BANG!と頼むぜ!天界王!

 

「ラーズ!ラーズ!」

天界の王宮に響く大きな声。声の主は天界の王 ソナ・サバラカルト。

顔立ちは魔界の王の方が似合っている。天界とは全く関係していないような顔である。

しかも、後ろにつくのは天界では珍獣であるドラゴンのダイラ。

「なんですか?・・・・・くだらない事でしたら、おやつの時間を仕事の時間にしますよ!!」

「俺様がいつ、くだらない事を言った!!」

「毎日です。」

ラーズ・A・ファムルーマ。ソナの執事兼お世話、指導係の天使の中の天使様。

優しく微笑むその姿はまさに大天使様!その笑顔は幸福をもたらすとか・・・・・

しかし、ソナにとっては“幸福の笑み”は“不幸の笑み”に変わる

「ソナ アホ! ソナ バカ!」

「なっ・・・・!!!この鳥が!!何をぬかしてやがる!!!喰っちまえ!ダイラ!」

ラーズの飼い鳥、フール。その美しい姿、純白は天使のペットにふさわしい容姿。

ラーズの笑みにフールがそろえば完璧な天使となるだろう。

「グバア!!!」

「ソナ様!!お言葉使いをお気をつけください!!!仮にも天界の王ですよ!ダイラ!喰うな!!」

「グパ・・・・・」

「ケケケケケケ!!! オコラレテヤンノ!」

フールの説明に付け足します。性格、笑い方は悪魔です。

「ック・・・・・・ラーズだって口悪いじゃんかぁ〜

「何か?」

「いえ・・・・」

ラーズの怒った顔は恐怖の塊。

「そ、そんな事はどうでもいいのだ!さっき町を見てきたんだがグチャグチャだったぞ!」

「“さっき”?・・・・今まではお勉強の時間だったはずですが?抜け出されたんですか?」

「え・・・・・っと・・・・」

「おやつの時間はナシですね!」

「フゲ・・・・」

あっけなくおやつタイムは消えうせた。

「エルを呼んで下さい」

「ゲッ・・・・エルぅ〜???あいつ俺様苦手・・・・」

ラ−ズが丁度通りかかったメイドさんに連れてくるように頼む。

エルスーマ・ギーゼロンド。名前が長いのでみんな『エル』と呼んでいる。

歳はまだ幼いが、天才と呼ばれるほどの研究者。

性格は明るく、楽しいものなら何でもOK!

しかし、誰だろうか態度を変えないという大物でもある。

(おいっ!あいつは『明るい』というレベルじゃないぞ!『うるさい』だ!)

失礼しました、王様。ではもう一度・・・性格はうるさく、楽しいものなら何でもOK!

よろしいですか?

(OKだ!)

「どうかされましたか?ソナ様?」

「な、なんでもないぞ!」

「・・・・・・・・(睨み)・・・・・そうですか」

「エルスーマ様が「やっほっほっほぉ〜〜〜!!!!

(耳をふさいでいて正解だったな)

登場早々大きい声を響かすエル。

エルの一番近くにあった、王宮の柱が一本折れてしまっている。

隣には耳をふさぎ忘れたフールがしびれている。まだまだエルの事を分っていない。

っていうか鳥だから耳をふさげなかったようだ。

エルはまた何か、迷惑なものを発明したようだ。

「あ〜王宮が潰れちゃいますね〜毎度の事ですけど・・・・・」

「ダイラ!!」

「グンバ!」

さすがドラゴン。軽々と王宮を支えているわけもなく、懸命に持ちこたえようとしている。

「ダイラが支えているうちに早く、代わりのものをもってこい!」

「は、はいぃ!ソナ様!」

王であるその風格を現したソナに驚きビックリの働くメイドさん。

あたふたと王宮を駆け回る。

「ところでソナ様。代わりって・・・・アレでよろしいんですか?」

「は?・・・・何いって・・・・あ――――――――――――!!!!!

メイドさんにとって代わり=ダイラの代わり=銅像

ダイラが一息ついている横には国宝の銅像が・・・・・・

「ケケケケケケケケケケ! バカ バカ ソナ バカ エルモ バカ!!」

さっきの衝撃で倒れたフールが立ち直った。

「はぁ・・・」

「お前のせいだと首を横にふるのはやめろ!!ラーズ!!」

ラーズはソナの肩に手をおき、首を横に振っている。

王に対してその態度でいいのだろうか・・・・この国は何なんでしょう・・・

「おい!柱を建て替えろと俺様は言ったんだ!」

「はぁ・・・・・でも・・・天力がわたくしでは足らないんですが」

この世界では天力がエネルギー源。天力の強さは、その人物の強さを表す。

ソナは天力をかわれ王になったといっても過言ではない。

天力がなければまだ、子供と同じくらいの歳のソナは城下町で一般人として過ごしていたのだろうか・・・・

「ねぇねぇ〜僕を忘れてな〜い?「ワァァァァァ!!!喋るなぁっ!!!!忘れてないから!忘れてませんからぁぁぁぁぁ!!」

エルの迷惑大発明『声破壊君1号』。

「エル、その迷惑物体の目的は何ですか?」

「う〜〜失礼だぞ!ラーズ!天才に向かって!ラーズより僕のほうが地位上だしぃ〜♪」

エルのこの発言により、ラーズの怒りMAXに。

微笑が一瞬にして消え去って、怒りが吹き上げてきた。

「あぁ?オメーよりは俺のが年上なんだよっ!地位より歳だ!!なんか文句あっか?!」

「ラーズ!!落ち着「ソナは黙ってろや!!!」はいぃぃぃ・・・・・・」

地位が上?関係ありません。

王であろうと、魔王であろうと、大天使だろうと、大統領だろうと、今のラーズには全くもって無関係。

この状態になったラーズを止める方法は2つ!

@実力行使!

Aイーファをつれてくる

以上で〜す!

@は無謀、命の危険あり。

Aはイーファの家にたどり着くまで王宮から最低6日はかかるし、イーファが家にいるとも思えない。

イーファとは、本名イーファラル・サバラカルト。年齢不明、家はあるがいつもいないので住所不定。分っている事は性別、過去の歴史、ソナの一番苦手な人だということ以上。

天界三大天力者の一人にしてラーズの師匠。

女の人なのだが・・・そうは思えないほどの天力の持ち主。

ラファエル、ミカエル、ガブリエルの弟子とも言われている。

「おいっ!俺様を忘れていないか!!!!!」

「誰に言ってるんですか?」

「あ・・・・・ちょっと・・・」

ああ!ソナ様!今現在では天力ナンバーワンといわれるソナ様なら止められると?!

(そうだ!!!)

では、ソナ様よろしくお願いしま〜す♪

「(おっしゃ!)行っけ〜!!ダイラ!二人を吹き飛ばせ!!」

「「!!!!」」

今、自分を確認したソナはダイラを使い、ラーズとエルを王宮外の森へ。

「ソナめ・・・・・許すまじぃ!!!!!!」

「ソナ様・・・・・!!!!!!(ゴゴゴゴゴゴゴッ)」

向き合う二人。そして、不気味な笑みを浮かべる。

「「協力万歳!!!」」

二人はソナに殺意を抱き、意気投合。THE END OF SONA

この二人が手を組めば怖いものはありません。

そんなことを知るよしもないソナは・・・・

「俺様スゲェーーー!!なっ?ダイラ!」

「バォッ!」

何もやっていないのに自画自賛。ダイラと楽しくお話中。

その時!後ろから痛いほどの殺意が2つ・・・・・

「ソ・ナ・ちゃん♪ふざけるんじゃないぞっ♪」

「ソナ様。お休みの時間です」

「アッ・・・・・・・お帰りなさいませ・・・・ラーズとエル・・・・・・・」

「「いってらっしゃいませ!!!!ソナ!!!!」」

一斉に襲い掛かる二人。この二人の殺意は止められない!

「はいは〜い!そこまで!」

二人の殺意を相殺した手をたたく音と感じる強大な天力。

音の主はすらりと伸びた手足、透き通る声、ボンキュッボンのスーパーボディ!の女性。

「「ああああああああああああああ!!!!!」」

「ハーイ!ラーズにチビビ!・・・・とちび2?」

「ねぇねぇ〜二人とも固まってないで紹介してよぉ〜」

「「・・・・・・・・・・・・・」」

黙り込む二人。っというか開いた口がふさがらず、喋れない状況。

初めて会ったエルはビックリ。

「やだわ〜紹介くらいしてくれてもいいんじゃないの?私の名前はイーファよ。本名は、イーファラル・サバラカルト。一様ラーズの師匠よv」

「ほへぇ〜」

ご丁寧に最後にハートマークつきでのご紹介。

「フィフォフィファフイ・・・・」

「何言ってるか分らないわ・・・・・ソナ・・・」

「フィフォー!!!!」

「ちゃんと戻してから喋りなさい!」

怒鳴られ、元に戻そうと努力するラーズとソナ。

「フェフフィファフンゴッ・・・・戻ったぁ〜で、何でこんなところにいるんですか?!イーファさん!!」

「や〜だぁ〜実の姉にさん付けってどういうことなの?!」

「俺様は認めたくないんですけど・・・・・」

お気づきでしょうか?お二人様のお名前。

イーファラル・サバラカルト、ソナ・サバラカルト。

前王、シラフィア・サバラカルトの息子、娘。

本当は姉であるイーファが王にならなければいけないのだが、フラフラな性格のため弟のソナがなっているだけ。

でも、天力はソナのほうが微妙に上。しかし、戦略、頭脳は断然イーファが上。

だから、いつもソナがイーファに負けている。

「師匠!!どういう風の吹き回しで?!」

「あ〜ら♪またかっこよくなっちゃって〜ラーズに会いにきたのv」

必殺!悩殺フラッシュ!!!(投げチュー&ウインク)

//////

「あはは〜赤いぞっ!ラーズ♪」

はやすエル。言い返せないラーズ。

「イーファ!!」

「フゲッ・・・・・」

一人の男が目をハートマ−クにしてこちらへ向かってくる。

「みなさん!ごきげんよう!イーファの婚約者でルーカー・ショックムーブです!」

ショックムーブ家といえば貴族として有名な家系だが・・・・

(姉さん!いつ婚約したの?)

(婚約するつもりなんてサラサラなかったわ〜でも〜相手がね〜)

(あ〜そ〜じゃあ)

「帰ってください!!姉さん!!」

「え〜〜!!まだ居たいぃ〜!」

「そうだよ!我が家へ「さようなら〜」

ルーカーが喋り捲っているのに、ソナは天力でイーファを持ち上げ、外へ投げ出す。

「「ああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」

ルーカー、エルが叫ぶ。

「なにやってんだよ!ソナ!お姉様死んじゃうよ!!」

「そうだ!いくら三大天力者だからって!!!!!」

「平気ですよ。皆さん。師匠があれで死んだら僕は苦労はありませんから」

「だよねぇ・・・・・・・じゃあ聞くけどお二人さん!アレは?」

ソナが指差す方向にはVサインをるんるんでして、浮かんでいるイーファの姿が・・・・

「「イーファさん!!」」

「ハ〜イ♪心配してくれちゃった?」

「「くれちゃった!!!」」

完璧にはまっているお二人さん。

「う〜ん・・・・やっぱ姉さん帰るわ〜またくるわね♪ソナ♪ラーズ♪」

「あぁ!僕は?!」

「後を追いますので!アディオス!」

エルはうるうるで見送り、ルーカーさんは後を懸命に追っている。

お気をつけて〜

「台風(イーファ)がいなくなるとホッとする・・・・・・」

「ですね。これだけはソナ様と同意見です」

平和はいいものだとしみじみ感じるソナであった。

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ〜!!!!そういえば!僕の大発明の『声破壊君1号』で町を破壊しちゃったんだけど〜大丈夫だった?」

「「はっ????」」

「なんか実験室から声がもれちゃってね〜全壊!!」

「「全壊?!」」

大きく首をたてに振るエル。

「はぁぁ・・・・天力の無駄だ・・・・」

「大丈夫!僕の発明で!」

「「やめてくれ!!!!」」

こうして、いつまでもにぎやかで明るい世界が続くのでした。

 

 

本当にEND!

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