製油所でまたタンク火災 北海道・苫小牧

 28日午前10時45分ごろ、北海道苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所のナフサタンクから出火。市消防本部などから大型化学消防車など20台以上が出動して消火にあたっているが、夜に入っても燃え続けている。けが人はいないという。同製油所では震度6弱を観測した26日の十勝沖地震の際も、今回のタンクから300メートルほど離れた原油貯蔵タンクが火災を起こした。73年の操業以来、大規模火災は5度目。市消防本部は、同社が火災前にタンクの異常を確認しながら通報を怠ったとして、法令違反の疑いもあるとしている。

 ナフサタンクは直径約40メートル、高さが約25メートル。3万キロリットルの容量があり、ナフサが2万6千キロリットル入っていた。ナフサは原油を蒸留してできるガソリンの前段階の油で、プラスチックや化学繊維などの原料に使われる。揮発性が高く、沸点は30度〜90度という。

 市消防本部によると、28日午前0時すぎから「ガス臭い」という住民の通報が相次ぎ、消防が同社に問い合わせて初めて「ナフサタンクの浮き屋根式のふたの上部に油があり、泡消火剤で覆っている」との回答があった。

 石油コンビナート等災害防止法では、油漏れなどの異常現象があった場合、直ちに消防などに通報することが義務付けられている。市消防本部は「多くの住民が異常を感じた28日未明の時点で、同社から通報がなかったのは法令違反の疑いがある」との見解を示している。

 同社は地震直後の26日午前には、このタンクの上部にある浮き屋根式のふたが破損し、油が浮き出る不具合を確認していた。市消防本部によると、27日の実況検分で同社側から「5基のタンクが破損している」との報告はあったが、このタンクについての報告はなかったという。                             (文章=朝日新聞09/28 20:28)

 

住吉町屋上から 0309281115

 

 警察署にいると「出光タンク火災、けが人はいない模様」との指令が流れる。警察官に「行かなくていいの?」と即され外に出ると、東の空に大量の黒煙が流れていた。26日にタンク火災は消えたはずだが・・・・・
 警察には、悪いことをして行っていたわけでは決してありません。

 

海保の船溜まりから 0309282051

 

 ナフサタンクの火災は、夜になっても一向におさまらず、炎は北側のタンクをなめ続け夜通し消火活動が行われた。
 このナフサタンクは、26日の地震のときすでにタンクから漏洩があり、前回のタンク火災の折りにはこのタンクから霧状にナフサが噴出していたことを出光は知っていた。しかし、1回目のタンク火災後の立入検査時に隠蔽し、地震による被災タンクとして報告をしなかった。この時点での被災タンクとして報告をしたのは4基に止まっていた。この報告が後に大変な事態を引き起こすこととなった。

 

発災タンク南西から 0309290922

 

発災タンク南西から 0309290942

 

発災タンク西側から 0309291049

 

発災タンク南から 03291124

 

発災タンク南近傍から 0309291311

 

発災タンク南近傍から 0309291324

 

 上の2枚の写真は、消防隊が緊急避難する直前と直後の写真です。
 タンクは時折「バキ・メリ」と音を立てながら座屈(「ざくつ」=タンク側板が座るように折れ曲がること。)を進めていたが、13時20分過ぎに「バキ・バキ・バキ〜・ドンー」と一瞬にして大きな座屈を起こした。その瞬間消防車はサイレントと警笛を鳴らし周囲にいる消防隊に緊急避難を促した。考える間もなく全てを放棄し炎に背を向けて走っていた。

 

製油所タンク、倒壊状態に 消防隊に待避指示 苫小牧

 28日に出火した北海道苫小牧市真砂町にある出光興産北海道製油所のナフサタンク火災は、29日も消火作業が続いている。しかし、火勢は弱まっておらず、同社によると、タンク北東側の壁面が内側に曲がり、倒壊状態になったという。午後1時25分ごろ、消防隊員に退避の指示が出された。

 同市消防本部などの徹夜の作業に加え、午前6時50分からは大型泡放射砲2基などから化学消火剤を一斉放射したが、強風のため効果が上がっていない。出光興産は同日午前の記者会見で、「消火はかなり厳しい状況。ナフサを燃やしきって鎮火を待つ可能性が強い。隣のタンクへの延焼防止に全力を尽くす」としている。

 同製油所で起きた大規模火災は00年2月以降、5度目。十勝沖地震があった26日には、今回のタンクから300メートルほど離れた原油貯蔵タンクが火災を起こしたばかりだ。同社によると、製油所には合わせて105基のタンクがあるが、十勝沖地震後の点検で29基に構造的な損傷などが見つかったという。

 同市の住宅街では、ナフサタンクから南風に運ばれた黒いすすが車に付いたり、消火剤の泡が舞ったりしており、進まない消火に住民たちもいら立っている。                           (文章=朝日新聞09/29 22:03)

 

発災タンク南から 0309291329

 

発災タンク東南東から 0309291446

 

発災タンク東南東から 0309291541

 

すすや消火剤で周辺住民13人治療 苫小牧タンク火災

 黒煙を上げながら30時間以上も燃え続けた出光興産北海道製油所のナフサタンク火災は、高さ24メートルのタンクが崩落し、燃料がほぼ燃え尽きてようやく火の勢いが衰えた。延焼はくい止めたが、風下の数キロ圏内を中心にすすや化学消火剤の泡が飛散し、同日までに13人がのどの痛みなどを訴えて治療を受けた。異臭や体調不良、洗濯物の汚れなどを訴える苦情は周辺市でも相次ぎ、住民の怒りが募った。

 苫小牧市内の小中学校11校はこの日、授業の打ち切りや集団下校を実施した。現場の北西約3キロにある明野中学校では、「頭が痛い」「気持ちが悪い」と訴える生徒が相次ぎ、51人が早退した。南風が吹いた午前中は鼻をつく異臭が校舎を覆い、グラウンドには黒いすすや消火剤の泡が点在した。

 製油所タンクの防災対策は、大規模火災が起きた64年の新潟地震以降、強化された。揮発性が高い原油のタンクなどで採用されたのが、出光製油所タンクのような屋根を「浮きふた」にした方式。中の液体が地震で揺れるのに合わせ、屋根も揺れ原油やナフサが大気に触れ発火しないようになっている。

 そのタンクにも「弱点がある」と専門家は指摘する。石油連盟・石油産業技術研究所の防災担当者は「水が入ったバケツをゆっくりと揺らすと、水が外にこぼれ出るのと同じ。ゆっくり長い時間揺れる地震だと、タンク内の原油やナフサがあふれ出る可能性がある。想定した耐震対策を超える地震ではなおさらで、火災につながる危険性は否定できない」という。

 製油所は十勝沖地震が起きた26日の午後から、浮き屋根式のふたの上部にナフサがこぼれ出たタンクに計5回、泡消火剤を注入したが、風で泡が飛ばされた。作業員が消火剤を取りに階段を下りる途中、出火したという。 (文章=朝日新聞09/29 23:13)