informationお知らせ　本書は、８年に渡ってカルトからの脱会に関するカウンセリングやリハビリテイションを行ってきたカイザー夫妻が執筆したものです。カルト、破壊的カルト、洗脳、思想改造、強制的説得などについて説明した後、彼らは「破壊的説得」という概念を提唱しています。それは、「人々の人格や思想、そして価値観を破壊し、新しい信念や現実感を作り出す説得方法」(p. 6)のことです。　カイザー夫妻は、破壊的説得を受けたカルトのメンバーをいかに脱会させるかという視点から、いわゆるマインド・コントロールのプロセスを明らかにしようとし、また、脱会の方策を紹介しています。巻末には脱会者の体験記（アメリカの事例ですが）が紹介されています。

　私は、第４章｢破壊的説得という戦略｣の後半３分の１(pp. 131-149)を翻訳しました。破壊的カルトのメンバー（送り手、勧誘者）がある個人(受け手)の現実感・世界観(reality)をいったん壊した後に、カルトの教義を注入すると、その受け手はカルトの枠組みの中でしかものごとを判断できなくなってしまうというプロセスを紹介した部分です。

profile

T. W. カイザー・
J. L. カイザー

1995　福村出版
\1,937