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登山探検  クワウンナイ川を遡行ってみたい!


二股の滝上の幕営地
二股の滝を登り切ったところに最適な幕営地があり、広さは3張程度だが水場もすぐそばで熊の心配をしなくてもすみそうなところだ。次の朝わかったことだが、滝口数メートル上流の右岸にも最適な幕営地 が有ったが、増水時はどうなるのか不明だ。どちらの幕営地も滝の音がうるさいのが欠点かもしれない。
テントを張り終えた頃に黒雲とともに雨が降り出したので、荷物を放り込み天気予報を確認すると明日も穏やかな天気になるだろうとのアナウンスに安堵して酒を飲みながら夕食の支度をする。
この川は、雨が降ると一気に増水し遡行が不可能になるほど上流の受け口が広く天候の管理が必要なところだ。
さすがに初冠雪を終えた大雪の朝は一桁の気温となり、前日の濡れた服に着替えると体温が極度に奪われるためすぐに行動を開始する。
二股の滝から源頭までの川は、日本庭園にある滝の様相でとても綺麗な階段状の滝が続き、1480m付近にあるすだれ状の滝は右岸の草地に巻き道ができている。
この滝あたりから右岸を中心に踏み跡がはっきりとしてくる。
源頭付近には広い幕営地があり長期滞在したくなるほどの景色が広がり、水の心配もない最高の地点だ。


階段状の滝


1480m付近の滝

源頭付近は花園になっていて、アオノツガザクラ、イワイチョウ、エゾウサギギク、エゾヒメクワガタ、エゾキンバイソウ、ダイセツトリカブト、タカネシオガマ、タカネ トウウチソウ、チングルマ、フデリンドウ、ミヤマリンドウ、ワタスゲなど沢山の花が 咲き乱れている。また、今年の紅葉は数年ぶりのできで、赤がとても美しく秋に向けての紅葉が楽しみだ。


源頭遠景


縦走路間近の沼


ヒサゴ沼

石狩連峰を背景に残雪と紅葉のヒサゴ沼はとても綺麗で、雪渓に座り景色を堪能できる贅沢な場所だ。
ヒサゴ沼辺にはエゾコザクラやミヤマキンバイなどが咲き乱れ、雪渓からの雪解け水がせせらぎとなって流れている。
ヒサゴ避難小屋はとても綺麗だった。最盛期のノートを見るとこの小屋に60人以上(一人40cm幅以下)が宿泊した記録が有ったがどのように寝たのだろうか?たぶん荷物の置き場もなかったのではないだろうか。
この日は、忠別岳避難小屋から女性3人、白雲避難小屋から
女性2人、双子池キャンプ指定地から女性1人、植物研究で滞在中の男性2人と私で計9人で静かな夜を過ごすことができた。それにしても双子池から単独行の冨田林市の女性は凄い。
深夜から突風と雨で、天人峡までの下山なのでのんびりと支度をしていると独り小屋に残される。
7時に小屋を出るが、化雲岳まで風と雨と雹で、その後は強風に時折の雨、小化雲岳過ぎまでの道はよかったが、その先は第一公園の木道手前までの登山道は泥沼となっていた。踏み跡を見る限り、今回の雨だけの問題ではないようで、ゴアなどの防水の効いた登山靴が必要のようだ。滝見台で羽衣の滝の全容を見て無事天人峡に下山した。

天人峡温泉-7:05-魚止の滝-2:45-二股の滝上-3:00-縦走路(日本庭園)-1:05-トムラウシ山-1:05-日本庭園-1:40-ヒサゴ避難小屋-6:50-天人峡温泉(ここに表記した時間は、小休憩を含む実移動時間です。赤字の部分は日帰り装備で、その他は縦走装備での移動です。)

天人峡駐車場5:40-6:35函-12:15970m二股12:55-13:35魚止の滝-13:50第2の滝-14:15奥二股-14:40滑終了点-15:00ハングの滝-16:00二股の滝-16:20二股の滝上幕営地6:25-7:00滝沢の滝-7:45源頭-9:30縦走路(日本庭園)10:30-11:30トムラウシ山12:00-13:05縦走路(日本庭園)13:30-14:25ヒサゴのコル-15:10ヒサゴ沼避難小屋7:00-8:00化雲岳8:15-13:50天人峡温泉駐車場(ここに表記した 時刻は、休憩も撮影時間も含んでいますので、実移動時間ではありませんが、実際にかかった時間です。)


ヒサゴ沼避難小屋


天人峡温泉-16km-日本庭園(トムラウシ山往復+5km)-3km-ヒサゴ沼避難小屋-14km-天人峡温泉=合計38km

現在の入渓について

クワウンナイ川への入渓は1987年から禁止されている。
このルートにはマーキングもマーキングテープも一切なく、踏み跡も少なく読図による位置確認が必要で、上級者でなければ入渓は非常に危険である。
携帯電話の使用は、源頭に上がっても難しく、途中の事故は人力の通報となり、単独行の場合連絡の取りようがなく、少ない入渓者を待たなければならない。
2003年9月現在以前天人峡トンネル入り口の駐車場山側にあった林道は、道路改修に伴いなくなり、新たに忠別川とクワンナイ川にかかる橋の間から林道に入るようになってい る。
荒れた林道入り口には、「入林を禁止します」との看板があり、上川中部森林管理署・旭川東警察署・東川町・美瑛町の連名になっている。

大雪山系・クワウンナイ川入渓者が後を絶たず、沢登り一部解禁2003/09/05北海道新聞から

死亡事故などが相次いだため、一九八七年から沢登りが禁止となっている大雪山系のクワウンナイ川(上川管内美瑛町)について、北海道森林管理局は五日までに、禁止措置を来年以降、一部解除することを決めた。沢登りシーズンの七月と八月、熟練者が同行する場合に限って認める。同川の渓流の美しさは国内指折りで、沢登りがブームとなる中、愛好者から禁止解除を求める声が出ていた。
クワウンナイ川は全長約十三キロの忠別川支流で、トムラウシ山(二、一四一メートル)と化雲岳(一、九五四メートル)の西側山腹が源流部。特に、巨大な一枚岩の上を水がさらさらと流れる「滝ノ瀬十三丁」(標高一、二五〇メートル付近)が全国の沢登りファンの人気を集めていた。
しかし、川幅が狭く、大雨が降ると、あっという間に濁流が渦巻く川に豹変(ひょうへん)するため、沢登り中の転落事故が続発。八六年六月に男性一人が死亡する事故があり、道森林管理局上川中部森林管理署が八七年、入渓禁止とした。
一部解禁は同署や周辺自治体、山岳団体などが二年前に検討会を設置。議論を重ね、今年三月、「沢登りは登山者の自己責任。同川は基本技術と装備があれば、沢登りが可能」との報告をまとめた。禁止以降も沢登りの事故が後を絶たず、四人が死亡しているため、慎重論も強かったが、禁止を続けると、いつ、だれが入渓しているか情報が把握できず、「緊急時には逆に危険」との指摘があったという。
同署は沢登りを認める条件として《1》登山届と入林届の事前提出(来年六月から受け付け開始)を義務付け、熟練者が含まれているかを含め、同署がチェックする《2》遡行(そこう)者数を一日二十人前後に絞り、入渓日を分散させる《3》大雨の場合は一時的に沢登りを禁止する−などを決めた。
また、九月中旬から、川の危険個所をホームページで周知する考えだ。
 同署の山本哲也署長は「禁止措置の変更は、クワウンナイ川が危険でなくなったという意味ではない。沢登りが自己責任であるとの自覚を持ち、無理をしないでほしい」と話している。

クワウンナイ川の沢登り、夏季解禁2004/07/01北海道新聞から

一九八七年以降、立ち入りが禁止されていた大雪山系のクワウンナイ川(上川管内美瑛町)の沢登りが一日から二カ月間、十七年ぶりに解禁される。禁止後も事故で四人が死亡しているが、今シーズンは試験的に熟練者が同行するなどの条件付き解禁となる。
忠別川支流のクワウンナイ川は一枚岩の上を水が流れる「滝ノ瀬十三丁」で有名。しかし川幅が狭く、大雨の後は一気に水かさが増す。北海道森林管理局上川中部森林管理署は一九八七年に立ち入りを禁止したが、入山者は絶えず、事故が続発していた。
同署は守られない禁止より徹底した指導で対応しようと、山岳団体などと検討を重ね、一日から立ち入りを解禁する。条件として《1》登山計画書と入林届の事前提出《2》野営地の限定《3》熟練者の同行−などを決めた。事故が起きた場合は、規制強化を含めた対応を考える。
同署の山本哲也署長は「気象条件を十分に吟味し、計画を断念する勇気も持ってほしい」と話している。問い合わせは同署(電)0166・61・0204へ。