BEATLES FOR SALE (mono)
ビートルズ・フォー・セール
CD:1987年2月26日 CP32-5324

LP(モノ・ステレオ)
1964年12月4日(イギリス)

1982年1月21日(モノ・日本) EAS-70133
1965年3月15日(ステレオ・日本) EAS-80553

収録曲(曲名をクリックすると詳細が表示されます)

No Reply   (Lennon-McCartney)
ノー・リプライ (2'14")

レコーディング場所
アビイロード・スタジオ

プロデューサー
ジョージ・マーティン

エンジニア
ノーマン・スミス

レコーディング日時

1964年8月11日〜10月26日
詳細は「レコーディング日記」を
参照してください。

参加ミュージシャン
ジョージ・マーティン
(No Reply, Baby's In Black, 
Rock And Roll music, Kansas City, 
What you're Doingにピアノ)

アウト・テイク

「Leave My Kitten Alone」
8月14日録音

「I'm A Loser」
「Baby's In Black」

8月14日ラフ・モノ・リミックス1
「Eight Day's A Week」
10月12日モノ・リミックス1

「No Reply」
10月16日モノ・リミックス1か2のどれか

不明ながら・・・
「Always And Only」ポールの作品
「You'll Know What To Do」ジョージの作品

I'm A Loser  (Lennon-McCartney)
アイム・ア・ルーザー (2'30")
Baby's In Black (Lennon-McCartney)
ベイビーズ・イン・ブラック (2'04")
Rock And Roll Music (C. Berry)
ロック・アンド・ロール・ミュージック (2'30")
I'll Follow The Sun  (Lennon-McCartney)
アイル・フォロー・ザ・サン (1'47")
Mr. Moonlight  (R.L. Johnson)
ミスター・ムーンライト (2'33")
Kansas City - Hey, Hey, Hey, Hey
(J.Leiber-M.Stoller / R.Penniman)

カンサス・シティ〜ヘイ・ヘイ・ヘイ・ヘイ (2'31")
Eight Days A Week  (Lennon-McCartney)
エイト・デイズ・ア・ウィーク (2'42")
Words Of Love (B.Holly)
ワーズ・オブ・ラヴ (2'12")
10 Honey Don't  (C.Perkins)
ハニー・ドント (2'55")
11 Every Little Thing (Lennon-McCartney)
エヴリー・リトル・シング (2'01")
12 I Don't Want To Spoil The Party (Lennon-McCartney)
パーティはそのままに (2'32")
13 What You're Doing (Lennon-McCartney)
ホワット・ユー・アー・ドゥーイング (2'31")
14 Everybody's Trying To Be My Baby  (C.Perkins)
みんないい娘 (2'23")

アルバム製作に至るまで
 ブライアン・エプスタイン(マネージャー)とジョージ・マーティン(プロデューサー)の計画で年に2枚のアルバムと4枚のシングルをリリースすることになっており、それをまっとうするために、前作のリリースから1ヶ月後からツアーの合間にレコーディング作業を行った。 とても過酷な過密なスケジュールの中でこのアルバムは製作されることになる。 なんとか12月のクリスマス・セールに間に合うように・・・。
 8月11日に
「Baby's In Black」からレコーディングが開始され、「I'm A Loser」「Mr.Moonlight」「Leave My Kitten Alone」を録音後にアメリカ・ツアー(8月19日〜9月20日)により中断。 9月29日からレコーディング再開したが、今度はイギリス国内ツアー(10月9日〜11月10日)が始まり、それと並行しながら進められた! そのため2ヶ月ちょっとかかる。 ジョン曰く「僕たちは人の倍働いたんだ。 皆が寝ている間も僕たちは働いていたんだ」
 アルバム製作の最中に、シングル用の
「I Feel Fine」「She's A Woman」も録音。(詳しくはレコーディング日記参照)
 さらに余談で8月23日に、アメリカはロスのハリウッド・ボウルにてライヴ・レコーディングが行われている。
 

アルバム・レコーディング・曲構成など
 前作(全曲オリジナル)と違い、ファーストとセカンド・アルバムと同じ
オリジナル曲が8曲、カバー曲が6曲という構成となった。 これは前述の通り忙しすぎたせいで、才能溢れるジョンとポールでも、前作から間もない時期に多数の自作曲を作れなかったのだ。 ジョンが3曲、ポールが2曲、共作が3曲。 しかもポールの「I'll Follow The Sun」はポールが16歳の頃の作品なので、新曲としては1曲。 それだけ忙しく、曲作りもままならなかったのだろう。 もっともポールの才能が(さらに)開花するのはもう少し後・・・(リボルヴァーまで待て!)。 ちなみにポールは、大ヒット「A World Without Love(愛なき世界)」をはじめ、多くの曲を他者に提供している。

 ジョンとポールが一緒に歌うコーラス曲が
「Baby's In Black」「Eight Day's A Week」「Words Of Love」「Every Little Thing」の4曲に比べ、これまで多かったヴォーカルとコーラスの掛け合いが「Kansas City」1曲だけとなる。 また、「Rock And Roll Music」「Everybody's Trying To Be My Baby」では、ヴォーカルに深いエコーをかけている。

 詞作の面では、ボブ・ディランの影響を受けたためか、より深い内容のものになっている。(各曲紹介の要約など参照!)

 演奏面では、ジョンはギブソンJ−160Eをメインに使用している。 カバー曲などは、やはりリッケンバッカー325JGだ。 R&Rにはこのショート・スケールのギターでなきゃジョンっぽくない!? 
「I'm A Loser」ではハーモニカ・ソロも聴けるが、これ以降使用頻度は下がることになる。
 ポールはもちろんヘフナーで、
「I'm A Loser」では短いながらランニング・ベースを披露している。 また「Mr.Moonlight」ではハモンド・オルガンにて間奏を演奏。 ジョージはこれまでのカントリー・ジェントルマンは「I'm A Loser」のみで、12弦も「Words Of Love」「What You're Doing」のみ。 その代わりにグレッチのテネシアンを使い始めた! カントリー・ジェントルマンの普及型だそうで、この後しばらくメイン・ギターとなる。
 全体的に、落ち着いたというか、自信に満ちた演奏となっている。 とくにカバー曲はすばらしい!! 
「Rock And Roll Music」「Everybody's Trying To Be My Baby」はなんと、一発録音一発OKだったのだ! 「Rock And Roll Music」でのG・マーティンのピアノはもう圧巻!(あの連打は、なかなかできないぞ)



アルバム・ジャケット
 セカンド・アルバムと同じく、
ロバート・フリーマンによって撮影された。 場所はロンドンのハイド・パーク。 初冬に撮影された(ロンドンの冬は寒い!)ため、ビートルズ4人の表情もどことなく暗い。 それがオリジナル曲の歌詞とも相なって余計にそう感じる。 しかし「ビートルズ売り出し中」というタイトルにあるように、自信に満ちた表情ともとれるが・・・。 一番地味なジャケットと評されることも多いが、人気の高いジャケットでもある? 多くの雑誌や写真集などで表紙を飾ることが多いためで、管理人:小林も、このアルバム・ジャケット(もちろんLPだ!)をよく部屋に飾っていたものだ。  裏ジャケットも中の写真もロバート・フリーマンさんの作品。 中のは映画『A HARD DAY'S NIGHT』をトゥイッケンハム・フィルム・スタジオ(の映写室)で観たあとに、そのロビーで撮影されたもの。 ごちゃごちゃと人が写っているが、これは壁画だそうで、SGT.Pepper'sの(ジャケットの)アイデアの元になったとか・・・。 もう一枚は1964年2月11日ワシントン・コロシアムでのコンサートの時のものだそうだ。
 せっかくなんで下記に表ジャケ・裏ジャケと壁画編の画像。 ね!こうして見れば、アートだよねぇ。 地味とは思えないんだけど。 私は初期のアルバム・ジャケットで一番好きだ。

 
              

アルバム発売
 
1964年12月4日にイギリスにて発売。 前作「A HARD DAY'S NIGHT」を2位に落としての第1位。 予約だけで75万枚。 イギリスのチャートでは9週連続(NME)と6週連続(メロディ・メイカー)を記録。 おもしろいことに、翌年1965年4月発売のシングル「涙の乗車券」のヒットにより、チャートの1位に返り咲き、6週(NME)と3週(メロディ・メイカー)連続1位を記録! ロングランな大ヒット・アルバムとなる。

 先行して発売されたシングル「I Feel Fine」は1964年11月27日に発売され、イギリスで6週連続1位(NME、メロディ・メイカー)を記録。 アメリカでも当然1位になったが、B面の
「She's A Woman」も4位に! また「Eight Day's A Week」もシングル・カットされて1位を記録。 日本ではこのアルバムから10曲(5枚)シングル・カットされ、「Rock And Roll Music」が最も売れたそうだ。 またアメリカでは、このアルバムから2枚のアルバムを作製した。 「BEATLES'65」「BEATLES Y」の2枚だ!(収録内容については、また別途)

 これだけの大ヒットとなったこのアルバムだが、G・マーティンはこう語る。「この頃、彼らは疲れ果てていたんだ。 1963年からずっと働き詰めだったから。 成功というのは素晴しいものだが、同時にひどく疲れるものでもあるんだ。 とにかく忙しすぎた。 今思うと、この『BEATLES FOR SALE』は私にとってあまり魅力的なアルバムじゃない。それほど印象に残っていないんだ。」
 しかし、このアルバムが好きな人は多いのだ! 作り手と聴き手の差というものだろう。

ミックス違い
 モノラル盤とステレオ盤ではミックス違いはこうだ。 
「I'm A Loser」「Words Of Love」、モノラル(CD)のほうが演奏時間がわずかに長い。 「Mr.Moonlight」「Kansas City」は逆にモノラルの方が短い。  細かいところでは「I Don't Want To Spoil The Party」では、間奏前の掛け声”Woh”がモノラルではカット。 「What You're Doing」ではドラムソロ前のポールの掛け声が、モノラルではほとんど聴こえない・・・と資料にはあるがよくわからなかった。

 また8月14日に行われた
「I'm A Loser」「Baby's In Black」のモノ・リミックス1が未発表。 レコーディングされた「Leave My Kitten Alone」は『アンソロジー1』で発表されるまで公式にはお蔵入りしていた。 海○盤関係では裏のメジャー曲だったが・・・あはは。


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メッセージ


ーーーー余談ーーーー
管理人の想い出
 LIVEスナック「ゼロからのスタート」で、ほとんどの曲を演奏していることに気づいた! 自身のバンドでも5曲は演奏していた。 好きな曲が多い!「Kansas City」は私のバンドの持ち歌では欠かせない曲。

【Dr.Jinの思い入れ】
 全体的に地味な印象ですが、結構好きなアルバムです。この頃からジョンの作風が内面的な方向に向かいつつあるのが興味深いです。
ちなみにジャケットのジョージはタマネギ頭ですね。


【リチャード先生の思い出】
オリジナル曲が半分しか入ってないので,たぶん最後の方に買ったと記憶しています。ジャケ写もみんな寒くて暗そうだし(秋のイメージ?),当時はあまり好きではありませんでした。でも自分が歌うようになってからは,結構好きみたいですね。「あっ,ほとんど前曲やってる!」(管理人さんと同じく)

【Uchiyの思い出】
(未投稿)