今月のトピックス
2002年2月


カルド・ガジェゴ
Caldo gallego
冬になると,エル・ポニエンテに必ず登場するのが、
ガリシア地方の伝統料理、カルド・ガジェゴです。
スペインの北西、ポルトガルの北に位置するガリシア地方は、
スペインの中ででも雨が多く、湿気が多い地域です。
特に山間部は、冬になると雪におおわれます。
カルド・ガジェゴCaldo gallegoは、
そんな寒さの厳しい地域の料理です。
このスープのもとになっているのが、
コシード・ガジェゴcocido gallegoです。
これは、ガリシアの畑の産物と、
農場の畜産物を全て一緒に煮込んだ料理です。
雨や雪の日でも、
早朝から家の暖炉の薪でコシードをクツクツとたく鍋があれば、
コシードのにおいが充満し、家中が暖まるのだそうです。

 畑の作物としては、ベルサスというキャベツの一種や、
カルド・ガジェゴに欠かせない、
グレロというカブの葉の一種、
カブ、キャベツ、白隠元豆、ジャガイモが入れられます。畜産物としては、
ガリシア料理特有のラコンという塩漬け豚、豚の脂身、牛肉、生ハム、
モルシージャという血詰めソーセージ、チョリソがいれられます。
とにかく煮込むのに時間がかかるので、
ガリシアの多くの家庭では、大体ゆっくり時間のある、
日曜日に作られます。コシードでは、
まず、豚肉類と野菜の皿、牛肉の皿、
そして三番目にチョリソや腸詰類と豆類の皿が出されます。
カルド・ガジェゴは煮込んだ後のだしのスープということになります。


 実際、多くの家庭やレストランでは、
白隠元やジャガイモ、グレロやキャベツ、
ラコンやモルシージャ等を使ってスープのみを作ることが一般的です。