エス佐藤について2001


21歳になりました。

書きたいことがたくさんあった気がするが思い出せない、
と言っているひとの筆は思いのほか進んでいる。

俺の筆は進んでいるだけであろうか。

なんだか、中身があるような、ないような、
ふわふわした感じがあるのです。
ひとの心に名前をつけたがるひとはたぶん
モラトリアムだとかどーとかこーとか言うのでありましょう。

だけど、気力はあるのです。関心もないわけではない。
感動する心だけふわふわ浮いていて、
括りつけておくことができなくて。

だからと言って寂しいってわけでもないのさ。
いや寂しいのか。

しあわせを語ることより
しあわせを掴もうと右手をたかく掲げる力が
必要です。たぶん。

掴むものがなんにもなくても、
なんにもないとわかっていても、
なんにもないとわかっている気になっているだけでも、

高く掲げた右手をつよく握りしめる力がある、と
思いたいのです。


新潟大学情報工学科3年 エス佐藤



おきば