「だってさあ、さわりまくってかわいそうだよ。」
「そうだよ!死んじゃったらどうすんだよ!」
「死なないかもしれないでしょ!」
毎日のように言い争いが続いたのでみんなで話し合うことにしました。
「今日の議題はカナヘビを逃がした方がいいか、このまま飼うかです。」
「カナヘビをさわると手の油がついて死んでしまうから逃がしてあげた方がいいと思います。」
「私は、カナヘビにだって、お父さんお母さんがいると思うから逃がしてあげたいです。」
「飼いたいと言う意見はありませんか?」
「ぼくは、逃がすと自転車や車やバイクに踏まれちゃうかもしれないし、カマキリに食べられちゃうかもしれないから飼っていた方がいいと思います。」
「私はみんながさわらなければ飼っても良いと思います。」
「前に飼っていた金魚は死んじゃってかわいそうだったよ。」
「私が小さいとき鳥を飼っていたんだけどそれが逃げちゃったことがあったんだけど自然の中で生きたかったのかなと思いました。」
「うちで飼っているウズラはさわるとお母さんが怒るからさわらないけど、学校はみんなさわって死んじゃうから逃がした方がいいと思います。」
「そうそう、うちの金魚だってさわらないよ。」
子供達は真剣な表情で話し合っているのですがおかしくてニヤニヤ。
「じゃあ弱ってきたら逃がしたらいいと思います。」
「え〜。そしたらちょっと悲しいよ。かわいそうじゃん。そんなことしたら神様にバチ当てられちゃうよ。」
「弱ってから逃がしたら、気分が悪くなって動けなくてカマキリに食べられたり、車やバイクに踏まれちゃうかもしれないからやめた方がいいと思います。」
2時間、話し合っているのですが終わりそうにありません。
男の子も女の子も司会の子もかっかしています。
「じゃあ、2組さんは生き物を飼わなくていいのかな?」
と私。
「やだ〜。」
「でも生き物飼うのはかわいそうなんでしょ。」
「だって、朝来たらみんなさわりまくってるんだもん。」
「じゃあさわらなければ飼っていいのかな?」
みんな一斉に
「うん。」
これにて一件落着!