シルフィード




このソフトは1993年7月30日にメガCD対応ソフトとして発売された物であり、後にプレイステーションやサターンで一世を風靡することとなった、ポリゴンを使用した、シューティングゲームである。
ポリゴンで表現された、スピード感のある動きや、空間表現といった演出は、家庭用ゲームでは初であったろう。
現在となっては、たいして目新しい物でもなく、当たり前のようになってしまったが、この頃は、ポリゴンを使ったゲームそのものが少なかった頃で、類似していると言える題材だと、メガドライブでは3Dスペースアドベンチャーの「スター クルーザー」、スーパーファミコンでは3Dシューティングの「スターフォックス」等が発売されてはいた。
しかし、当時の技術とハードの性能では、それなりの表現しか実現できてはいなかった。
所が、異能技術者集団と当時筆者や仲間内で、畏怖の念を込めて呼んでいた、あのゲームアーツが職人技を駆使したため、メガドライブとメガCDの能力で、ここまでの物が製作出来てしまった。
彼らは驚くべき作品を世に送り出したのだ。
「スターフォックス」ですら「スーパーFXチップ」という特殊なチップを使って、ポリゴンを使用していたにもかかわらずだ。
それもそのはず、過去に「ゲームアーツ」は、この「シルフィード」を、スプライトの機能さえ持ち合わせていない、PC-8801という8ビットパソコン上で、その「何か突き抜けた」技術力をもって製作していたのだ。
FM音源が最高の音源であった当時に、音声合成で喋るゲームとしても伝説になったものである。
このゲームを、ハードの性能が向上した事によって表現可能となった演出を加え、フラクタルエンジン等の当時の最新技術を使いながら、メガドライブというゲーム機にアップデート移植したと言えるゲームであった。
さすがに、まだテクスチャは張られておらず、グレー1色のポリゴンではあったが、逆にそれが無機質な宇宙空間の表現に合っていると筆者は感じた。
ゲーム画面は、多くの方の記憶にあるであろう所で言えば、タイトーが製作した「レイフォース」に類似しており、その宇宙ステージの雰囲気を思い浮かべて頂ければイメージとしては理解頂けるのではないだろうか。

筆者にとっては、次世代のゲームを遊んでいるという感覚で、非常に楽しめたのだが、人によっては難易度が高くて楽しめないと感じる可能性もあるだろう。
PC-8801版のシルフィードに比べれば、これでも難易度は低かったはずではあるが。

なんにせよ、是非とも16ビット機のメガドライブ上で3角形の破片が飛び散りまくる様を一見して頂きたいものである。


投稿者:オサール菱井


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