with the beatles (mono)
ウィズ・ザ・ビートルズ
CD:1987年2月26日 CP32-5322

LP(モノ・ステレオ)
1963年11月22日(イギリス)

1982年1月21日(モノ・日本) EAS-70131
1976年6月5日(ステレオ・日本) EAS-80551

収録曲(曲名をクリックすると詳細が表示されます)

It Won't Be Long  (Lennon-McCartney)
イット・ウォント・ビー・ロング (2'11")

レコーディング場所
アビイロード・スタジオ

プロデューサー
ジョージ・マーティン

エンジニア
ノーマン・スミス

レコーディング日時

1963年7月18日〜10月23日
詳細は「レコーディング日記」を
参照してください。

参加ミュージシャン
ジョージ・マーティン
(You Really〜、Not A Second〜、
Moneyにピアノ)
(I Wanna Be Your Manに
ハモンドオルガン)

アウト・テイク

「Money」10月29日のステレオ・ミックス
「Little Child」9月30日のモノラル・ミックス
「Hold Me Tight」9月30日のモノラル・ミックス
All I've Got To Do (Lennon-McCartney)
オール・アイヴ・ゴット・トゥ・ドゥ (2'01")
All My Loving (Lennon-McCartney)
オール・マイ・ラヴィング (2'06")
Don't Bother Me (Harrison)
ドント・バザー・ミー (2'26")
Little Child  (Lennon-McCartney)
リトル・チャイルド (1'45")
Till There Was You (M. Wilson)
ティル・ゼア・ウォズ・ユー (2'14")
Please Mister Postman (Dobbin-Garreff-Garman-Brianbert)
プリーズ・ミスター・ポストマン (2'34")
Roll Over Beethoven (C. Berry)
ロール・オーバー・ベートーヴェン (2'44")
Hold Me Tight (Lennon-McCartney)
ホールド・ミー・タイト (2'29")
10 You Really Got A Hold On Me (W. Robinson)
ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー (3'00")
11 I Wanna Be Your Man (Lennon-McCartney)
アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン(1'56")
12 Devil In Her Heart (R. Drapkin)
デヴィル・イン・ハー・ハート (2'25")
13 Not A Second Time (Lennon-McCartney)
ナット・ア・セカンド・タイム (2'05")
14 Money (That's What I Want(J. Bradford-B. Gordy)
マネー (2'47")

アルバム製作に至るまで
 アルバム「PLEASE PLEASE ME」、シングル「From Me To You」の大ヒットにより、イギリス全土での人気を獲得し、そのファーストアルバムの発売から4ヶ月、チャートの1位をばく進中にもかかわらず、セカンドアルバムのレコーディングが開始される。 ブライアン・エプスタイン(マネージャー)とジョージ・マーティン(プロデューサー)の計画で年に2枚のアルバムと4枚のシングルをリリースすることになっていたためであった。
 アルバム製作に先駆け、4枚目のシングル(この年3枚目)
「She Loves You」のレコーディングを7月1日に行い、4日にモノミックス、そして8月23日にリリースする。 予約だけで50万枚、11月27日でついに初の100万枚突破した!
 そして、(ちょっと遡るが)7月18日より、セカンドアルバムのレコーディングが開始される。

アルバム・レコーディング
 
オリジナル曲が8曲、カバー曲が6曲という前作の構成は同じであるが、前作がバラードっぽい曲が多かったのに比べ、今回はR&RやR&B系の曲が多い。 そのため、納得の行くモノが出来るまで、様々な楽器を試したりしより練り上げられたサウンドに仕上げられた。 ツアーで忙しい8月はレコーディングを中断したものの、実質的には約2ヶ月もの(この当時では)長期にわたるレコーディングとなる。
 楽器が新しくなった。 
ポールは1963年型のヘフナージョージはグレッチのカントリー・ジェントルマンリンゴはラディックのブルーノート(ドラムセット)に。 ボロボロ?の楽器を使用した前作に比べて音に奥行きが出たのもこの新しい楽器にあるようだ。 ほかにガット・ギター、クラベス、ボンゴ、ハモンドオルガンなども初登場している。

 7月18日、30日の最初の2回のレコーディングでカバーの6曲を終了させているのも注目したいところ。 得意なところは早めに仕上げて、あとでオリジナルにじっくりと取り組むためか?

 ビートルズといえばダブルトラックのヴォーカルだが、このアルバムから多用されている。 そしてこのアルバムでは活躍していないが、レコーディング&ミキシング作業の終了間際に4トラックのレコーディング機材がアビーロードスタジオに導入されたことだ! その機材を使って、
「I Want To Hold Your Hand」がレコーディングされた。なので、CD「Past Masters vol.1」では、この曲からステレオで聴けるのだった。 この曲と「She Loves You」がセカンドアルバムに収録されなかったのは、「シングルはシングル、アルバムはアルバム」というそれぞれ別物として考えていたため。 ジョンが「どうでもいい曲はシングル」という発言をしているように、アルバムのほうが重要と思っていたようだ。 しかし、その「どうでもいい曲」が普通ではない曲なので大ヒットするわけで・・・。 そのため、アルバムからのシングルカットは少ない、ソロになってもしばらくは続く。

曲構成など
 曲構成からみると、カウントで始まった前作「I Saw Her Standing There」に対し、ヴォーカルで始まる「It Won't Be Long」は同様にインパクトのある第1曲目だ! 次回作でも”ジャ〜ン!”と始まる「A Hard Day's Night」、同じくヴォーカルで始まる”BEATLES FOR SALE”の
「No Reply」、"HELP!"の「Help!」など第1曲目には衝撃的な始まりの曲を配置している。 またアルバムの終わりにも気を配っており、今回も前作と同様にジョンの切れ味鋭いヴォーカルが聴ける「Money」で締めている。 しかも「Twist And Shout」「Money」は、オリジナルがフェイドアウトして終わっているのに、きちんと最後まで演奏し、アルバムを締めている。

 ヴォーカルではジョンが6曲、ポールが3曲、ジョージが3曲、リンゴが1曲、ジョンとジョージで1曲。 オリジナルで見ると、ジョンが
「It Won't Be Long」「All I've Got To Do」「Not A Second Time」の3曲、ポールが「All My Loving」「Hold Me Tight」の2曲、ジョージが「Don't Bother Me」の1曲、ジョンとポールの共作は「Little Child」「I Wanna Be Your Man」の2曲。 「Hold Me Tight」が前回からのリメイクなので、ポール単独の新曲は「All My Loving」1曲だけとなる。 こうして見てみると、やはりジョンがこの時期はバンドを牽引していると思える。

 ちなみにモノによっては邦題タイトルがついている曲がある。
「Roll Over Beethoven」→ ベートーベンをぶっとばせ
「I Wanna Be Your Man」→ 彼氏になりたい

 忘れてはならないのが演奏面。 
「All My Loving」でのポールのランニング・ベース、ジョンの3連符、ジョージのおなじみチェットアトキンス奏法。 「Little Child」でのジョンのハーモニカ・ソロ

アルバム・ジャケット
 
ロバート・フリーマン(フリーの写真家)によって、ツアー中ホテルの食堂で撮影された。 白黒写真のアイデアはフリーマンのもので、ビートルズがこれを気に入った。 しかし、当時のアイドルのジャケットが白黒など考えもしなかったことなので、当然、EMIは拒否したが、BエプスタインとGマーティンの強い主張により折れた。 「ハーフシャドウ」のアイデアはドイツのハンブルグ時代の友人である、アストリッド・キルヒャー(スチュアート・サトクリフの婚約者)のもの。

 この強烈な印象を与えるジャケットは、アメリカと日本でのデビューアルバム
「MEET THE BEATLES」でも使用されている。

 アルバムタイトルの
「With The Beatles(ビートルズとともに)の由来は、ファンとともに歩いて(成長して)いこうという意思表示だと言われている。

セカンド・アルバム発売
 
1963年11月22日にイギリスにて発売された。 モノラル盤・ステレオ盤同時。 前作「Please Please Me」を2位に落としての第1位、しかも初登場で。 予約だけで30万枚、翌年(1965年)9月になって100万枚を記録している。 このミリオンセラーはイギリスのミュージシャンでは初だったそうだ。 (この時代の音楽は完全にアメリカがリードしていた)

 アメリカでは「1枚のアルバムから数枚のアルバムを作る!」という技?により、 キャピトルから
「MEET THE BEATLES」「THE BEATLES' SECOND ALBUM」の2枚に分けて発売された。 日本では収録曲は違うが「MEET THE BEATLES」「THE BEATLES' SECOND ALBUM」「BEATLES No.5」の3枚に分けて発売された。 1966年5月30日発売の来日記念「ステレオ!これがビートルズ vol.2」は収録曲同じで曲順が違う。

 ちなみに11月29日にシングル
「I Want To Hold Your Hand」が発売された。 返り咲き1位の「She Loves You」を2位に落としての1位で、シングルチャート、アルバムチャートで1位と2位を独占することになる。 そしてこの曲をきっかけに世界のビートルズとなっていくのであった!

ミックス違い
 モノラル盤とステレオ盤ではミックス違いがある。 演奏が左、ヴォーカルが右というのは前作と同様だが、
「Money」は違う。 10月30日にステレオミックスをやり直ししているため、演奏は左、ピアノは右、ヴォーカルと手拍子が中央となっている。 ヴォーカルもディレイ処理されていないので聞きやすいし、イントロにギターがあるせいか、迫力がある。 断然、この曲はステレオテイクだ! また、リリースされたステレオテイクは第7テイクからのミックス(10月30日)だが、前日(10月29日)にミックスされたものはモノラルと同様に第6テイクと第7テイクを編集したものをミックスしたものもあった。 

 
「Little Child」のモノラルではエンディングのジョンのヴォーカルが消されている。 モノラルは第15テイクと第29テイクの編集したミックス(10月23日)だが、ステレオは第21テイクのみのミックスのため。 またモノラルミックスでは、第15テイクと第18テイクを編集したミックス(9月30日)があるが、公に(笑)リリースされていない。

 
「Hold Me Tight」ではポールの低音部の二重唱があまり聴こえないなどこまかいのがある。 (他にもエンディングの長さやフェイドアウトの早い遅いなど)

 
「You Really Got A Hold On Me」「Devil In Her Heart」のステレオテイクだと、右チャンネルの前奏にギターやドラムが収録されているので、広がりを感じる。 この2曲もステレオテイクのほうが優る、と思う。
 また、現在公式にリリースしていないテイクがある。 以前「THE BEATLES BOX」などに収録されていた
「All My Loving」はリンゴがハイハットでカウントをとって始まるものがある。 どこかしらの海賊版で入手できると思う(調査中)。

クレジットについて
 オリジナル曲のクレジットがアルバム製作に先駆け発売された4枚目のシングル
「She Loves You」から「Lennon - McCartney」になっている! 


アンケートにお答えください!「WITH THE BEATLES]について!

 あなたの好きな3曲を教えてください!

メッセージ


ーーーー余談ーーーー
管理人の想い出
 子供の頃の記憶で、日本で初めて黒い色の風船ガムが発売されたときのCMが、このセカンドアルバムのハーフシャドウを模したものだった。 たしかそっくりサンを同じ配置にして、四人がゆっくりと黒いガムを膨らませるものだ。 ビートルズを知る以前の話だったけど強烈に覚えている。 なぜか音楽は「Please Please Me」だった。
 また若い頃に自暴自棄になっていたけれど
「All My Loving」を聴いていたら、「死んじまったらこの名曲も聴けなくなるんだ」と思い、精一杯長生きしてビートルズを聴くことを決心した!(爆)

【Dr.Jinの思い入れ】
ジャケット写真がかっこいいです。昔、部屋を暗くして片側から蛍光スタンドの
光を当てて自分の顔写真を撮ったことがありますが、心霊写真になりました。


【リチャード先生の思い出】
これもオリジナル曲が半分しか入っていなかったので,たぶん1番最後に買ったと思います。でも1曲目の歌い出しでいきなりノック・アウト!あとはもう,何百回聞いたか数え切れません。もちろん,黒のタートルネックのセーターを着てみた時もニッコニコ!

【Uchiyの思い出】
(未投稿)