのであれば、サッカーという競技には1試合あたり30本のPKが存在せねばならないだろう。
 また、後半3分に中澤聡太がコンタクトを入れるためにピッチに出た際も戻すタイミングが適正でなかったため、中澤がこぼれ球を触ることとなり、あわやカウンターになりかけた。
 さらに前半終了間際のコーナーキックでは、千代反田のゴールが取り消された。これは亜土夢がペナルティエリア内でファウルを犯したとの判定であるが、納得はいかない。
 アレッサンドロの2ゴールは正当性があるので、村上主審により3-1で勝てたゲームが2-2の引き分けにされたと言える。私が憤るのも無理は無いだろう。

 Jリーグでは選手の質に審判の質が明らかに追いついていない。
 審判の質の向上についてであるが、閉鎖的に協会内で評価される制度では限界があるだろう。メディアが積極的に誤審や疑惑の判定を取り上げるべきである。専門誌には「今週の誤審」などというコーナーは存在せず、放送ではせいぜい「微妙な判定」というに過ぎない。
 審判は神ではなく、ミスをする人間である。彼らも日本でトップクラスの審判を自負するのであれば、衆人の批判に晒される覚悟がなければならない。彼らには罵声や徹底的な批判・糾弾が足りない。Jリーグを見る方々はどんどん声を上げるべきだと私は考えている。



 勝利をモミ消されたと判断していた私であるが、試合スタッツを見て、その考えは複雑なものになった。
 アルビはシュート4本に対し、ガンバは21本。しかもアルビの後半のシュート数は0である。確かに後半のアルビの攻撃面には良い点がほとんど無い。千代反田や松尾を中心に終始守備面でファイトしていた記憶しかない。よくぞこれでAWAYながら勝ち点1をもぎ取ったものだとも思う。この試合は負けてもおかしくなかった。しかし、守備の踏ん張りで引き分けに何とかこぎつけた試合だと見て取れる。

 確かにこの試合の評価は難しい。アレッサンドロの2ゴールは確かに素晴らしいものであるが、鈴木監督の交代策には疑問符がつく。
 ガンバにとってそのスピードと運動量が脅威であった亜土夢に代えてダヴィを投入した事は失策であり、アレッサンドロ(前半の活躍は嘘だったかのように後半は消えてしまった)に代えて河原を投入したが、そのタイミングはもう10分早くてもいい。

 また、柏戦では非常に奮起した寺川・木暮のドイスボランチであるが、彼らにゲームメイクの比重が偏ってしまったことを見透かされ、ガンバのプレスがこの二人に集中した。その結果、この試合では寺川と木暮はミスが多く、機能したとは言い難い出来だった。

 2点を奪ったものの、決してアルビが(鈴木監督が)思い描いていた展開ではなかったはずだ。ゲームプランを崩された中での勝ち点1は貴重である(ましてやウチは最下位だ)。見方を変えれば負け試合を何とか引き分けに持っていったのだ。

 この試合の感想という意味ではまさにAmbivalenceであるが、勝ち点3ではないことに変わりはない。次節の京都戦ではこの暗澹たる思いを吹き飛ばしてくれるだろうか。


私はまだアレッサンドロに懐疑的である

 ナビスコ杯・大宮戦以来、再びアルビの窮地を値千金の2ゴールで救ったアレッサンドロ。しかし私はいまだアレッサンドロの実力には疑問を抱き続けている。

 確かにこの試合の前半の2ゴールは素晴らしかった。だがそれ以外のプレイがあまりにもお粗末過ぎるのだ。後半は時間が経つにつれ、存在感が薄くなり、ボールをキープできないばかりか、貴章と連動した動きが無く、中盤の選手はパスの出しどころに苦慮していた。
 アルビの現状と他の選手の特性を考えると前線の選手には時間帯で消えることなく、精力的な動きが求められる。今のアレッサンドロではエジミウソンのような活躍を期待するのは無謀であろうと私は考えている。

 アレッサンドロに最低限求められる課題を挙げると、攻撃面では貴章と連動する術を見つけ、中盤からのパスコースを複数確保し、守備面では「なんとなく追っています」という守り方ではなく、効果的かつ精力的なチェイシングを長い時間実行することである。

 アレッサンドロはスペースがあり、CBがゆるそうな試合(実際、この試合の中澤と山口の守備は緩慢としていた)では固め取りができそうな印象のあるFWではあるが、Jリーグに適合しないFWという評価を覆すまでには至っていない。まだ先発で使われる今こそが彼の最大の勝負どころであると認識して欲しい。


その他の気になること

・ダヴィについて
 ダヴィを見ていると、Jリーグで当たる外国人を探す事は難しいのだなとため息が出る思いがする。
 ダヴィと契約するのであれば、シルビーニョと再契約したほうが随分マシなように見える。あの時点での判断は難しいか。それとも再契約自体にハードルがあるか。そのような「たられば」を言っても詮無いと分かってはいるのだが…。


おわりに

 4月19日から5月18日までのリーグ7連戦では、京都・札幌などをはじめ、比較的強豪ではないチームとの試合が続く。ここで是非とも結果を残して欲しい。アレッサンドロもダヴィも私に泣いて謝罪させるくらいの活躍を期待している。

 あとはこれらの試合の中でマルシオ・リシャルデスの先発復帰に大いに期待を寄せている。マルシオの抜群のキープ力が今のアルビには足りない。私は早くマルシオの応援歌を歌いたい。



BACK