夢枕 獏 代表作(私撰)
10. キマイラ独覚編
久鬼玄造邸で傷を負った大鳳吼は、キマイラ化したまま、円空山で深い眠りに落ちていた。 八ヶ岳に移された久鬼同様、そのまま獣と化すか、人にもどれるかの、ぎりぎりの段階までキマイラ化は進んでいる。 雲斎の要請で、道潅と九十九は高野山に登った。 吐月に会い、雪蓮の民の行方を知るためである。 ソーマでキマイラ化を抑える方法を知ろうとする、雲斎の必死の試みだった。