第25回記念展に寄せて

事務局長
小 堀 清 純

 1982年同人展として、創立して以来、種々の苦難を乗り越えて、第25回記念展を迎えることは誠に意義のあることと思います。これも会員・会友等の協力はもとより、関係者のご指導とご支援の賜物と心より感謝しております。
 創立の目的は、水彩画の多様な表現と創造的な作品を追求することであり、また、水彩画を愛する仲間を広く集め、剌激しあい、新しい表現と価値を認め合う広場を作る、いわば水彩画愛好者のすそ野を広げることにありました。創立当時の経緯については、第20回記念展の図録巻頭に記述してあり割愛しますが、興味のある方はそれをお読みいただきたい。
 最近の状況は、昨今の水彩ブームの影響か、一般出品者が徐々に増え、例年100人を超える数となっております。作品としては、写実より、フォーヴィズム的な表現が増え、また、透明水彩より、不透明水彩(ガッシュ)にパステル、ジェッソさらにはコラージュ等効果的に用い、水彩とは思えない深いマチエール作りをするなど多様な表現が見られるようになりました。
 また、出品者が全道的な広がりを見せ、特に江別、函館や日高方面からの出品者が増加し、その方面からの受賞者が多くなってきております。ここ数年、函館方面では、本会出品者十数人が集い、グループ展を開催長までになってきているのは喜ばしい限りであります。近い将来、移動展が開催できるようになれば、地方の水彩画発展にも貢献できるのではないかと密かに夢見ております。
 さらに、全道展、道展及び新道展の入選者の多くは、本会にも所属しており、それら公募展への登竜門的な役割を果たしているともいえます。なかには中央公募展で受賞し、会員や会友に推挙されたり、また東京で個展を開くなどし、今後の活躍が大いに期待される若手作家も現れております。
 しかし、創造的な作品を追求するという観点から、単なる写生画的な作品は少なくなり、はっとするような絵が確実に増えてきておりますが、まだ、同じ傾向の絵が目に付きます。特に会員・会友にあっては、一人ひとりが自己の証となるような絵を描くことを期待します。またこのところ審査が難しくなってきており、しっかり描いている写実的な作品について評価が分かれるという問題点もあります。
 最後に、本会に対する世間の評価は、まだまだ厳しいものがあるのが現状であり、今後、さらにお互いが切磋琢磨し、魅力ある作品をたくさん展示できるように、一層精進していきたいと思います。



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