聞き取りから始めるユニークな英語教授法の1つTPR((全身反応教授法)です。
教師は英語のみを話し、テキパキと命令して生徒を動かしアクティブなクラス運営が出来ます。視覚的にわかりやすいものを利用し、目で見たものが何であるか、発せられた言葉はどのような意味合いをもつのか、生徒は考えながら行動します。その結果、驚く程早く自然に英語を身につけます。
カリキュラムの構成によっては、1年間で高校レベルの文法を組み込んだ表現を理解させることができます。以下の例は、48回コースのカリキュラム(1時間=60分)例です。12才以下の子供5名〜20名が基準です。カリキュラムを立てるための参考にしてください。
1. Touch the boy who has a melon. 5回目のクラス
2. Open the box if you see a green card. 10回目のクラス
文法面からみると、上記の文は関係詞や仮定法などを含み、中学2,3学年で教える内容です。TPRではこのような内容をわずか数回で理解させる事が出来ます。(一呼吸で表現される文には書かれた文字を追うよりも分かりやすいものがたくさんあるからです。)これは、貴重なデータといえるでしょう。
英語が耳から入るので、読み書き能力よりも、聞く話すといった Speech 能力を著しく向上させます。更に高度な英語をマスターさせると、英語を通して他の分野の教育も可能となります。
教師は、英語を話すだけですが使用する文法の順序性を常に把握していなければなりません。生徒のLanguage Acquisiton (言語獲得)に大きく関わるからです。教師が何気なく話す英語は、目に見えない文法そのものです。それによって生徒が動かされ、生徒の脳裏に焼きつく言葉は次第に高度な言語構成能力を生んでいくことになります。それゆえに、生徒はリスニングから英語の構造を自然に習得します。自然な話しことばの表現や発音もマスターすることができるようになります。
対象はどの年代層でも構いませんし、英語を学んだことのない人にもぴったりの教授法です。生徒が10歳以下(あるいは髄鞘の確立時期内)の場合は、既に説明した通り教師の発音は十分にチェックされるべきでしょう。
また、教師は言語学的能力や発音、そして言語の成長過程を判断することができることなどが要求されます。クラスでの遊びやゲーム、そしてアクションなどを好む性格が問われます。しかし、TPRの教師は授業中一切日本語を話してはいけないという点が最も重要です。
TPRに必要な道具は身近にあるもの全てです。例えば以下に記したものなどです。一通りのことが出来ますので参考にしてください。
1. ノート、鉛筆数本、カバン
2. おもちゃ:(野菜、果物、おもちゃのお金の入った)買い物バッグ
画用紙とクレヨン
色紙とハサミ
トランプ
双六
etc.
3. 絵や写真の載っているもの(絵付き辞書や雑誌など)
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