興味をお持ちの方に(ビデオ・CD紹介)
残念ながらソンドハイムのミュージカルは日本ではほとんど上演されていません。かと言って米国や英国へ観に行くのもなかなか大変です。
となれば、日本にいながらソンドハイムを楽しむ最善の方法はビデオ、CDということになります。ただこれまた国内盤がほとんどないのですが、ご心配には及びません。アマゾン・ドット・コムなどの海外のオンライン・ショップを利用すれば、まずまず手軽に入手することができます。
以下に僕が現在持っているDVD、CDをご紹介します。とりあえず最低限のことしか書いてませんが、僕の感想などもそのうち書き足していくつもりです。
<DVD・VHSビデオ>(カッコ内は発売年)
一つだけ気を付けておきたいのは、DVDの規格が日米では異なることです(ただし、米国製のDVDでもマルチ・リージョン(多地域)対応のものがないわけではありません。その場合は問題ありません)。これを解決するには、
(1)マルチ・リージョン対応または米国のDVDプレーヤーを購入
(2)VHSで購入
の2つの方法があります。
※ミュージカル公演の収録
"A
Funny Thing Happened on the Way to the
Forum"(VHS:1966年、DVD:2000年)
ブロードウェイのオリジナル・プロダクションで主役を演じたゼロ・モステルを中心としたキャストにより、映画版で収録したものです。
"Company"(VHS:1971年、DVD:2000年)
ブロードウェイのオリジナル・キャストによる舞台上演、ではなく、録音風景を収めたドキュメンタリーです。
"Follies in
Concert"(VHS:1986年、DVD:2001年)
1985年ニュー・ヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホール(リンカーン・センター)におけるコンサート形式の上演を収録したものです。
"Into the
Woods"(VHS:1991年、DVD:1998年)
ブロードウェイのオリジナル・キャストによるスタジオ上演ですが、お客さんも入ってます。
"Passion"(VHS:1996年、DVD:2003年)
ブロードウェイのオリジナル・キャストによる舞台上演です。お客さんは入っていません。
"Sunday in the Park with
George"(VHS:1986年、DVD:1999年)
これも上記の"Into the
Woods"と同じやり方で、お客さん入りのスタジオ上演です。
"Sweeney Todd
in Concert"(VHS:1982年、DVD:2004年)
1982年、ロサンゼルスのDorothy Chandler
Pavilionという所で収録されたもの。お客さん入りです。
何と言ってもブロードウェイ・オリジナル・キャストのアンジェラ・ランズベリー扮するロヴェットが観られるのが魅力です。トビアス(Ken
Jennings)、ターピン(Edmund Lyndeck)もそうです。ジョージ・ハーンのトッドもいいです。
"Sweeney Todd in
Concert"(VHS:2001年、DVD:2002年)
2001年のサンフランシスコ、デイヴィス・シンフォニー・ホールにおけるコンサート形式の上演を収録したものです。
※名曲を集めたガラ・コンサートなど
"Sondheim/A Celebration at Carnegie
Hall"(VHS:1992年、DVD:2001年)
観劇記でもご紹介した、1992年のガラ・コンサートをそっくり映像化したものです。
豪華キャストによる名場面集。ソンドハイムの入門編には最適だと思います。
<CD>(カッコ内は発売元、発売年)
ミュージカルに限らず舞台芸術は映像付で観る方がいいに決まっているのですが、残念ながらビデオ化されていない作品もたくさんあります。しかし、そういった作品でもCDであればかなり入手可能です。
また、CDを見逃せないもう一つの理由は、かつての名優たちによる歌声を聴けることです。ブロードウェイのオリジナル・キャストによる貴重な録音もたくさん残っているので、同じ作品でも聴き比べができて、楽しみが広がります。
"Assassins"(RCA
Victor、1991年)
1991年のブロードウェイ・オリジナル・キャストによる録音です。普通であれば歌のナンバーのみを録音するのですが、ここではクライマックスに当たる、オズワルドがケネディを暗殺する場面(ほとんどセリフ)も収録されています。
"Assassins"(PS Classics、2004年)
2004年4〜7月までブロードウェイでリバイバル上演され、トニー賞ベスト・リバイバル・ミュージカルを獲得したキャストによるレコーディングです。オリジナル・キャスト公演後に追加され、これまで未録音だった"Something
Just Broke"を含めた全てのナンバーが聴けます。また、オールカラーの冊子には、オズワルドのTシャツにケネディ暗殺の映像が映った衝撃的場面を含め、舞台写真が満載。しかも、CDの表面にはProprieterが回していたルーレットのデザインが施されています。生を観た人にはもちろん、観られなかった方々にとっても舞台の雰囲気が最大限伝わってくるサービス満点のCDだと思います。
"Bounce"(Nonesuch、2004年)
2003年シカゴ・グッドマン劇場及びワシントンDC・ケネディ・センターで上演されたキャストによる録音です。もちろん歌詞カードもついてます。まだ台本が出版されていない状況の中では、これだけでも貴重な資料と言えます。
"Gypsy"(Sony
Classical、1986年)
ブロードウェイ・オリジナル・キャストによる録音で1959年にLPで発売されたものを、デジタル・リマスタリングするとともに、ボーナス・トラックとして未公開録音の曲も加えた、盛りだくさんのCD。
エセル・マーマンのローズはもちろん、序曲のオーケストラからして胸のすくような演奏です。ボーナス・トラックでマーマンが"Mr.
Goldstone"を、間に"Little Lamb"を挟んで歌うという貴重な演奏も聴けます。
"Gypsy"(Angels、2003年)
2003年初演のバーナデット・ピータース主演のリバイバル公演キャストによる録音です。
"Merrily We Roll
Along"(RCA、1982年)
1981年のオリジナル・キャストによる録音です。
"Pacific
Overtures"(RCAVictor、1988年)
1987年のイングリッシュ・ナショナル・オペラ公演のキャストによる録音です。