研究室創遊 ユーザーリポート
仙台市の大友純平氏によるリポートです。
(無断転載禁ず)

※現在(2013/10)は新型 No.3400 センサー撮影器 が販売中です。



 

(1)「デジカメ自動撮影器」設置前の準備」_2008/03/08(PDF)  〜まずセンサーとストロボのリンク、さらにケースの取り付け方法 
(2)「デジカメ自動撮影器」設置前の準備」 その2_2008/05/20(PDF)
  〜ストロボのオートパワーオフの問題、ケースの改造 
(3)「デジカメ自動撮影器」設置レポート」 2008/06/12(PDF) 〜いよいよフィールドに設置、はたしてその成果やいかに!
(4)「デジカメ自動撮影器の実地使用レポート4」 2008/06/21(PDF) 〜今週は新たな訪問者が


○「デジカメ自動撮影器」設置前の準備レポート
                                                                          H20.3.8 J.O

 「研究室 創遊」の傑作の1つ「デジカメ自動撮影器」をお分けいただきました。

今回のリポートで使用された物と同型のNo.340センサー

 これは非常にすばらしい装置で、動物の記録を趣味・研究にする人にとってはこれ以上の装置はありません。
 デジカメ一式を別途購入するために初期費用は若干かかるシステムになりますが、それでも他社既製品のフィルムタイプの場合はフィルムや現像のランニングコストがかかり、また、その場では画像を確認できないなど、自然体験施設においての研究や、一眼レフデジカメの使用方法さえきちんと教えることができれば、学習用にも使えましょう。
 製作してくださった研究室創遊の新村様の技術と情熱には心からの敬意と感謝を申し上げます。
 さて、この装置を実際のフィールドで使用するには、対応機種であるデジカメはもちろんのこと、試行錯誤をしていろいろな準備をしました。
 私のその準備段階での試行錯誤を、お知らせいたします。少しでもご参考いただければ幸いです。

1.デジカメの選定
 私が選定したデジカメは、CANONの「EOS KISS Digital N レンズキット」にしました。
 当時の最新機種「EOS KISS Digital X」は発売されたばかりでしたのでまだ値段が高かったことと、そのわりに「EOS KISS Digital N」と画素数以外に魅力的な充実は感じなかったので選定外。
この前機種の「EOS KISS Digital」は安価ではありましたが、起動時間が0.8秒(Nは同0.3秒)というのは動物相手には遅く感じます。レリーズタイムラグもNになるとDよりもさらに早い0.1秒という、「センサー感知から撮影完了」までの時間短縮が最大課題の1つなのですから、この機種にしました。
その他、画素数がDは630万画素(Nは800万画素)で、さすがに少なく、遠くに写った被写体のトリミングをした際に若干不利であること。連続撮影枚数が4枚(同14枚)、外部インターフェイスがUSB1.1(同2.0)ということが不満でした。
もっといい機種も探せばあるのかもしれませんが、コストパフォーマンスも考えればこれで十分なスペックです。
セットになっているレンズも18〜55oのズームレンズですので、できるだけ広範囲をとらえることで「センサー感知→カメラ起動→撮影」のわずかなタイムラグでも撮影成功をする可能性が高くなるため、この装置を用いての動物撮影には欲しい広角です。
オートパワーオフへの設定時間も1分にできることから、バッテリー節約にも大変ありがたい機能で、これも必須です。
もともとCANONにしたのはオプション品が豊富であったことですが、これは次に紹介いたします。

2.オプション品
 CANONの製品には、私が求める動物撮影に応えてくれる製品が揃っています。
必ずしも必要なものではありませんが、私が買い揃えたものを紹介します。
(1) スピードライト550EX
   夜間の山奥では、カメラについているストロボでは光量に不安があったことと(動物の多くが夜行性)、カメラについているストロボでは保護ケースの中で発光した際に内部で反射してレンズに写り込むことが予想されました。
また、カメラとレンズの位置が同じ方向から被写体をとらえると、顔を正面からとらえることができた場合にどうしても眼が赤目になってしまいがちになるため、どうしてもカメラと光源を分離して斜光になる位置関係にしたかったのです。
   このため、次に述べるトランスミッター対応で、しかもSE機能(オートパワーオフ)とその解除機能が充実しているこのストロボが欲しかったのでした。
   しかし、SEタイマーは10分放置で開始されますので、やや長いのが少し残念です。
   また、SE解除のための時間の長さは、機能開始後「1時間」か「8時間」か選択ができるものの(その選択した時間内にシャッター半押しで解除可能)、逆に言えば最大8時間撮影されないストロボ発光ができなくなります。これでは8時間に一回、動物が通ってくれないとストロボがあっても意味が無いので、新村様に無理をお願いして、8時間弱で1回、強制撮影をする機能をつけていただくことで問題をクリアしました(感謝!)
(2) スピードライトトランスミッターST-E2
   カメラ本体に接続し、離れた場所にある550EXを発光させるものです。これにもSE機能がついているおかげで、90秒でオートパワーオフになりますので、長期間の使用に耐えられるのですが、電池がリチウム電池2CR5ですので、これだけはランニングコストがかかってしまいます。
   これにより、カメラに対してストロボを斜光で発光させることができ、赤目やケース内の反射を気にすることなく撮影ができるようになりました。
(3) ストロボ外部電源CP-E4
これは、550EXの外部電源になります。これを接続することで、バッテリーを長持ちさせることともに、ストロボの充電時間の短縮(撮影までの時間の短縮)につながります。
(4) 予備のバッテリーパックNB-2LH
   山に行くときにはさすがにバッテリー交換はするために、予備は必要です。
(5) キャノン・バッテリーグリップBG-E3
これはカメラ本体のバッテリー供給に使います。これでより、カメラ本体のバッテリーを長持ちさせることができました。
 (6)エネループ(単3形)
    これはキャノンの製品ではありませんが、550EXやCP-E4、BG-E3全てに共通して使える充電池ですから、必要本数の倍(交換用)と充電器を購入しました。
 (7)CFカード
    あまり容量は必要ないと考え、容量は2Gにしました。これでも最高画質で数百枚分になりますので、バッテリーの持ちを考えれば十分です。交換用に、2枚を購入しました。ZVシリーズは転送速度が上がり、バッテリー消費が下がっていることから、ZVシリーズにしました。

3.保護ケース
 デジカメは当然、精密機器です。
 私は休日しか観察フィールドには行けませんので、山奥に1〜2週間設置したままに長期間設置することを想定しております。ですから風雨はもちろん、大型哺乳類が興味を持って触ることにも、また、高額なカメラを万一にも盗難に遭っては、しばらくショックで寝込んでしまいますので、これらの防止のできる堅牢なケースを選定することにしました。
 このことから、従来作っていた「料理の汁漏れがしないタッパー」をホームセンターで購入して加工したケースでは貧弱過ぎるため、何らかの専用のケースを用いることにしました。
 私が選んだのは、「(株)タカチ電機工業」(http://www.takachi-el.co.jp/)の「WPCP型防水・防塵ポリカーボネート開閉式ボックス」の、扉部分が透明なものを選びました。
 これを選んだのは、防水仕様であり扉に鍵をかけることができるからです。
カメラやレンズなどの収納したい機器のサイズを採寸して、それを基にオーダーメイドすればしっくりするサイズに収められたのですが高価になることから、カタログに掲載されていたこの採寸した寸法に一番近い既製品を購入しました。
カメラのシャッターの音が外に漏れないのも良いです。
 もちろん、このままではフィールドでは使用できませんので、様々な加工をしました。

4.保護ケースの改造
  改造の目的は、「カメラを立木に固定できるようにする」ことと「自動撮影器をケースに取り付ける」こと、「迷彩をし、動物から気付かれにくくすると同時に、人からも気づかれにくくする(盗難予防・トラブル防止)」ということです。
 最後の「人からも気づかれにくくする」というのは微妙な問題で、本来は設置場所周囲に協力お願いなどを書き、こちらの連絡先などを書いておくなどが正しい方法かもしれません。カメラで他人を意図せずとも撮影するのは肖像権やプライバシーの問題があるからです。また、「隠す」ことがこれもこちらが意図せずとも「隠し撮り」と受け止められることも不本意です。
 しかし、私の観察フィールドは一般林道などから離れていることから、これまで(他社既製品のフィルムタイプ使用時)も、まず一般の方が撮影されていたことが無かったため、これは申し訳ないのですがこの際、眼をつぶることにしました。しかし、これは慎重によりよい方向を考えていくつもりです。
それでは、保護ケースに施した工夫をその過程の写真とともにご紹介します。

1.これが購入したケースです。このままではフィールドでは使えません。
2.センサーを内部に入れれば感知しなくなるので、センサーはケースの外に出しておく必要があります。
そのため、接続コードを通す穴を一番雨の影響を受けにくいケース下部に空けます。防水性能は不安になりますが、仕方がありません。
コードを通した後は綿を詰め、外側・内側をビニルテープでカバーします。

3.一方、ケース上部にはセンサーを取り付けるためのネジを埋め込みます。 4.これに、新村様にあらかじめ取り付けていただいたネジ受けを合わせて、自動撮影器そのものを回転させて、固定させます。

5.三脚に固定すると、強風や動物がぶつかって倒れる恐れがあり、持ち運びが不便なので、私は立木にズボン・ベルトで固定します。 6.このバックルの形状だと、立木の直径に関係なく、ぴったりと固定しやすいです。ホームセンターの作業服売り場で購入。


7.ベルトを通すために、ケース裏面にホームセンターで買ってきたドアノブを写真のようにネジで固定させました。ここにベルトと、盗難防止用のチェーンを通して、立木に固定させます。

8.このような感じです。チェーンはステンレス(1m)にしましたが、軽く丈夫なプラスティック製でも十分用は足りるかもしれません。
9.ラッチ部分にも南京錠をかけ、ケースが開かないようにしました。鍵は、チェーン用と共通のものだと便利かもしれません。 10.カメラを入れてみます。
…バッテリーグリップを取り付けていないとは言え、やはりケースが大き過ぎますね。

11.そこで、断熱材と緩衝材代わりに、食器洗い用スポンジを買ってきて、適当なサイズに切ってレンズ前部以外に敷きました。
…スポンジの色が目立ちすぎますが、地味な色が売っていなかったので、仕方がありません。

12.底に穴を開けたこともあって、結露も心配でしたので、乾燥材も中に入れておきます。
13.ケース前部の透明な部分に傷がつくと致命的なので、傷保護には、大きめの液晶用の保護フィルムを買ってきました。 14.ところが思惑が外れ、透明度が低いのです。液晶が点灯してこそ、クリアになるのでしょうね。これではいけません。
 …これは、後で考えましょう。

15.次は、ケースを目立たなくする改造です。
   インクジェットプリンタ用の耐水性ホワイトフィルムラベルを使用します。
   これに、立木の幹やコケなどをデジカメでマクロ撮影した画像を印刷します。

16.これを、ケースの形状に合わせてカットし、丁寧に張り付けていきます。
17.こんな感じになります。
わざとらしさはどうしても出てしまいますが、元よりはましかもしれません。

18.いくら耐水フィルムでも、風雨にさらせば数か月で色落ちしますので、透明ビニルテープを貼り付けてさらに保護しました。
フィルムをラミネート加工する方がさらに丈夫だとは思いましたが、手間がかかりすぎる上、ケースにピッタリと貼り付けることができなくなるために、この方法で妥協しました。

19.また、必要に応じて、ホームセンターの園芸コーナーで売っていた造花の葉を適当にビニルテープで張り付けます。
   迷彩効果は向上しますが、持ち運びや剥がれ落ちなど、利便性は下がります。


20.自動撮影器にも、同じように迷彩加工をしました。

21.ケース透明部分の保護には、ホームセンターで、0.5o厚で透明度の高い樹脂の板を買ってきました。
これをふたの大きさにカットします。

22.また、同じ要領で木の幹シールを、レンズ部分は開けて、貼り付けます。むろん、保護ようのビニルテープは開けた部分には貼りません。
23.ケース透明部分の保護には、ホームセンターで、0.5o厚で透明度の高い樹脂の板を買ってきました。
これをふたの大きさにカットします。
24.また、同じ要領で木の幹シールを、レンズ部分は開けて、貼り付けます。むろん、保護ようのビニルテープは開けた部分には貼りません。


25.この保護カバーには、自動車用の水滴消し(光触媒で汚れも落とす。3カ月有効?)を塗り、水滴と汚れ対策で試してみたいと思います。


26.最終形態は、こんな感じになります。部屋に置くと「やりすぎ」の感じもしないでもないですが、フィールドに置いてみると、当初の状態よりは格段に目立たなくなります。


5.その他
 まだテスト設置の段階なのですが、その時点で気づいたことです。
当然の話なのですが意外に忘れていたことは、デジカメ本体やCFカードが寒さに弱いというところです。
メーカーHPによると0℃までは使用できるようですが、私が実験した3月上旬の仙台市の街中という、比較的暖かな条件下でも、カメラ内部のCFカードは冷たくなっており、直前まで書き込みは可能だった様子ではありますが、読み出しはCFカードを体温でゆっくり温めるまで、表示しませんでした。
 このことから、比較的初心者でも撮影が楽しめる冬山での撮影(設置)では、ケースに断熱の工夫をする他、使い捨てカイロやLEDライトを点灯させておくなど、安全な加温も考慮しなければならないでしょう。
 それまでは他社既製品のフィルムタイプを使っていて寒さでの影響はほとんど無かったことから、デジカメがそうではないことを忘れていました。
 また、自動撮影器の電池交換の際には「チョウネジ」でふたを固定してあるとプラスドライバーを常備しておく必要が無くなるので、新村様にお願いをしてチョウネジでのふた留めをお願いしました。
 今後使用をし、気づいた点や工夫した点がありましたら、またレポートさせていただきます。

(2)「デジカメ自動撮影器」設置前の準備 その2_2008/05/20(PDF) 〜ストロボのオートパワーオフの問題、ケースの改造


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