ラウドネス運用基準

(テレビ放送の音量に関する基準)

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従来のアナログテレビ放送では、番組やCMなど納品された素材の音量にばらつきがあっても、放送に関する技術的な理由から、放送局側である程度の範囲に収められていたが、それでも番組本編に対しCMの音が大き過ぎるなど、以前から問題になっていた。

デジタル放送に一本化されると、納品素材そのままを放送出来るようになる事から、それまで以上に「音量を競い合う」状況が予想された為、基準が定められた。

基準の対象は番組本編とCMであり、音楽などには無関係だが、番組内での楽曲使用があり得る場合は考慮しておく必要がある。

日本でのラウドネス運用基準(要点)

  1. 番組全体の平均ラウドネス値-24LKFS(±1)に収まる事。

  2. 「創造的な制作要求が最優先される番組」の場合は値を下回っても良いとあるので、実質的には-24LKFSを上限、-28LKFSを下限と考える。

  3. LKFS(Loudness K-weight Full Scale)、LUFS(U=Unit)も同じ。

  4. ラウドネス = 人が感じる音の大きさ。平均ラウドネス値は、ラウドネス(sone)、ラウドネスレベル(phone)などを基に、制作現場に適した値として制定された。

  5. 日本とアメリカが共に-24LKFSだが、アメリカは許容範囲が(±2)

  6. ヨーロッパの基準は-23LUFS

DAWソフトで、ラウドネス運用基準に合わせて制作する例(Logic Pro X)

  1. ミキサーの全体出力チャンネルにラウドネスメーターのプラグインをインサート

  2. ラウドネスメーターの直前に音量調整プラグインをインサート

  3. 先頭から最後まで再生して平均ラウドネス値を測定

  4. 測定結果と基準値との差を音量調整プラグイン(dB値)で増減

  5. (例:結果が-20LKFSで、-24LKFSに合わせるなら、-4dB)

音量調整プラグイン

ラウドネスメーターのあるプラグイン

再測定の前にはリセット↑

平均ラウドネス値

I = Integrated

基準値を考慮しながら制作する際に

目安とするライン(位置調整可能)

Logic Pro X では初期状態で

-23LUFS になっているので注意!

*たぶん開発チームの中心がドイツ人だから