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現代のエスプリ「マインド・コントロール」と心理学

No. 369
    


informationお知らせ 本書は、マインド・コントロールの定義やプロセス、マインド・コントロールに対抗するための手段、マインド・コントロールという方法を用いるカルトの実態、大学生が受けている日常的な勧誘の状況などについて、社会心理学者や弁護士などが執筆したものです。巻末には、マインド・コントロールに関する書籍の紹介も添付されています。

 「影響」の社会心理 (pp. 49-59) われわれがなぜ人からの働きかけに応じるのかという問題について、(a)送り手のもつ影響力(社会的勢力)、(b)受け手の一般的な反応傾向という2つの側面から、社会心理学の研究結果に基づいて記述しました。前者については、送り手がコントロールする賞罰、送り手のもつ専門性、高地位、魅力、説得的議論の生成について述べました。後者については、返報性(受けた恩義には報いようとする、お返しの原理)、希少性(数少ないものに価値をおいて、それを手に入れたく思う傾向)、他者の反応(他者と同じように行動しようとする傾向)、一貫性(表明した意見や考えに適合した行動を取ろうとする傾向)、テクニカルな影響手段(段階的依頼法、譲歩的依頼法)について述べました。

 大学生と宗教勧誘1:勧誘の実態と勧誘に対する大学生の反応 (pp. 89-97)  マインド・コントロール問題研究会が1996年7月に全国の大学生8,966人を対象に行った勧誘に関する質問紙調査の結果を紹介しました。全回答者のうち、77.5%は何らかの勧誘を受けた経験があり、その主たる内容は、新聞、学習関連講座、宗教団体への加入でした。勧誘に対する受け手の反応としては、7割近い人が勧誘について誰にも相談せしていませんでした。また、「少し応諾した」人も含めると、勧誘に応諾した人の比率は、、新聞で約3割、学習関連、宗教勧誘で約1割でした。


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大淵憲一(編著)

1997 至文堂
\1,249


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