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人食い植物ケロアス(プロローグ) 1946年2月1日…恐怖が始まった日。 埼玉県北部の山中の密輸入場― 「おい、その籠は?」主任の声。 「はい、これはアステカのジャングルにあった新種植物であります!! ボンクラグ博物館からの依頼です!!」 下っ端4人程が籠を持ちながら云った。 「そうか…それは…2000円程度で売りつけるか…(当時は昭和初期の為超高価) そう主任が云い終わった瞬間、籠から細長いものが出て来た。 それは泥まみれで、僅かに緑色が見える。…植物の蔓である。 「おい…これは?」 「何でしょう?」下っ端の一人が蓋を開けた瞬間、中から “何か”が飛び出て来た。どろりとして、薄く透けていて、牙が僅かに見える。眼球らしき物迄。 「助けてくれ!!足が!!溶けて行く!!」主任の足がその緑の塊に包まれたのだ。 「うわあぁぁ…」主任はどろどろの泡に包まれ、溶けていった。殆ど肉塊状態だ。 「HELP!!HELP
ME PLEASE!!」皆がそう言い残して一人残されて死んだ。 1946年2月2日。氣芭ら3人。 「助けて下さい!!」下っ端の一人が氣芭らの研究所の扉を突き破って来た。 「どうしました?」氣芭が身を乗り出して云った。乍期養は煙草を吸おうと 火打石を手にとっている。ワイバートは蜘蛛の様に屋根に座り、腕組みしている。 「実は…私の仲間は…ケロアスに食われてしまいました! ケロアスを退治して下さい!」 「ケロアスってなんだい?」乍期養とワイバートが訊いた。 「最近、アステカ遺跡のジャングルで見つかった新種植物。姿はまだ不明だが… あれは輸入禁止植物だろう?」氣芭が即答した。 「実は…私は…密猟…」 そう彼が云いかけた瞬間、乍期養が男の背中に何かを見付けた。 「おい、なんだい、この緑の種みたいなやつ…」 その言葉が終わるとほぼ同時に、それから蔓が飛び出たのだ。 「うわぁぁぁぁ!!ケロアスだ!!助けてくれ!!」 ワイバートがナイフを持って蔓に飛びかかった。氣芭と乍期養もだ。 「苦しい…がばっ!!」男の口から大量の神経のようなものが飛び出た。 「大丈夫か!?」氣芭が口からそれを引きずり出す。と同時に、 男の頭から大量の人間の手のような蔓が飛び出たのだ。 男の顔は蔓で裂かれ、腹も食い破られて蔓が飛び出、 胸から肋骨と心臓が飛び出た。 「わぁぁぁ!!」ワイバートは恐ろしい悲鳴を上げた。 男はどろどろに溶けた口で「ム…ハ…メッド…」と云った。 そして…死んだ。 「こりゃやばいぜ…」 「ああ…」乍期養が云った。 「仕方ない…アステカに行くか!!」その頃、氣芭らのビルの下に、 一人の包帯まみれの男がいた。 男は「我が預言、成就せり!!」と云い、フッ、と、姿を消した… 「人食い植物ケロアス―前編第壱章―」に続く |