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2004年5月22日(土)

ステンドグラスの会社を辞め、生活のために翻訳を始めてからもうすぐ2年になる。ちょっとばかり留学していてTOEICの点数が高くても、所詮未経験者。実力第一主義の世界に、何も知らずに乗り込んだのは、今考えてみると空恐ろしい。最初はたくさんの企業に応募しては落ち、ようやく翻訳チェッカーの仕事をもらった。そこで少し働いた後、今は企業内の翻訳専任者として仕事をしている。

徐々に翻訳にも慣れてきて、たかが2年弱の翻訳経験にも関わらず自信過剰になってくる。だから、多少の刺激を受けてちょっと目が覚めた。ここ数週間で起きたこと。ある派遣会社からこんなレベルでは翻訳の仕事は紹介できないと言われ、翻訳の通信講座の添削で日本語の表現が乏しいと書かれ、挙句の果てに、応募した某翻訳コンテストの結果(ノンフィクション)は「D」。

……_| ̄|○ やっぱり、翻訳やめたほうがいいですか。

しかし、何があってもめげず、あきらめず、続けること。能力やセンスはその次。そんなアドバイスをいただいていたのだが、この時初めてその言葉が心にズシンと響いた。生活のためにとはいっても、翻訳そのものは面白いと思うし、始めたからには上達したい。謙虚に地道にがんばろうという意味を込めて、翻訳迷走記を始めてみることにした。


2004年5月24日(月)

新しい派遣先でいきなりダメ出しをくらった。

技術資料のように、機械の構造やシステムの説明、または出張報告や議事録みたいな事実をそのまま伝える文書は、原文を尊重して直訳調で訳すようにしている。もちろん、訳された文章がきちんと意味が通っていなければならないが。

マーケティングは新しい分野。売り上げが落ちたのどうのという内容をそのまま英訳してしまっては、最終的な報告先の外国スタッフへの印象が悪くなる。ネガティブな結果をいかにポジティブに見せるか…ということを英訳する時に気をつけなければならない。ただ報告するだけでなく、前向きな姿勢も文章に取り込まなければならない、あるいは、悲観的な内容を無理にでも良く見せる、堂々とした姿勢(ずうずうしさ)が必要だということか。そこが日本とアメリカの考え方の違いではあるのだろう。


2004年5月25日(火)

「(数値等が)計画通り推移した」 というフレーズを、"(Values) shifted as planned" としたところ、shiftは「推移」として通じるのか?というツッコミをくらった。

確かに辞書上は正しい。でも、shiftはどちらかというと「ある一定の方向に引きつけられる」という感じか。結局、changeに変えたが、これも推移というより変化の要素が強そう。あるいは、"undergo a transition"にするべきだったか…ちょっとくどいが。

以前から苦手な言葉がある。「展開」。日本語で書くときは便利だが、訳すのは結構面倒くさい。

政策を展開する、順調に展開する、店を全国に展開する

1番目の展開は「実施する、取り組む(to carry out, to undertake...)」、2番目は「進行、進展(to develop, to progress...)」、3番目は「拡大する、広げる(to expand...)」といった意味合いか。あとファイルを展開する(to uncompress)とか、兵力を展開する(to deploy)とかもある。

難しいことではないのだが、まだまだ単語に惑わされてしまう。未だにこんなレベルを推移しているのか…。


2004年5月28日(金)

"Sales Driver"という言葉がでてきた。もちろん宅急便の配達員のことではない。販売(Sales)を促進(Drive)する要素のこと。英語では普通に使われているようだが、日本語では何というのだろう?色々調べたり相談したりした結果、そのまま「セールスドライバー」にした。「宅急便の人みたいですよね〜」と言ったら、社員さんは苦笑いしていた。バカ丸出し。


2004年6月1日(火)

プレゼンテーション資料は文字は少ないが、普通の文章のように文脈から意味を想像できないので、その分野に精通していないと翻訳する際になかなか苦労する。

Mystery Shop

ミステリー満載ですか。楽しそうなお店…いや、でもそんなハズはないので調べてみる。

【Mystery Shopping】客を装った店舗調査

なるほど。調査員のことを「ミステリーショッパー」とも呼ぶそうだ。自分の無知さ加減にあきれつつ、また1日が過ぎていく。


2004年6月2日(水)

「2桁」の訳語としては、"double digit"と"double figure"、どちらが良いのだろうか。

Googleで使用頻度を検索してみたが、使用頻度はどっちもどっちだった。digitとfigureを混在して使用している文献もあった。(意図して使い分けているのかどうかは判断がつかず…)

英語は同じ言葉の繰り返しをあまり好まない言語なので、ある一つの対象をいくつもの違った単語を使って表現する。新聞記事などはこの傾向が強い。ただ、マニュアルや仕様書のような専門性の高い文書の場合は、部品や技術等の名称を統一しないと混乱するので、注意が必要だろう。

「先週の商品Aの売り上げは2桁増だった」という文章を訳していたのだが、結局ヒット数の多かったdigitを使用した。→"The sales of A last week increased by double digits."


2004年6月9日(水)

「平均的な商品Aの強みで推移」

「商品Aは総合的な販売力はあるが、時期によるバラツキがある。今回は商品Aとしては平均的な結果となった」…という意味。「平均的な結果」を、「結果の(数値)レベルが平均的」、「普通の(いつもあるような)結果」、どちらに解釈するかというところが微妙。単に、"average strength"にするか、"usual strength"にするかってだけの話なのだが。(結局後者にした)


2004年6月3日(木)

【インサイト】ホンダの車(ハイブリッドらしい) へえ〜……じゃなくて。
【insight】洞察(力)、眼識<into>(リーダーズ英和辞典)

今日は"consumer and competitive insight"と格闘。消費者と競合他社(自社の持つ競争力)の洞察?ググったら、「コンシューマー・インサイト(消費者の行動や考え方の考察)」を発見した。そのままカタカナで良いのか。でも、「コンペティティブ・インサイト」の方の用例は見つからなかったので、「消費者・競合他社のインサイト」にした。


2004年6月10日(木)

よじげんノートの方でトイレのタオルの話をしたが、その延長で調べてみた。

【ハンドドライヤー】 hand dryer、【ペーパータオル】 paper towel

「ジェットタオル」は三菱電機の登録商標だそうだ。(英語名"Jet Towel"も?)あまり見かけないが、ロール式の布タオルっていうのもある。何ていうんだろ、あれ。


2004年6月11日(金)

「安い価格」

何も考えず"cheap price"としたら、「cheapはダメ!」と怒られた。お客様に提供する商品に使う言葉としては適切ではなかった。"cheap"という単語には、単に「安価な」という意味のほかに、「安っぽい、ちゃちな、つまらない」という意味も含まれている。それを考慮すると、"reasonable price"や"affordable price"が妥当か。(前者は「手ごろな」 といった感じが強いので、必ずしも「安い」という意味ではないかもしれない)

***

昨日のロール式の布タオルだが、こんなのを発見。(Googleヒット数は1ケタ台で少ないが)

cloth towel roll dispensers、continuous cloth towel、cloth roll towel

"towel dispensers"は結構ヒットしたが、ペーパータオル用のディスペンサーがほとんどのようだ。…我ながらくだらないことを一所懸命やっているなと思ったり。


2004年6月12日(土)

「回し者」。今日会話でふと出てきた言葉だが、英語では何というのか。

【回し者】 a spy (研究社 新英和中辞典)、undercover man (英辞郎)…なんとなく大げさな気も。

"I wasn't sent by him"(彼に頼まれて来たわけじゃない)と文章で表現した方がよさそう。


2004年6月13日(日)

子どものころから文章を書くより絵を描くことの方が好きだった。あまり本を読む方でもなかったと思う。机に向かって何かをするより、体を動かしてモノを作る方が楽しかったし、職人の仕事は自分の天職だと信じていた。でも私は今、翻訳の仕事をしている。

語学に関しては、それほど才能もセンスもないし、向いていないともさえ思う。でも、もっと上達したい、うまくなりたい、という気持ちは日に日に増してくる。悔しいからか、苦しい思いをした方が思い入れが強くなるからか。(そうか?)

***

【天職】 a calling; a vocation
どちらかというと、他人に尽くす仕事に使命感を見出した時に使う表現。特に"calling"は、「神によばれている」というところから来ているので、宗教的な意味合いが強い。

I'm born to be a writer.
みたいに、「作家(例)になるべくして生まれてきた」といった方が、私たちが普段使っている表現に近い。(本来の天職という言葉とは少しずれているものかもしれないけれど)


2004年6月18日(金)

来週TOEICの試験がある。でも今更試験勉強といっても…もう時間がない。なんでいつもこうなのか。だから、あまり点数がUPしないのか(前回も5点しかUPできず)。

すごい人の話を聞いた。TOEICを初めて受けた時の点数はなんと100点。でも猛勉強をした結果、2、3年後には900点台に到達したそうだ…ものすごい努力をしたのだろう。尊敬する。その心意気、見習わなければならない。

…でもとりあえず、点数が落ちたら今回の試験はなかったことに。

***

【なかったことにする】 Just pretend it did't happen; Put it behind...Nevermind. JUST FORGET IT.


2004年6月19日(土)

「売上が目標値を上回る」

簡単そうなところでいつも躓く。最初に思いついたexceedは、「超えてはいけない基準値を超える」というニュアンスがある気がして、使うかどうか悩んでいた。売上は「計画より良い」という肯定的な結果なので、この言葉は適切かどうか…。以前言われた「ポジティブ志向」を気にしすぎか。

もちろん、exceedを使った用例はたくさん出てきたし、辞書にも、普通に「ある量や数値を超える」という意味の説明もあった。でも結局surpassにした(もっとも、これも「2つのものを比較してどっちかが優れている」というような意味合いがあるが)。そうしたら、「exceedでいいよ」とあっさり言われた。

ですよね。はい。


2004年6月20日(日)

ボランティア翻訳をやっている。何かの役に立ちたいという立派な理由からではなく、経験になるからと思って始めた。数ヶ月に一度、30〜40ページのレポート(定型文が多い)を翻訳するだけなのでそれほど分量はないが、違った側面から翻訳を学ぶことも視野を広げるには役立つかなと思っている。

レポートは、世界各地の貧困地域の子どもたちの成長記録と地域活動の報告。子どもたちがどんな環境でどんな風に生活しているのかということが分かる。ただ、実際現地でボランティア活動をしている訳ではないので、表面的な知識ではあるが。

翻訳(特に産業翻訳)は、本当は専門分野を絞った方が良いみたいなのだけれど…。あちこちにおもしろそうと感じるものがあると、とりあえずやってみなければ気が済まないところがある。回り道をしている気もするが、それもそれで経験として蓄積されていくのだからかえって良かったのかもしれない、と最近考えるようにしている。

***

【とりあえずやってみる】 just try; just have a go at


2004年6月21日(月)

今日のよじげんノートの話題から。 【器が大きい人】 a person of high calibre/caliber...辞書ではそうなっているが、いまいちピンとこない。

calibreという言葉自体は、才能、度量、能力といった意味。「器」という意味にもよるが、ここはもう少しココロのことを強調して、こんな感じはどうか。

A person with a warm/kind heart.
A person with generosity.


2004年6月22日(火)

昨日の「器が大きい人」、最後の表現はちょっとくずしすぎたかもしれない。「大きさ」が表現しきれてなかった、ということで再挑戦。もっとも、

A person with a BIG heart.
といっても、何となくノリで通じそうな感じはあるが。(え、これで解決?)

***

【何となくノリで(〜をした)】 Just felt like it, somehow.
【ノリで通じる/理解する】 (make someone) understand by the feeling of it


2004年6月24日(木)

在宅仕事中(派遣とは別の翻訳の仕事)、電気代をケチってエアコンを使わず我慢していたのだが、やっぱり暑さにやられた。体がすっかりヒヨワな現代人になってしまっている。風邪はほとんどひかないのだが、ピンポイントで不調になる(肩とか腰とか胃腸とか)。健康なんだか不健康なんだか。

翻訳という仕事柄、会社にいてもあまり人と話さない。周りがみな黙々と作業に勤しむ翻訳会社のときはあまり感じなかったが、電話の音や会話が飛び交っている普通の会社では、結構浮いてることに気づく。今の部署はとても明るいので、余計そうなのかもしれない。ああでもクーラーがあるからいいや。

***

【やっぱり】
The heat got to me just as I suspected. (やっぱり暑さにやられた)
I thought so./I knew it. (やっぱりね)


2004年7月1日(木)

"championing customers"ってどういう意味?と聞かれた。カスタマーをチャンピオンにする?!(意味不明)…では終われないので、調べる。そんな単語あるのかなと思い、最初にGoogleで何気に調べたら……

championing… 171,000件

たくさんあった。championという単語には「擁護する、支持する」という意味もあるそうだ。でも、お客様を擁護・支持するといってもピンとこない。結局、「お客様がよりよいサービスを受けられるような環境作りをサポートする(ゆえにお客様の立場を守る)」といったような意味らしいということに落ち着いた。「お客様は神様です」という精神が一番近いみたいだ。

…じゃあ、ある意味「カスタマーをチャンピオンにする」って合ってない?


2004年7月6日(火)

前に"double digits"で落ち着いたハズの「2桁」だが、今日うっかり"double figures"で提出してしまったら、社内の米国人スタッフは"double digit"の方をよく使うと教えてもらった。ということは、アメリカではそちらの表現の方が多いのだろうか。(それとも、社内特有?)次回から気をつけるということで。ああ今日も暑くて頭が働かない…。

***

【暑くて頭が働かない】
It's too hot to think./My brain is not working because it's too hot.

色々検索していたら面白い表現を見つけた。

too hot to think day
直訳は「考えるには暑すぎる日」だが、「思考不可日」みたいなサクッとした感じ?ちょっと気に入った。


2004年7月12日(月)

nonnegotiable rule

以前訳された資料では、「譲ることのできないルール」となっていた。間違ってはいないが…。外交・貿易交渉の話とかであればいいのかな思ったが、社内用語の説明だったので気になった。譲ることができない→変えることができない→不動なもの→絶対的なもの、と強引に判断して、「絶対的なルール」とかでいいんじゃないかなぁ…と思った。

日本語のオンライン類語辞典というものがある。それで「絶対的」と入力したら色々でてきたのだが、その中にこんなものを発見。

「ネバーモア」……意味が分からん。

***

【ゆずれない】
I can't give in./I am not giving in. (認めない、認められない)
I haven't given up yet. (まだあきらめていない)←譲れない、とはちょっと違うけれど…。


2004年7月19日(月)

furnace room

燃焼室…というよりビルの中の話だったので、ボイラー室のことだと思う。ボイラーは、水を加熱して温水や蒸気を作る装置。お風呂の温水を作ったり、暖房用の蒸気を作ったりするもの。燃料はガスのもの、電気のものなどがあり、大きさも様々。日本の家庭ではあまりなじみのないボイラーだが、欧米(少なくとも英国)では通常、一般家庭でも大きなタンクを備えた「ボイラー室」がある。

暑いのにボイラーの話なぞしてますます暑くなった…


2004年8月4日(水)

sticker shock

値札ショック、または高値ショックというらしい。値札表示価格をみて驚愕することである。
そう、誰しも経験のある……

「いいな〜この服。いくらだろう?」(さりげなく値札をちらっと見る)

( ̄□ ̄;)!!

まさに言葉通り。こういう言葉があること自体にちょっとした感動すら覚えた。


2004年8月5日(木)

"mind, body and spirit (soul)"

普段は「身体と精神」または「体と心」と対で語られることが多い気がするが、英語では上の3点セットが良く出てくる。bodyは体。では、mindとspiritは。頭で考えるところ、知性・思考の部分がmind、すなわち心(精神?)、命を表したのがspirit、つまり魂。

プレゼン資料で不意に出てきて、本日小一時間は頭を悩ませていたフレーズである。続きは明日。


2004年8月6日(金)

検索サイトで「心」、「精神」、「魂」等々で調べても、何やら小難しい話ばかりで、ますます訳が分からなくなった。

昨日は心と精神がごっちゃになっていたが、「考えることのできる(コントロール)」できる部分は思考(心)、一方、その人そのものを象徴するもので形のない部分を精神(魂)とした。人によって解釈は違うし、また、これらの用語がかなりあいまいに使われているのも事実なので、結局自分なりに考えて無理やりまとめてみる。

mind, body and spirit = 体+思考(心)+精神(魂)


2004年8月9日(月)

ねぎ塩ポークリブ、牛鉄鍋膳、冷やし半熟卵うどん……これを英語にしろと。

"Pork Ribs with Leek and Salt", "Beef in Iron-pan with Rice", "Cool Udon Noodle with Half-boiled Egg"

かなり強引(「冷やし」は"Cold"の方が良かったかも)。本当に産業翻訳をやっているのかと怪しまれそうだが、事実こんなのが出て来るのだから仕方ない。


2004年8月10日(火)

「おりでん」。社内用語なのか、どこのオフィスでも良く使われているのか。いくつかの会社を見てきたが初めて聞いた。もちろん「折り返しお電話」の略である。用例:「おりでんいたしましょうか?」など・・・

日本語ってつくづく便利な言語だなあと思った。

***

【つくづく〜と思う】 really feel that; deeply feel that(深く); keenly feel(熱心に)


2004年8月13日(金)

Figure A is directionally higher than Figure B.

directionallyは「方向(指向)的に」。直訳風に上の文にあてはめると、「数値Aは数値Bより方向(指向)的に高い」となる。???directionallyを使った単語には、"directionally challenged" (方向音痴="no sense of direction")や"bi-directionally"(双方向で)などがあるが、これらは言葉通り「方向」に関することを説明している。

ググってみて、ヒントになりそうなフレーズを発見。

"X exhibit significantly greater purchase than Y and directionally higher purchasing than Z. (19% vs.10% vs.15%)."
X、Y、Zの購買率がそれぞれ19%、10%、15%。X(19%)はY(10%)に比べて"significantly higher"、X(19%)はZ(15%)に比べて"directionally higher"であるという。つまり、significantlyより弱い程度を表す言葉ということになる。

そこで、「数値Aは数値Bより『若干』高い」ということにした。


2004年8月18日(水)

cheapの禁止や「ポジティブ志向」からいい加減覚えなければならないのだが。

「業績は低調だった」というフレーズに、"Performance was poor"なんというダイレクトな表現を使ってしまった。ネガティブ要素はなるべくオブラートに包まなければいけないのに。

結局、"Performance was unfavorable"に訂正させられた。


2004年9月10日(水)

「一円単位での価格設定(x円〜y円)」

ああ何かまたムズムズするフレーズ。「一円単位」がどうしてもうまく表現できず、苦肉の策にでる。

"Any price between x yen and y yen."

x円とy円の間であればいくらでも良いということで。相変わらず力技ですな。


2004年9月21日(火)

Intelligence Ignorance- Intellectual relief as a signal of intelligence

はい、また来ましたよ、プレゼンテーション資料。知識の欠如?知的娯楽?ひと目で直訳はムリ、と思った。

現代人の心理について分析している資料で、この部分では、現代は情報社会だということを説明している。調査結果は、『現代人は、今の情報社会にうんざりしていて、たまにテレビもラジオも消して静かに暮らしたいと考える時がある』という現代人の心理を明らかにしている。つまり、「情報が多すぎる」→「もう知識を得たくない」→「情報の拒否」という流れがある。

そこで、思い切って意訳してみた。「情報社会―情報が氾濫する生活から逃避したい」

字幕翻訳はやったことがないのだが、何となく感覚的には似ているかも…と思ったりした。


2004年9月22日(水)

99ers

どっかのスポーツチーム?とか思ったり。いやいや、価格設定の話だったので、おそらく「99円戦略」みたいなものだろう。(99円、999円みたいな)しかし、正式な名称は何というのか…

…見つけた。
「端数価格」:安さを訴求するときなどに使われる価格で、100円・1000円ではなく99円・999円などの端数の価格の事。(流通・サービス役立ち情報


2004年11月15日(月)

プロモーション前の事前告知CMって"teaser advertising"って言うんですか。そうですか。今までずっと、"advance announcement"にしていたましたが、何か。

teaserといえば「難問」か「からかう人」しか思い浮かばなかったが、れっきとした広告用語だそうだ。自らの無知さ加減にまたもやヘコんだ。

ヘコんだところに、翻訳コンテストの結果が帰ってきた。5月のD(ノンフィクション)から始まり、6月のB(ビジネス)、7月のA(フィクション)と徐々に上達してきたのだが……今回はC(フィクション)。このコンテストは、同一分野で1年以内にAを2回取るとその分野の仕事に応募する資格がもらえるシステムになっている。フィクション分野で2つ目のAを目指して気合を入れていたのだが、どうやら空回り。


2005年1月15日(土)

銀行の口座を解約する際に解約理由を書く欄があったのだが、「外貨預金の余裕が無くなったため」の「預金」と「余裕」の漢字がとっさに思い出せなくて焦った。真面目に聞こうと思った。自分の日本語能力の乏しさに改めて途方に暮れた。

***

今月の翻訳コンテストの結果:ノンフィクション「D」……_| ̄|○

改めて思った。方向が徐々にずれてきている。実務翻訳から始めたはずが、いつのまにかふらふらと文芸翻訳に気持ちが傾いてきてしまっている。(で、文芸翻訳の通信講座を受講してみたりしてしまう。)日本語能力を上げようと本をたくさん読もうとするつもりが、いつのまにかただ好きな小説を読み漁っているだけになっている。ここで原点回帰。実務翻訳に徹しなくては。


2005年3月16日(水)

「おでん」は英語で何と言う?

"vegetables, fish dumplings and various other articles of food stewed in a thin soy soup, and served hot"(研究社 新和英中辞典 第4版)

……長いよ。プレゼン資料のスペースに収まらないじゃん。"hotchpotch"(または"hot pot"?)という、野菜・ジャガイモ・肉入りの濃厚なスープ料理名を使って、"Oden (Japanese hotchpotch)"で、何となく分かってもらえるかな。


2005年3月23日(水)

電子メールを返信するときに、件名の冒頭につく"RE"。ReplyでもResponseでもなく、"with Reference to(〜に関して)"の意味で、もともと英文ビジネスレターで使われていたもの。手紙の冒頭で、"RE: Inquiry about xxx(xxxに関する問い合わせ)"等の表記で用件を示す。ところで、"re"が「〜に関して」というれっきとした単語だということを今日…初めて知った。

". . . your input and advice re all those things. . ."

何のタイプミスかと一瞬悩んでしまったが、辞書を引いてあっさり解決。まだまだ知らないことが多すぎるというかビジネスの常識を知らなさ過ぎる……


2005年4月5日(火)

久々に難解なフレーズ。"Food cues: More display and assembly, less cooking"
現代の暮らしに溶け込んだ食事スタイル…云々というタイトルの下にあったフレーズ(プレゼン資料)。

まず、"food cue"とは何ぞや?色々調べても「用語」としては見つからない。"food queue(食料を待つ行列)"のスペルミスか?現代の食事スタイルと行列の接点がイマイチ見えない。それに、陳列(display)と集合/パーツ(assembly)が料理の軽減(less cooking)にどうつながるのか。スーパーやデパートでお惣菜カウンターに並ぶ人々が思い浮かんだ。これが現代の食事スタイルということか?

どうしても分からないので一晩寝かせて翌日に再挑戦。まず、"cue"の意味を再確認:「合図、手がかり(ヒント)」―セリフのキューでおなじみの言葉だ。合図やヒントを出すということはすなわち助ける、補助するということである。忙しい現代社会で料理の手間を軽減するために、すぐに食べられるような出来合いの食品を、「パーツ」としてたくさん用意し、それを組み合わせて手軽に一回の「食事」が構成できるようにするイメージか。それならなんとなく分かる。

結局こんな訳に(暫定)。「フード・キュー(料理補助):複数の既製品を組み合わせたメニューで料理を軽減」

謎解きのような作業だ。半分手探りのような状態で取りかかり、ある程度つじつまの合うように出来れば良しという感じだ。こんなんでいいのか、という気もするが。


2005年4月15日(金)

新しい言葉(?)を2つ覚えた。

"Go-Gurt" 片手で食べられるチューブ(スティック)状のヨーグルト。「Grab & Go(移動/仕事をしながら片手で簡単に食べられる)」コンセプトを元に開発された米国の商品。パピコのヨーグルト版のようなものか。

"crackberry" 「カナダのリサーチ・イン・モーション社製の携帯用メール端末 BlackBerryの異名。ユーザーが病みつきになることからこのように呼ばれる。クラックは、コカインを精製した依存性の強い麻薬。(英辞郎 on the Webより抜粋)」 (参考サイト:Economist Japan

技術発展で生活もどんどん慌しく、忙しくなってきている。たまに、そこまでしなくてもと思ってしまうのだが……このスピードについていけないものはどんどん置いて行かれてしまいそうで怖い。


2005年5月24日(火)

今日も力業(力技?)で解決。

よくばりサイト: 広告等でよく使われる「よくばり」表現。greedyとは違うんだよな〜。
情報満載という意味を込めて、"content-rich site"でどうだ?微妙に違うな。(後日修正アリかも)

チンドン屋: もう読みのままでカッコ説明しか考えられん。
"Chindonya (street musicians with advertisements)"

「力業」を調べていたら面白いサイトを発見→踊るエンジニア 悪の技術者用語録
何か切ない……


2005年7月20日(火)

あまりに初歩的ではあるが……

"Latitude"という言葉には、緯度だけでなく、自由度・寛容度(freedom)という意味もあるそうで。改めて調べてみると、Cobuild英英辞書にも、
Latitude is freedom to choose the way in which you do something.
としっかり説明されているではないか。仕事の原稿で、「余裕度」の英訳語の頭文字が"L"と指定されていて、散々悩んだ挙句クライアントに質問してやっと解決した。まだまだ知らない言葉が多すぎる。


2005年10月3日(月)

読点が振っていない長い文章で、「A&B&C」の表現がよく出てくる。全て対等であれば問題ないが、前後にABCいずれかを修飾するフレーズがある場合など、「(A&B)&C」なのか「A&(B&C)」なのか定かでないと困る場合も出てくる。

日本語の場合、「及び」と「並びに」で連結の括りを使い分けているのだが、その使い方の厳密なルールというものをいまいち把握していなかった。大抵文脈で分かってしまうことが多いからだ。とはいえ、きちんと知っておかなければと思い、今回ようやく調べるに至った。

単独では通常「及び」を使って、上のように段階のある文章では、大きな連結に「並びに」、小さな連結に「及び」を使うとのこと。つまり、「(A&B)&C」の場合は、「(A及びB)並びにC」となる。3つ以上の段階がある場合は、一番小さな段階だけ「及び」で、その上は全て「並びに」なる。

ちなみに、「又は」と「若しくは」の場合は、「(A若しくはB)又はC」のように使う。こちらも3つ以上の段階がある場合は、一番大きな連結にだけ「又は」で、その他は全て「若しくは」を使うそうだ。


2005年11月11日(金)

だらだらと続けていた翻訳迷走記も今日で一旦終わり。実務翻訳に徹しようと決めたはずなのに、三度目の正直で(懲りずに)受講していた文芸翻訳の通信講座。今回も見事玉砕した。やはり翻訳云々の前に、日本語力が問題なのだなあ……。とりあえず、文芸翻訳はひとまずお休み。実務翻訳の仕事は続けたいので、まずはこちらで一人前になることがやはり大切なことなのだろう。また回り道をしてしまった感があるが、文芸翻訳から学んだこともたくさんある。それを今後実務翻訳の仕事に活かしていこう。


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