Sound Optimizing Treatment


SteinMusic からとても変わったアクセサリ(?)が届きました。 マニュキュアの瓶のような小さなボトルに入った琥珀色の液体で、キャップには細いハケがついています。



こんなもん、どうやって使うんじゃい!!? と質問メールを送ったら、「オーディオ用の特殊なラッカーで、スピーカやアンプ、DACなど何にでも塗って有効である」とのことでした。なんとも良くわからない説明でしたが、メールでいろいろ対話していくうち次のようなことが判りました。

Sound Optimizing Treatment
@このラッカーは、物体の機械的な共振スペクトラムを人の耳の共振スペクトラムに近づける働きを持っている。
Aスピーカやアンプ基板、トーンアームやカートリッジ、配線材など、およそオーディオ信号の通過する(仕事する)部分の全てに塗って効果がある。(ホントか??)
Bドイツの某有名スピーカメーカもこれの前のバージョンを最高級シリーズにのみ使って いる。   ・・・などなど。




「まずは使ってみろ」というドイツからの強い指示。特にスピーカでの効果が顕著であるとのこと。しかし、ラッカーの類は塗って失敗したら取り返しが付かない・・・しかししかし、効果を明確にチェックするためには常に自分が聞いているシステムにこそ使ってみなければ意味が無い・・・・すご〜く躊躇しました。

私が使っているスピーカ(Brilon 1.0SLE)は既に生産が中止されています。しかし噂ではこの秋、新生Brilon(名前も変わる?)が発売されるとも聞いています。これまでにも内部配線の変更やネットワークコンデンサの交換などでいろいろ手を入れてきている愛機ですが、ここはひとつ、失敗したら買い換える覚悟でラッカー塗りをやってみることにしました。

SteinMusicから来たインストラクションでは、なるべく薄く2回〜3回塗ること、塗りと次の塗りの間を最低1日開けること、さらに、硬化完了までは1週間かかる、つまりこの間は音がぐんぐん変わるとの3点が書かれていました。


意を決して・・
8月のある夜、愛しいBrilonを横にしてコトをいたしました(^^;

Brilonのツイータはメタルで、ウーハーは樹脂(ポリなんとか)です。どちらもラッカーが浸透する材料ではないので、「流れ」や「タレ」を心配しましたが、このラッカーは非常に薄く伸展性がよく、ほんの少しの量でスムーズに塗り伸ばすことができました。小さなボトルですが、Brilon2本を塗り終わってもまったく減量が見えない程度でした。




この写真は仕上げ途中のものです。左側のBrilonのみ塗り(1回目)を完了したところです。光沢が違うのが判ります。

一回目の塗りを終えて、ほんの少し音出しをしてみました・・・なんだ!! 高音が出ない!
一瞬ゾッとしましたが、まだラッカーが全然乾いてないことを思い出し、気を取り直してその日は寝ました。正直、このままだったらどうしようかとドキドキでした。
(買い換える覚悟の割には諦めの悪いヤツです)(^^;




翌日の夜、再塗装前に軽く音出しをしました。高音も出てました(ヨカッタ!)。しかしまだ少し足りないようです。音の輪郭や定位は問題ないのですが、音量が足りないような・・そんな感覚を覚えます。いつものボリューム位置なのに・・・?


夜中にオーディオを聞いているボリューム位置ではなんとなく物足りない・・・で、いつもより少し音量を上げて聞きました。するとどうでしょう、ボーカルやハイハットがスピーカから離れる様がこれまでにないほどはっきしています。前後方向の空気感が凄くリアルです。身体や頭を移動してもボーカリストの位置が動きません。ライブステージの3次元的な雰囲気がそのまま出てきているようです。

嬉しくなってさらに音量を上げたところで山の神が「ウルサイ」とクレームに来ました。大音量の中で彼女が「子供等が驚いているからもう少し小さくして」としゃべった言葉が苦も無く聞き取れました。

・・これにもびっくりです。これまで、このボリューム位置では人の話を聞き取るのが困難だったからです。とりあえず家内安全のためボリュームを下げましたが、「うーん凄い!」と感激している私に、呆れ顔の彼女は無言で部屋を出て行きました。


物体の共振スペクトラムを耳の共振スペクトラムに近づける・・という、なんとも判りにくい理屈が、耳にうるさくなく音量を上げれてしまったという事実で、凄く良く納得できました。


その夜、迷うことなく2度目の塗りを実施したことは言うまでもありません。

SteinMusicの説明では、紙などの浸透しやすい材料の場合には3度塗りしたほうが良いようですが、Brilonのコーンのように浸透しない材料の場合は2度で十分とのことでした。
要は、独特の光沢が出る程度に塗る・・のがポイントのとのこと。


その後・・・・

Brilonに実施して凄い効果がでましたが、その後1週間でさらに改善されてきました。実に不思議な液体です。その後、DAC2.6のアナログ部分、TubeFilerの回路全体、SATRI-PREのアンプ回路全体(アッテネータ含む)に処置して現在に至っています。特にDACのI/V抵抗やSATRIアンプのアッテネータが効きました。

私だけの実験ではどうかとも思いましたので、友人にも無理やり貸し出して試してもらいました。彼は「まずは無難なところに使ってみる。」と恐る恐るDAC(LinkDACU)のアナログ部分にだけ塗布してくれました。塗った直後から「耳障りがよくなったようだ」と言っていたのですが、一週間後には「断然リアルに聞きやすくなった」とビックリしていました。

彼は「トーンアームに塗れば効きそうだ」と言っていましたが、私は彼のBrilonにも早く塗布するよう薦めています(^^; (悪い友人です)


問題点(?)

これは問題点といえるかどうか微妙な所なのですが、音の再現性がとても改善されるため、生楽器はより生々しく、電子楽器の粗はよりメカニカルに聞こえ、その差がはっきりわかってしまいます。つまり、打ち込みのハイハットと生のハイハットではその美しさや奥行きが歴然と異なるのです。打ち込みで作られたR&Bなどでは電子楽器の薄っぺらさがよりはっきり聞こえてしまって興ざめしてしまいます。JPOPには向かないかも知れません。ジャズやクラシックなどの生の楽器音を楽しむジャンルには最適です。

まぁ、世の中には「どんなジャンル、どんな録音(!)でも楽しめる音で再生するオーディオが、良いオーディオだ。」という考え方もありますので、JPOPに興ざめしてしまう点は一応問題点として上げておきます。


命名

この液体にはまだ名前が無いとのことで、「何か良い名前は無いか?」とのメールが来ました。いくつか候補をあげたところ、オーディオ機器をより良く鳴らす・・という意味からでしょうか「Maestro」を選んで来ました。

ドイツ製のラッカーですが、命名は日本です(^^;


Maestroの理論的な説明と取扱説明書はこちら(PDF)








2001年9月30日

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