第35回記念展に寄せて

運営委員長
小 堀 清 純

 水彩画の公募北海道水彩画展(略称、道彩展)も回を重ねて、今年で創立35回を迎えることになりました。昭和57年2月、大同ギャラリーにおいて、現代水彩画の多様な表現と創造的な作品を追求することを目的として、同人展(第2回から公募展に改組)からスタートしました。道彩展は水彩画を愛するあらゆる分野の人々を広く集め、剌激し合い、新しい表現と価値を認め合う広場を作ろうという趣旨で発足しました。顧問として、道展から納直次、今野ミサ、全道展から国松登、八木保次、新道展から沖本友吉、白日会から川村正男というそうそうたる顔ぶれの先生を迎えました。スタート当初は、出品者も60人余りで、財政的にも厳しく、どこまでやれるか苦心惨惟するなど、様々な事情が走馬灯のように目の前に浮かびます。
 現在は、会員68名、会友15名、人選者が約90名前後と規模が拡大し、多少偏りがありますが出品者も全道的(函館と江別に連絡事務所を開設)に広がり、機関誌みずを発行し、例年、会員会友展や写生会を開催しております。
 創立当初から一貫して熱心に指導・支援を頂いていた八木保次先生は、平成24年3月に逝去されました。先生の教えてくださった精神は、私たちの心にいつまでも生き続けていくと思います。ご遺族よりのご寄付により、八木基金が創設されました。
 最近の傾向として、グワッシュ、アクリル、ジェツソ等を用いるなど多様な表現と主観を重視した作品が多くなってきております。また、道内外の公募展で会員として活躍する者も増えております。
 これからも会の発展のため、会員・会友が日々研讃を怠ることなく、真に明日の水彩画はどうあるべきかを問い正し、より一層の精進を期したいと思います。
 最後に、関係各位には、一層のご支援とご鞭捷をお願いする次第です。



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