オルゴール赤道儀 MusicBox EQU

メイン画像
初代のオルゴール赤道儀を海外で発売してから早5年。立派に実用になる超小型写真用赤道儀であることが認知され生産累計は数百台を突破しました。50mm以下のレンズで5分露出以下ならば確実に追尾撮影ができます。普通品の2倍の6分間動く特製のオルゴールからはキラキラ星の音色が流れるので露出時間の目安にもなります。星座写真に最適なポタ赤です。
名称 MusicBox EQU(通称オルゴール赤道儀)
分類 ゼンマイ駆動の写真撮影用超小型赤道儀 北半球・南半球対応
重量 600g 寸法 72×90×143mm
動力 サンキョー製オルゴール 7分駆動の赤道儀用特注品
音楽はキラキラ星
実用駆動時間 6分 ゼンマイノブ4回転巻きあげでセットアップ
極軸設置 視界5.3度の素通し穴を極軸望遠鏡代わりに使う
高度計標準装備 方磁石使用可(製品には含まれません)
減速機構 直径160mm 歯数288枚相当の部分ウオームホイール
搭載可能重量 雲台を含めて約2kg
使用可能レンズ 広角〜標準レンズを4〜5分露出可能
定価 22,000円 → 19,800円(現在特価) 資料 取扱説明書・よくある質問を見る
ご購入のお問い合せをする

●オルゴール赤道儀の撮影法
カメラ用三脚と雲台を別途ご用意ください。オルゴール赤道儀を三脚に載せて、極軸の上にカメラ雲台を取り付けてください。雲台は構図の決めやすい自由雲台(写真の物)が適していますが、三軸のシネ雲台も便利です。B(バルブ)で長時間露出するためのリモートシャッター(レリーズとも称する)もお忘れなく。
重い赤道儀の場合は、三脚が重さで歪んで安定しますが、軽量なオルゴール赤道儀は重さで安定しにくいので、可能であれば中型以上の本格的なカメラ三脚をおすすめします。
左の写真はキヤノンのフルサイズ一眼レフカメラEOS 5Dを搭載したところです(下の方に作例を載せました)。


●素通し穴で北極星を見て極軸設置
上の端に直径6mmの穴があいていて、北極星をのぞいて極軸設置をします。写真のように離れてのぞくと精度が高くなります。穴の内側にはドーナツ型の蓄光シールがあって確認しやすくなっています。

●南半球対応/傾斜計付き
極軸上のターンテーブルを外して反対側につけることにより、南半球でも使用できます。傾斜計は北極星の見えない場所やのぞき穴(素通し極望とも称す)をのぞく前のおおまかな設置にも役立ちます。


●高精度で追尾する仕組み
写真用赤道儀で大切なのは正確に回転するモーターですが、もっと大切なのはギヤの精度です。直径の大きいウォームホイールほど追尾精度が向上します。オルゴール赤道儀は直径160mm歯数288枚もの大きなウォームホイールから切り出した歯数6枚の部分ウォームホイールを採用し、ギヤ自体は驚くほどの高精度を実現しています。
ギヤの精度が高くても駆動はオルゴールですから、ゼンマイを巻き上げた直後の30秒間はやや速く回り約7分後に停止します。巻き上げ後に1分間待つことによって、その後の5分間は必要十分な一定速度を維持します。パワーは充分強力なので、極軸まわりのバランスが崩れても力強く追尾します。


●プロも実用するオルゴール赤道儀
『天文ガイド』や『Sky&Telescope』誌など、世界中の天文雑誌で活躍され、多くの単行本も執筆されている台湾のプロ天体写真家、陳 培方(通称PK-chen)さんは、新旧2台のMusicBox EQをご愛用です。最近は執筆のための星座の撮影用にはオルゴール赤道儀しか使わなくなったそうです。

陳さんの活動を紹介した台湾のTV番組をご紹介します。画像をクリックするとTV番組の動画を見られます。後半の方にMusicBox EQを2台並べた撮影風景が放映されています。



アクセサリー

●ナンチャッテ正立極望
ケンコー製の単眼鏡を利用した正立像で使いやすい安価な極望です。明視野照明付きと無しのものがあります。詳細は「ナンチャッテ機材」のページをご覧ください。

●ナンチャッテ小フォ [ク
縦構図にしたい場合や多くのポータブル赤道儀で向けにくい正中した天頂〜極付近を撮影するための小さなフォーク式マウントです。詳細は「ナンチャッテ機材」のページをご覧ください。



オルゴール赤道儀の作例

●50mmレンズによるオリオン座
冒頭のセットで撮影したオリオン座です。オルゴール赤道儀は決して頑丈ではないので、シャッターを切る前にレンズの前に掌(てのひら)や帽子をかざして遮光してからシャッターを切り、シャッターの振動が止まってから掌や帽子を取り去ってください。こうした慎重な撮影は他の赤道儀でも大切なことです。撮影になれているベテランの人ほど「オルゴール赤道儀は撮影失敗がない」と高評価をしてくださいます。

35mm判フルサイズのデジタル一眼レフカメラ 50mm F2.8レンズ IS0400 露出3分 MusicBox EQUで追尾撮影 ※ボカしフィルター使用で輝星を大きく写しています。

●コンポジット(加算平均)について
パソコンの画像処理ソフトで画像を半透明にして重ね、とくにバックのノイズを軽減する手法が「コンポジット」です。例えばISO3200で撮影したノイズの多い画像を4枚重ねるとISO800で撮影した程度のスッキリした画像を得ることができます。
しかし、広角や標準レンズの星座写真ではコンポジットはしないことをお勧めします。ISO400〜800程度に抑えて、1枚でも質の良いスッキリした美しい画像を得ることが基本です。
コンポジットは追尾性能が悪い赤道儀の救済法としても用いられます。ISO感度を高くして短時間露出で(追尾エラーの出る前に)終了し、あまり美しくない画像を何枚も重ねてノイズを軽減するのです。
また、光害の多い場所での撮影や、少しでも「淡い部分をあぶり出す」ために数十枚以上も重ねることもあります。そうした撮影には連続撮影が得意な電動のPanHead EQ PH-1をお勧めします。


●魚眼レンズによるニュージーランドの星空
このような写真がオルゴール赤道儀MusicBox EQUのもっとも得意とするところです。右の方に大小マゼラン星雲、上の方に石炭袋(コールサック)と呼ばれる暗黒星雲が写っています。石炭袋の右の南十字は十字架の上の3等星と右の2等星が構図から外れて右上の外です。

APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラ 15mm F2.8フイッシュアイレンズ IS01600 露出1分 MusicBox EQUで追尾撮影 人物に向けてストロボ1発発光。


●200mmレンズによる大マゼラン星雲
昨年のオーストラリア旅行のときに、カメラバッグにオルゴール赤道儀を入れて出掛けました。オルゴール赤道儀の実際の性能は公称値よりもかなり高いので200mm F4望遠レンズを使用しました。三脚が弱くてブレたカットもありましたが良好に追尾できました。望遠レンズは決してお勧めはしませんが追尾性能の高さがわかる1カットです。

APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラ 200mm F4望遠レンズ IS01600 露出2分 MusicBox EQUで追尾撮影 2枚コンポジット。
※赤感度向上改造をしていないカメラなので、赤く写るはずのタランチュラ(毒グモ)星雲が青く写っています。



ページトップへ
Copyright (C) KISEI CO. All Rights Reserved.