第5話 7POWER=黒木博士+助手+悪の企み
「答えられませんか?!」
「答えられない事は無いよ〜♪じゃあ、教えるね・・・・それは・・・・黒木博士の子供たちだよ。」
人造人間である、俺たちの秘密。
今、重い扉を解き放った。
「子供?」
(どんだけいたのよ・・・・7×5=35よ)
「そう、子供。だからって35人もいないよ〜5人。子供は5人いたんだ。」
たった5人の子供たちから生まれた7人の人造人間と35ほどある人格。
「詳しく聞いてもいいですか?」
「もちろんだよ。そのために来たんだろ?それと教えないとショウロンとシャオンに怒られちゃうからね。」
「ですよv」
後ろからの殺気に博士は負けているようだ。
当たり前だが・・・・
あんなギランギランに目を光らされては誰もが殺されると自覚する事だろう。
「ある日、黒木博士、僕、丘野、ジャルズだっけ?今は。3人で人造皮膚や臓器の研究をしていたんだよ。
もう少しですべての研究が完璧に完了する一歩手前だった。
「黒木博士!!早く出てきて研究を進めてください!国家から色々来ていますよ!!」
博士の部屋のドアを思いっきりたたく丘野は必死だった。
それもそのはず。国家から研究費用を貰っているのでレポート、現在の研究模様などを説明しなけらばならないのに主要人物である黒木博士が出てこなくてはなんの意味も無い。
「蒼井君がいるだろう・・・・僕はそれどころではないよ・・・・・」
「僕ではダメなところがあるから呼んでいるんですよ!!!」
弟子にすべてを任せようとする姿はお偉い博士には見えなかった。
ただ、駄々をこねる子供のような。
そんな上司に弟子である3人はいつも世話をやかされているのであった。
「博士ッ!!博士ッ!!」
「あぁらぁん・・・・やだわ〜くろちゃんどうかしたの?」
「「氷鉄さん・・・・!!」」
「あら?お姉さんって呼んでって言わなかった?」
「「は、はい・・」」」
現役バリバリのおかまさんに3人の弟子ごときがかなうわけもない。
どうどうと入り込んできた氷鉄劉哉はこの研究所の常連のような客人で、博士の親友でもある人だった。
「く〜ろ〜ちゃぁあん!!!弟子たちをこまらせる師匠がドコにいるっていうのよッ!!」
「ココ。」
「へ、屁理屈・・・・」
弟子たちが引くほどに成長してしまった博士の屁理屈っぷりによってブチリと不安な音が響くと「問答無用なのよぉ〜ん!!!」とドアに足蹴りをくらわせたおかま、氷鉄さん。
あれまあれまとドアは亀裂を走らせ、ドゴンと鈍い音をたてながら崩れ去る。
その真っ二つのドアの中にいたのは布団にくるまった博士の姿があった。
「あ・・・・また・・・ですか・・・・・」
布団から立ち上がると大人しく、弟子たちに連れられるがままに山になった書類の机へ向かっていった。
ついでに氷鉄がイスと黒木を放さないように押さえつけている。
「・・・・・・疲れた・・・・河戸君、変わってくれないか?・・・・河戸君?」
「博士、河戸なら出かけてますよ、そこの伝言小人が言ってますけれど?」
『コウドオデカケ。コウドオデカケ。』
小人が片言の機械音で喋っていた。
精密に作られた、人工皮膚と知能。まだ完璧とはいえないがなかなかのものだった。
「・・・・・こいつ手先器用だな・・・」
「博士の弟子ですけど?」
「そうだね、蒼井君。でも、僕の子供たちにもあとを継いでもら「博士ッ!!!」
黒木と蒼井が和やかに話している最中だった。
河戸が不吉な知らせと共に飛び込んできたのは。
「雫ちゃんたちが・・・・・!!!」
「「!!」」
黒木雫、雷名、ソラ、火斗、花。
どの子も黒木博士の大切な大切な子供たち。
「全員重症で救急車で運ばれました!!!!」
「ンだって!!」
黒木が山のような書類と氷鉄をはねのけ、外へ飛び出そうとする。
しかし、モニターの不可解な音と声に阻まれた。
扉の鍵をかけられてしまったからである。
鍵がかかっていてはどんな筋力、腕力の持ち主でも空ける事が不能な扉。
『ちょっとお待ちいただけますか?博士。』
「なんだ?!こいつは・・・」
モニターから流れ出した音はガサガサと乱れながら、人影を映し出す。
『“如雨露”とでも名乗っておきましょうか、博士。』
「今、お前と話している暇は無いんだ。ロックを空けてくれ。」
『それは出来ないご注文です。』
「何故だ?」
『それはあなたが聞くべきことではない。あなたは私の質問に答えればいいのだから。』
乱れて見えないはずの口が笑っているように見えた。
続く。
作者から
お久しぶりの更新ですね〜
大変お待たせいたしました。
でもこんなところで切るなよと思いますがまたお待ちを。
そして、短いな?と感じた方、気のせいです。気のせい。
これから、LIVELOVEを書かなくてはならないので!(誤魔化し誤魔化し
また、更新したときに。