『コポ・・・・コポ・・・・』

無気味に響く液体の音。それは闇への門の入場券。

闇の固まりは今、生まれる・・・・・

 

深暗―シンクロ― 7POWER番外編 闇堂

 

「お前は『ザガロ』の魂を受け継ぐものだ・・・最強だぞ・・・・・」

『ザガロ』。それは、僕の前の魂の持ち主の名前。

黒木博士の人造人間の中で最強とうたわれた戦士。僕はそれを受け継いだ。

「さぁ、出て来い・・・・闇堂と名を変えて・・・・!!!」

僕の本当の父は不気味だ。というより変だ。頭はどうかしている。

しかし、とてもいい人だった。明るくて、おもしろくて。

今の父は嫌いだ。

ぶっちゃけ、あいつの下で働いているという事が苦痛でならない。

なんで、あんな格下な奴に逆らってはいけないんだろうか?

理由は簡単だった。

あいつが僕の心臓を持っているからだ。

まぁ人造人間に心臓なんてないけどな・・・・・

心臓みたいなスイッチをあいつが持っているということだ。

そのスイッチはあいつの心臓とつながっている。

すなわち、あいつを殺すと僕も死ぬ。

だから、あいつを守らないと僕まで死んでしまうということ。

やっかいでたまらない。どうせなら死んでもかまわないと思ったが、そうなるのも奴の思い道理になっているんじゃないかと思って、やめてしまった。

しかも、僕が死んでもあいつは死なない。

不平等だとは思わないか?

あいつが死ねば僕は死ぬって言うのに・・・

僕の記憶を奪い、新たな記憶を植え付けたあいつ。

僕の父さんは・・・・・ダレナンダ・・・・?

 

「白兎、黒兎!」

「「ハッ!」」

「祝う用意を・・・・ハッピーバースディだ・・・・」

「「ハッ!」」

白兎は女、黒兎は男でボディーガード兼お世話係。黒兎はホント強い。

俺は生まれてはじめてのバースデーを迎えさせられた。

俺は特別な人造人間らしく、普通の人間と大体同じように成長していく。

でも、はじめてのバースディは外見ではもう5歳くらいだった。

「ハッピバースディトゥーユー♪ディア息子〜」

「ありがとうvパパv」

「今日から、奈川 闇だぞ!」

最初は無邪気だった。まぁ1歳くらいはそうだろう。

しかし、2歳になった頃から僕は殺人機械の教育を受けた。先生は白兎と黒兎。

指導を受けるとき初めて「ハッ!」意外を喋っているのを聞いた。

ぶっちゃけ驚きでいっぱいだ。

「闇様、突きは前へ押し出すときに力をこめなければ威力は出ません」

「そ、そうなのか?コレじゃいけないの?」

「いけません」

黒兎は尊敬できる兄のような存在だった。

そして、11回目の誕生日。すごいプレゼントを貰った。

「誕生日プレゼントはこいつらだ!こいつらの中からパートナーとなるものを選べ!」

ずらっとならぶ人造人間。戦闘の為に造られた様な者、女までもいる。

その中にいる今にも崩れそうなボロボロの人造人間の少年。

僕と同じ闇を感じた。黒いくて、大きい闇を。

「君、大丈夫?」

「・・・・・・・・」

最初は黙っていた。口さえ聞いてくれなかった。壊れているのかと思いかけていた。

「そんなのがいいのか?マイ息子よ・・・そいつは兵士用に使おうと思ったボディーだぞ」

「そうなの?・・・・君、見込みないんだね」

少し落ち込んだ。なんだか身分の違いというのを感じられた。

「まぁ、コレは失敗作だ・・・捨てるか・・・黒兎!」

「ハッ!」

「捨てろ」

「ハッ!」

黒兎はボロボロの人造人間の少年を持ち上げ、窓に投げ捨てようとする。

その瞬間ないはずの心に苦痛が走った。少年の無表情、心に苦痛は悪い予感。

気づけば白兎を呼んでいた。

「白兎!助けて!」

「ハッ!」

黒兎を突き倒す白兎。当然窓から落ちる黒兎。

「黒兎?!」

窓わくに駆け寄った。黒兎は俺の師匠であり親友だ。

「大丈夫だ・・・・俺に抜かりはない・・・飛行機能付きだ」

漆黒の羽を広げ、黒兎は飛び上がる。さすがは一様博士なだけある。

「よかった・・・・ありがとう、白兎・黒兎。下がっていいよ・・・・親父も・・・・」

「「ハッ!!」」

「パパもいた〜いな〜v」

「消えてください☆」

しっかりした11歳もいたものだ。

「君はなんでそんな無表情でいられた?怖くなかったのか?」

「・・・・・・・・・」

「だまってちゃほんとにスクラップにするよ?俺、これでも『ザガロ』の生まれ変わり。君をメチャメチャにするくらい造作もないよ?」

これでもドス黒い声にしたつもりだ。

「・・・・・別に・・・・いいよ・・・あなたが望むなら・・・・・・」

こいつは何を考えているんだ。俺だったら殺されてもいいって?ふざけてるよ・・・・

『ガンッ!』

「っっ・・・・・・・」

なんだかムラムラきたのでおもいっきり殴った。

「お前むかつく・・・・・俺は友達がほしい・・・・お前とは同じ闇を感じた。だから選んだ。それだけだ!何か不満があるか?」

沈んだ顔。しかし、それは一瞬だけで。また無表情に戻る。これでは人造人間ではない。

と俺は思った。俺や白兎・黒兎だって人造人間なのに自由に喋れるし、自分でいいか悪いかの判断くらいできる。僕なんかすべて自分の意志で動いている。

しかし、こいつは全てをプログラムされたように喋っている。

本当はこれがあるべき姿だと思うが。

「・・・・失礼しました・・・・僕じゃあなたにふさわしくないと思っていました・・・」

「・・・・・・・・決めた!!!」

俺は思い切った決断をした。

「・・・・・?」

「お前今日から俺のパートナー役を務めろ」

「はぁ?!」

目を丸くする。

「僕は何も力がありませんが・・・・」

「与える!!」

「はぁ・・・」

そういうと親父の研究室まで引っ張っていった。

「親父ぃ〜〜〜〜!!!!!!!」

勢い良く扉を開ける。

「なんだい?突然?マイ息子よ」

「こいつに力をやってあげてくれ!!」

「コレに?」

大きくうなずいた。

「これでいいのか?」

「うん!!俺の選んだ人材に間違いはない。」

「わーった。じゃあはじめるぞ〜でてけ〜」

そういうと僕は追い出された。邪魔だからだった。

1時間後、あのボロボロ少年は見違えていた。輝く瞳、白い肌。

「お前闇だから、光の能力の石にしておいたぞぉ〜ついでに型も新しくした」

「ありがと・・・・・・」

「これからよろしくお願いします!闇様!」

「『様』付けはなしだ!なし!ここからは呼び捨てでいいよ!」

「はい!じゃあよろしくね!闇!」

「ああ・・・・・・・・・・・名前何?」

「今つけてもらいました!ライトです!」

「そっか・・・・・いいな、明るくて」

少し疎外感を感じた。さっきまであんなに自信がなさげな子だったのに急に元気が出てきて。なんだか眩しかった。

「闇様、ライト、訓練の時間です。」

「ライトは私と来てください」

俺は黒兎と、ライトは白兎とそれぞれ別々で訓練を受けた。

 

「う〜疲れましたね〜俺でもバテバテですよ・・・・・ライトは平気かな・・・・・」

自室へ戻るついでにライトの部屋も覗く事にした。

白兎のことだからバシバシにしごいたんだろうな〜と思いながら歩いていると口から笑みが零れ落ちた。少し、少しだったけど幸せな時間だった。

「ライト〜!!!入るよ〜?」

幸せの気持ちのままドアを叩く。そこからあふれるだろうライトの笑みを期待した。

「・・・・・・・」

返事がない。吹き飛ぶ“幸せ”、舞い降りる“不安”、横切る“予感”。

「ライト?!ライト?!」

ドアノブを思い切り引いてみるがまったく開こうとしないライトの部屋のドア。

「クソッ!!!黒兎!!黒兎!!」

黒兎は呼べばすぐに来るはずだった。しかし、やってこない。

「なんでだよ!!白兎?!白兎!!」

黒兎がダメなら白兎だ。

「白兎!!白兎!!なんでだよ!!もうっ!!」

白兎も黒兎もいくら待ってもきやしない。

「しょーがないか・・・・破壊しよ・・・・突きは押し出すときに力を入れるっ!!!」

黒兎に教わった通りにやったつもりだったのだが、鋼鉄製のドアは壊れなかった。

「っっ!!!!!!!痛っ!!!!」

手は赤くはれ、心には焦りが現われた。ライト、黒兎、白兎・・・・皆がどこかに消えてしまった。そんな予感がした。

生まれた頃に感じた大きな闇。そこから救うものが現われたと思った。

白兎は怖かった。でも、優しかった。矛盾した存在だった。

黒兎は兄貴だった。一番信用できる存在だった。

ライトは初めての友達であり、パートナーだった。

「おぃ・・・・・・・みんなどこに行ったんだよ〜・・・・そうだ!!親父は?!」

すっかり忘れていた生みの親。まぁアイツならうなずけますな・・・・・・

「ああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!ダ」

「ゴフッ!・・・・」

何かが叫びながら僕にぶつかった。何か小さいものが。

「坊ちゃん!大変ダ!ピンチダ!」

「『ニャム』?!」

『ニャム』は子猫型ロボット飛行機能付きのロボットでそんなに言語能力はないが、親父のペット的存在。「癒しけ〜〜〜いなのだ!」といつも親父は言っている。

「何がピンチなの?早く教えて!」

「研究室へ急げダ!みんな待ってるダ!」

「分かった!」

研究室へ急ぐ。思い切り走った。足が壊れるんじゃないかと思うくらい走った。

「親父?!」

研究室には親父はいなかった。その代わりにあったのは黒兎の倒れた姿。

「黒兎?!どうしたの!?何が・・・・何があったの?!」

「闇・・・さ・・・ま・・・すみ・・・ま・・・せん・・・俺が・・・俺がいながら・・・」

「いいよ・・・落ち着いて・・・・」

人工皮膚は剥がれ落ち、内部が丸見え、漆黒の羽は抜けてボロボロになり、骨組みだけになっていた。

見ていられない姿に、心にまたひとつ闇が生まれた。“恨み”“、憎しみ”。全て黒い塊。

「は・・・はやく・・・お逃げ・・・下さ・・・・・い・・・・・・」

隅へ黒兎を寝かせ、来た方へ向かう。

「・・・・・ニャム!!」

「何です・・・・坊ちゃん!!敵近いダ!こっちくるダ!」

「いたぞ!!!『ザガロ』の生まれ変わりだ!!」

黒い服を着た人間たち。それと同じ瞬間黒い塊が俺を飲み込む。

「お前ら、ブチ殺し決定だ・・・俺の宝を傷つけやがって!許さね〜から覚悟をしておけ!」

「こっちにはこの人造人間がいるんだ!イケッ!!」

後ろから現われた人造人間はまさに戦闘用に作られたもの。それがズラッと7体ほど・・・・

「クラエ・・・・・ブァーム!!!!」

炎の球が一斉に黒兎へと向かう。

「黒兎っ!!!逃げろぉおおおお!!!!!!!!お願いだぁ!!!!やめてくれ!!

黒兎に向けられた炎は止まることなく進んでいく。

「闇ちゃん!!甘〜〜〜〜〜い!!!!僕がいることを忘れないでねぇ〜ん♪」

「?!」

上から聞こえてくる派手な声。

「ライト様の登場デス!!トォッ!」

どこからともなく現われたライト君。

「ら、らいとぉ〜〜〜!?」

あまりの性格豹変により、誰だかわからなくなる。

「闇ちゃん!オヒサ!NEW☆ライトだよ!性格一掃リニューアル!!」

「なんかめっさ元気になっちゃったのね・・・・・・」

「なっちゃったのさ!!なんか博士にいじあっれてから元気モリモリムキムキ!」

「アッハッハッハ!」と笑うライト。なんか大変な性格になられてしまったようで・・・・・

「意味が分からないから・・・・何?「モリモリムキムキ」って」

「ライト語で「メチャンコハイパースーパー元気」という意味です!」

「新たな言語を作らないで下さい・・・・」

「まぁ文句は後で聞くよぉ〜では!ライト様行っきま〜〜す!!ライトボール!」

大きな光の球が敵へ向かっていき、すごい爆発音をとどろかす。

敵の一瞬の隙をつき、近づくライト。

「く、く、くるなぁ!!!!!」

「そ・れ・が〜来ちゃうんだなv」

ズイッと顔を近づけるライト。

「俺たちが悪かった!!!」

「あやまっても無理ぃ〜〜☆黒兎さんをあんなにしたのはぁ〜ダーレ?」

顔が恐ろしく怖い。

さっきの明るくキャピキャピのライトではなく地獄の底から這い上がってきた地獄の使者のようだ。

「拒否しても無駄だよ☆来るものは来るの・・・・運命を受け入れな・・・さぁ次で最後。さようなら、バカな侵入者さん♪」

「ウギュウワッァ!!!!」

「怖っ・・・・・・」

天使のような性格は一瞬にして悪魔の申し子に・・・

輝く光の球は人造人間、生身の人間とともに破壊。

真っ赤な液体は研究室内に飛び散り、人工皮膚も散らばっている。

「ねぇライト・・・・俺の出番が全くなかったんだけど・・・・」

「えぇ〜???いいじゃんよぉ〜みーーーーーーーーーんな僕が倒したんだから!」

ウキウキの笑顔は少し不自然であった。

裏に怒りを隠した笑顔。心からの笑顔とは言えない顔。

そして、大きな闇を感じたその笑顔。

少し、苦しく思った。「無理しなくていいよ・・・・」そういいたいけど言えない。

自分自身が情けなくなる。僕には感情なんかないはずなのに・・・・・

「黒兎を連れて行く・・・行くよ!ライト!・・・何もってんの?」

「うん・・・僕はコレを取って来いっていわれたから来たんだ〜コレなんか大事なんだって」

ライトの手の中で輝く石。赤、黄色、青・・・色々な色があった。

「おい!いたぞ!全員やられている!!!」

外から声が聞こえる。追っ手が来てしまった様だ。

「ふ〜ん・・・まぁいいや。行くよ!よっと!」

「は〜い・・・バイバーイ!」

研究室の窓から勢い良く飛び降りる2人。

しかし、この研究所が建てられた場所は断崖絶壁。飛び出せば命はないと言えような物だ。

「フンッ!馬鹿どもがここから飛び降りれば命はないと知っておろうに。」

見下す追っ手。しかし、ここの人達は闇堂、ライトが人造人間であることを忘れているようだ。

大きな翼を広げ、飛んでいくライト。それに捕まる闇堂。

「なんか怪盗みたいだね〜闇ちゃんv」

「だな」

ライトの案内により親父がいる洞窟の場所へ向かう。

「お〜!マイ息子よ!無事だった「こらぁ!!!!このクソ親父が!!!!

「んぅ〜パパに対してそれはダメでしょ〜」

暗く、狭い洞窟なのでよく声が響く。

「んだと!!!僕を置いていきやがって!死ぬところだったんだぞ!!」

「え〜闇ちゃん大丈夫でしょ〜黒兎の指導受けてるし〜」

「その黒兎でさえ死にそうな状況なんだぞ!!」

「あら〜相当無理したのな〜」

「分かってるなら早治せや!このボケ親父!!!」

「や〜ん!酷い!」

「キモイ事言ってねーで早く!!!!」

「はいは〜い。分かりましたよ闇様」

うすのろ親父はようやく作業をはじめてくれた。その手さばきは一様“博士”という名が付いているので素早く、そして正確に進めていく。

「はいっ!これで一日安静にしていれば完璧だ」

「そ・・・」

少しホッとした。黒兎は大事な人だから・・・そして、少しの異変に気づいた。

――――――――白兎がいないということを・・・・・・

「ねぇ!博士!師匠は?」

どうやらライトは白兎のことを師匠と呼ぶようになったようだ。

「白兎・・・・寝ちゃった・・・」

「ね・・・・ちゃった・・・・だと・・・?!」

俺の頭はショートしそうだった。

「博士、遠まわしに言わないで・・・・」

「ん・・・・・死んだ。というより、人造人間だから壊れたが正しいかな」

「じょ、冗談はよそうぜ・・・・・」

ここで「冗談でした〜☆」と親父に言って欲しかった。

「こんなところで冗談なんか言える勇気は持ち合わせてないんでね。」

「し・・・しょ・・・・師匠ぉぉぉぉ!!!

親父の悲しそうな顔、ライトの泣き顔。すべてが心にズシリとくるものだった。

俺はその後、意識がもうろうとしてしまった。

「よぉ!奈川のおっさん!久しぶりだな〜何年ぶり?」

「ザガロか・・・・・・?」

「俺様の他に誰がいるって言うんだ?・・・・ってオイッ!!!なんだこの体は?!」

「うちの息子v」

惚れ惚れと息子を見る父、奈川 諒助。黒木博士の愛弟子の1人。

「小せー!!!なんだこりゃ!でも、動きやすいな・・・・」

「息子の体に傷つけるんじゃないぞ!!!」

「はいはい。じゃあちょっくら暴れてくる。その白兎だっけ?敵討ちだ!」

腕慣らしと言わんばかりに、飛び出そうとするサガロ。

「こんな狭いとこにいられっかよ!!」

闇は飛行機能がないということを知らずに飛び出すザガロ。

「うおっおお!!飛行機能ナシかよぉぉ〜!!」

「闇っ!!!!!」

叫ぶ親父。

『ガシッ』

「闇ちゃん・・・じゃなかった!ザガロさん!大丈夫ですか?!」

ライトがとっさにザガロを捕まえる。

ココの下は研究所と同じく、断崖絶壁。落ちたら即死は間違えない。

「ふぅ〜・・・・死ぬかと思った・・・こいつ飛行機能ナシかよ・・・ダメじゃん」

「離しますよ?」

「めちゃくちゃすばらしいボディーです。はい。」

ライトの不気味な笑みにひるむザガロ。

「なぁ・・・・お前、元“春”だろ?」

「は?」

「何でもねぇ・・・そのまま飛んでろ」

ザガロはうつむいたまま、ライトに支えられ飛んでいく。

(春・・・・・)

「着きましたけど・・・この研究所です」

「ああ・・・知っている。こいつの記憶見てるからな・・・こいつ、辛いな。俺様よりはまだましだがな。お前はこいつから何があっても離れるな。お前がこいつから離れたら、制御できなくなくなる。」

「?・・・はぁ・・・・・・」

ザガロが来てからの活躍はすばらしいものだった。

雑魚敵は手を一瞬かざしただけで、頭は破壊されていた。

あっと言う間に敵の中心角が隠れているところまで来てしまった。

「お早いお着きですね、ザガロ君・・・・と・・・春君?」

「どうも。ジャルズ博士。」

「春って僕のことぉ?おっさん!!」

黒木博士の愛弟子だった男、ジャルズ。本名は不明。

「さて、ザガロ君。その力を渡してもらおうか・・・」

「はぁ〜何でだよ?!これは俺のもんだぜ〜やる筋合いは無いな」

「そうか、それでは力ずくでいかせてもらおう」

構えるザガロ。ジャルズの背後には10人の人造人間。

「この子達は師匠黒木のマジックストーンをもつものだ。完全な7POWERでなければ倒される心配も無かろう」

その言葉に間違いは無かった。最強といわれたザガロもマジックストーンを持つ者が10人いればきついにきまっている。ライトも頑張っているが、やられるいっぽうだ。

「とどめをさせ」

一斉に放射される攻撃。逃れる事はできなかった。

「クッソ・・・・・」

「ザ・・・ガロ・・・さ・・・ん・・・」

総攻撃を受け、二人は倒れこんだ。

「捕獲しろ」

「ハッ・・・・」

二人は能力をすべて封じられる檻に投げ込まれた。

「これで、私は最強になれる・・・・ハッハッハッハッ!!!!!」

 

『・・・・・・ドコ・・・・ココハ・・・・』

気づけば、赤い液体のなかにしずんでいた。記憶はまったくと言っていいほどなかった。

「おお・・・・気づいたか・・・・闇よ」

『アンタハ・・・・ダレダ・・・・』

「お前の産みの親だ」

『オヤ・・・・・・?』

「そうだ!」

目の前に現れた男。心には闇を隠していた。

『オレハ・・・・?』

「お前は闇堂だ」

『シンドウ・・・・?』

こうして僕はジャルズにしたがわなければならなかくなった。

自分に昔の記憶があったと知ったのは最近だった。

ジャルズに話したら

「俺様の指示に従え。そうしたら教えてやろう」

だらかしょうがなく従っている。

ライトと共に・・・・・永遠に・・・・