第[3]プロジェクトルーム
DREAM

 

夢枕 獏 代表作(私撰) 
 

 

キマイラ・吼 シリーズ
ソノラマ文庫

8. キマイラ鳳凰編

大鳳吼が小田原に現れ、深雪の前に姿を見せた。
ひっそりと、夜の闇に紛れるように西海地通りを歩んだ大鳳は、部屋の窓越しに、痛ましいほど哀しい瞳を深雪に向けたのだった。目出帽をとり、獣の顔をさらすことで深雪に別れを告げた大鳳が去った後には、一輪の薄紫色の花が残されていた。
久鬼に与えられたソーマを、大鳳は深雪を通じて雲斎に託したのだ。
そして、その大鳳の行方を探す人々の間にも、幾つかの重大な転機が訪れていた。
久鬼は亜室父娘から離れて大鳳のもとに赴こうとし、その亜室父娘の所には中国からキマイラの鍵を握る"狂仏"と呼ばれる謎の人物が訪れていた。
そして大鳳を探すもう一人の人物・巫炎は、雲斎に迫られて、恐るべき事実を口にしていた。

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