今月のトピックス
2004年2月


マジョルカの郷土料理、フリート

Frito Mallorquin

 マジョルカ島はバルセロナから飛行機で約40分のところにある、地中海の島です。この年末年始に行ってまいりました。日本ではあまり知られていませんが、夏にはヨーロッパじゅうから特にドイツ人観光客が、バカンスを過ごしにやってきます。港のヨットハーバーには世界各国のクルーザーが停泊し、一度はこんな船に乗って優雅にクルージングできたら・・・なんて夢見心地にさせてくれます。あのショパンが作家の愛人ジョルジュサンドと結核療養に来たことでも有名です。

 

 

   

Valldemossa  ヴァルデモッサ
ショパンがジョルジュサンと過ごした小さな村

彼らが過ごした修道院にショパンが使ったピアノが残されており、観光客が大勢やって来る

Pan de patata  パン・デ・パタタ

Valldemossa名物のパン
芋のデンプンが入っている甘いパン。軽い感じでおいしかった。

一方海から少し離れると、豚や羊、牛を飼育したり野菜を栽培している農家(Finca)があちこちに広がっています。今回そんなFincaに宿泊しました。いわゆる農場体験です。そこでは、マジョルカの郷土料理が味わえます。Fincaの主人Miguelはとてもお喋り好きの気さくな性格で、到着した日にはご自慢の自家製食後酒を振舞ってくれました。この辺でとれた野生のハーブをアニス酒に漬け込んだもの。その日はとても寒かったので体がポカポカと温まりました。

 そこで夕食にいただいたのがフリートです。赤ピーマンやキノコ、カリフラワー、アーティチョーク、じゃがいもなどの野菜と、豚肉や子羊の腎臓や鶏の内臓などを一緒に炒めたものにウイキョウの葉などを散らしたものが一般的です。でも海が近いので、肉のかわりに魚貝を使うこともあります。そこでいただいたのは、ムール貝が使われていました。(エル・ポニエンテの今月のおすすめメニューにございます)

朝食には、マジョルカ名物エンサイマダ Ensaimadaをいただきました。小麦粉と豚のラードを使った甘いパンです。工場で大量生産されたものと違って、地元のパン屋さんで焼いたパンは、パリっとしていてパイ生地を巻いた様な感じで、格別です。それと、ソブレサダSobresadaというこれもマジョルカを代表する豚の腸詰。パプリカをふんだんに使っているため、オレンジ色をしています。これも自家製のものは、工場で作ったものとは全然違います。こういったものは、現地でしか味わえません。

 マジョルカから隣のメノルカ島へ飛びました。メノルカ島については次回ご紹介します。

自家製アニス酒
台所
Fincaの概観
Fincaで飼っていたマジョルカ豚
Ensaimada Sobresada