ファンタシースターII(以下PSII)が登場したのは1989年、PSI発売の2年後の事だった。
以前衰えぬDQブーム、勢力を拡大しつつあったファイナルファンタジー(以下FF)の陰に隠れ、あまり目立った存在とは言えなかった。
ストーリー的にはPSIの千年後に位置し、懐かしいキャラクターも多数登場するが、ダンジョンが2Dに変更、乗り物での戦闘のカット等、システム的にはかなり違う物になっていた。
MDの能力を生かし、多重スクロールやラスタースクロールを使用したフィールドは、綺麗である反面、見難くもあった。
しかし、MD用のRPGが不足していた事や前作の出来の良さ、そして、ヒロインである”ネイ”の爆発的人気のため、かなりの本数が売れたのである。
戦闘は前作に引き続きDQ方式を採用しているが、自軍パーティーのバックショットが表示され、攻撃時には敵の所に移動して各々の武器に応じたアニメションを表示。もちろんテクニック(魔法のような物)にもアニメーションが用意されており、当時にしてはかなり派手な戦闘が楽しめたものだ。
しかも、レベル上げや資金集め等、頻繁に行われる”戦闘”の作業効率を上げるために、自動戦闘が用意されていたのである。
これは、最初に各キャラクターに”めいれい”コマンドで戦闘方法を指示、後は”たたかう”コマンドで、どちらかが全滅するまで闘い続けるという物である。
しかも、テクニックやアイテム等、使用制限のある方法を指示していた場合、それが使用不能になると自動的に武器を使っての戦闘に切り替わるため、行動停止キャラクターが出ないのだ。
単純作業となり、時には苦痛となりうる戦闘が、非常に楽に行えるため、このシステムは後の作品にも引き継がれることになる。
後の作品に引き継がれると言えば、忘れてはならないのが”ネイ”の存在である。
PSII以降の各作品には、それぞれネイの流れを汲むキャラクターが存在しているのだ。
PSIIIのミューとPSWのファルがそれである。
SEGAの公式発表によると、PSIミャウ→PSIIネイ→PSIIIミュー→PSIVファルと言うことらしいが、ユーザーとしてはジャコウネコであるミャウよりも人型のネイの方が印象に残ったはずだ。
他の仲間の2倍のスピードでレベルアップし、中盤ではネイ・ファーストとの闘いで壮絶な死を遂げ、大きな山場を作り、最強の武器、防具にその名を冠する彼女は、PSシリーズに欠くことの出来ない存在になっているのである。
作中では”ネイ”と言う言葉は”〜ではない”と言う意味だと語られ、人でもバイオモンスターでもない彼女の立場を、より悲しい物として際だたせていた。
続いてハード面だが、保存データが破損した場合の”自己修復機能”という物が付いていたのをご存知だろうか。
当時、一世を風靡した某DQ3のバッテリーバックアップが非常に消えやすかった事もあり、この機能は”保険”と言う意味では非常に優れていたと言えよう。
後にSSに移植されたため、この機能は消滅してしまったが、
SEGAの持つ技術力、発想力を世に知らしめた作品であることには変わりがない。
未だプレイしたことのない方には、一度プレイすることをお勧めする。
損をしない作品である。
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