|
冬になると,エル・ポニエンテに必ず登場するのが、
ガリシア地方の伝統料理、カルド・ガジェゴです。
スペインの北西、ポルトガルの北に位置するガリシア地方は、
スペインの中ででも雨が多く、湿気が多い地域です。
特に山間部は、冬になると雪におおわれます。
カルド・ガジェゴCaldo gallegoは、
そんな寒さの厳しい地域の料理です。
このスープのもとになっているのが、
コシード・ガジェゴcocido gallegoです。
これは、ガリシアの畑の産物と、
農場の畜産物を全て一緒に煮込んだ料理です。
雨や雪の日でも、
早朝から家の暖炉の薪でコシードをクツクツとたく鍋があれば、
コシードのにおいが充満し、家中が暖まるのだそうです。
畑の作物としては、ベルサスというキャベツの一種や、
カルド・ガジェゴに欠かせない、
グレロというカブの葉の一種、
カブ、キャベツ、白隠元豆、ジャガイモが入れられます。畜産物としては、
ガリシア料理特有のラコンという塩漬け豚、豚の脂身、牛肉、生ハム、
モルシージャという血詰めソーセージ、チョリソがいれられます。
とにかく煮込むのに時間がかかるので、
ガリシアの多くの家庭では、大体ゆっくり時間のある、
日曜日に作られます。コシードでは、
まず、豚肉類と野菜の皿、牛肉の皿、
そして三番目にチョリソや腸詰類と豆類の皿が出されます。
カルド・ガジェゴは煮込んだ後のだしのスープということになります。
実際、多くの家庭やレストランでは、
白隠元やジャガイモ、グレロやキャベツ、
ラコンやモルシージャ等を使ってスープのみを作ることが一般的です。
|
|