WORLD GEAR BLUES TOUR

99.4.23/岐阜モダンカフェクラブ
(寄稿:スマシガオ様 ありがとうございました!)

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<ミッシェルツアー’99 岐阜モダンカフェクラブ2日目>

◆ 岐阜といえば、モダンカフェクラブ。ここは岐阜駅からバスで30分くらいかかってしまうような、いわゆる「辺鄙な」場所にぽつねんと建っている。隣の畑にはれんげ草が咲きまくっていた。そしてその外観は、なんとゆーかまるでカラオケBOX・・・本当にここなの?予想外のインパクトにしばしア然。しかし何事も見た目だけで判断してはいけない。このハコは実は隠れた名所として有名なのだ。誰に?私の周辺に。とりあえずパンク好きの多い街。何かが起きそうっつーか、何が起きても不思議じゃあない。


◆ そんなわけで2daysの2日目。1日目は「ここは世界一アツいライブハウスだと思ってます」とキュウちゃんが言ってしまうほど、やっぱりアツかった。特にアベ前は史上最大の混雑っぷり。爆死。今日はコウジくん前で見るもーんと、赤FUCK-Tシャツに気合いを入れつつ入場。友が待っている場所へ向かうと・・・マジに目の前じゃん。チバ・キュウ・コウジがまんべんなく見える位置で、しかも最前列。この状況でレポ書かざるは国文科の恥!とばかりに、再度気合いを入れなおす。セットリストもガッツリ見えたので、頭に叩きこむように見まくる。私は事前に曲がわかっても、別にテンション下がることはない。それより体力の配分ができるので、逆にありがたいぐらいだ。いつも通りバカ話をしてるいちに19時。パンクな夜の幕が開く。

◆ 何が特徴的って、まずその入り。ここにはいわゆる舞台袖というものはない。じゃあ一体どうやって入場してくるのか?答えは上から。体育館のような造りになっていて、壁に通路が取り付けられている。そこをスタスタ来るのである(楽屋も2階)。お披露目〜といった様子でキュウ→コウジ→アベ→チバの順に登場。カッコいいー、つーかおもしろいー。キュウちゃん黒スーツ、コウジくんシルバーラメスーツ、アベくん紺スーツ、チバはマフィア仕様の白スーツ。早くも大モッシュ。ただならぬ予感。4人は楽器をスタンバイし、「荒野の1ドル銀貨」が止むのを待っている。会場中の気合いを確認するように。

◆ キュウちゃんの4カウントで1曲目「ウエスト・キャバレー・ドライブ」。おおー、まるでサイコブルーズツアーのよう。聴くのは横アリ以来だなぁ。そうこうしてるうちに「ヌルー・デビル・ジャム」「アッシュ」「スモーキン・ビリー」と立て続け。ビリーをこんな位置に持ってくるなんて反則だ〜。場内早くもエラいことになっている。そういえばチバのあご髭、いつまで伸ばすつもりなの?まぁいいけど。『ハローロッカーズ!ハローパンクス!』名物チバMC。いつも通りオチがなく、思わず『で?』と言ってしまう自分が悲しい。したらいきなりアベくん、『ぐだぐだ騒ぐな、うるせー』とマイクを通して言うではないか!しかもはっきりと。引くような客は1人もおらず、むしろ発狂寸前のアベ前。

◆ 『イヌミチを行くぜ!』とそのまーんまやないかなMCから「ドッグ・ウェイ」。横ノリ系の曲だとコウジくん、まるでスキップみたいなステップを踏む。かわいーよー。キュウちゃんとはバシバシ目が合うんだけど、その時すかさず見てしまうのがあのペンダント。デカいよー。続いて新曲「ヤングジャガー」。個人的には新曲の中では一番好き。スピーカーやフリー・デビル・ジャムの流れをくむ、ヤンキーギター系名曲。暴走族もこういう曲かけながら流すとカッコいいのに。「ゲット・アップ・ルーシー」は、1日目の間奏はCDバージョンで弾いていたが、2日目はいつもの即興っぽいのになっていた。即興を『いつもの』って言うのもなんだけど。ルーシーはキュウちゃんを見ると決めているので、今回もたっぷり観察。間奏のアベソロ後のシンバルの音にロックを感じる。チバがハープを取って「ソウル・ワープ」。また歌詞を間違えてた・・・気がする。チバがよく間違う曲はバードメンと相場が決まってるのだが、この曲も加わってしまうのか?

◆ ブレイクタイム。各々スーツを脱ぐ。チバのタイはWWL!の白タイだったんだけど、汗で湿って結び目が固くなっちゃったらしい。それをまた几帳面にほどくチバ。A型気質まるだしやのぉ。コウジくんはタバコに火をつけプカーッ。シャツのボタンに手をかけピラピラ〜。最近このコウジストリップショウがお約束になっている。何でそこまで自信たっぷりなんだコウジくん。こっちも図に乗って『もっと脱げー!』とか言っちゃうじゃん。お肌ツルツルね。キュウちゃんがおもむろに袖をまくりながらMC。『柳ヶ瀬水族館って看板があって・・・』導かれるように、その看板の示す地下道へ入っていくと、『そこにシラスみたいなセコい魚が・・・何だありゃ?そういう水槽が10コぐらいあった』。それを水族館と呼んでしまう岐阜人のセンスに脱帽したらしい。新しい名所の誕生か?

◆ そんなMCでユルくなった場内を一気に引きつける、新曲「モナリザ」。今までのミッシェルにはないゆっくりめのテンポ。でも圧倒的な緊迫感と集中力。『泥まみれの俺』まだチバは泥に埋もれているらしい。その泥こそがブルーズなのか。続いて「アウト・ブルーズ」「ボイルド・オイル」。濃い曲が続く。「VIBE ON!」はそんな濃さを吹っ飛ばす、いわばバズーカ砲。ちょっとあんた飛ばしすぎ。

◆ 『・・・カーテン』ブレイクの後で、チバが呟く。ステージを見てるつもりなのに、いつの間にか目はどこでもない場所に向いてる。涼しい風、内側が熱い。その次の新曲「ラプソディー」はふっと赤いイメージが浮かんだ。照明のせいかな?早く歌詞が知りたい。ベースアンプの前だと聴きとりづらくってねー。えっ贅沢?原曲よりイカしてる・・・だろう!「Do The Boogie」は結構みんなノーマークらしくて、決めの時に挙がるグーが少ない。何だよ〜トリビュートも買ってくれよぉ。ミッシェル以外もカッコいいんだから。キュウちゃんのカウントから「深く潜れ」へ。青い照明と音が重なって、本当に潜っていくよう。デカいアリーナで聴くのもよかったけど、やっぱり狭いハコの方がもっと深くまでイケる気がする。突然水しぶきがかかって、何かなっと思ったら、コウジくんの汗だった。周りも汗だくで、もう水の中だよ。全く。

◆ 4度目のブレイク。チバが『モダンカフェクラブ・・・ここはもう、庭みたいなもんだぜ』だって!!キュウちゃんがそれを聞いてニヤニヤ。くるっと後ろを向いてチバ、キュウちゃんに向かってニッカーッ。思えばこの日はやたらメンバーが楽しげだった。男の子が多かったせいもあるのかも。あちこちから野太い声が飛ぶ。『サンフランシスコに行ったことあるかゥ?』今回のツアーでのチバ決まり文句。クアトロ2日目も一緒だったじゃんよーとか思いながらイエーッと叫ぶと、『・・・今から連れて行ってやるぜ』カ・カッチョいいーーーーっっ!!!おう、連れてけ「CISCO」!それから「バードメン」に「カルチャー」。カルチャーでチバがノリノリ。ここのハコはアリーナツアーみたいに、縦にも横にも柵で仕切られてて、その間にスタッフが立ってるのね。チバはマイクスタンドを担いだまま、その柵の上に仁王立ち。場内大絶叫。ダイバーに向かって来い!というアクションを見せる。アベくんもコウジくんもキュウちゃんも叫ぶ。友はこの時、チバの足を押さえてるのに必死だったらしい。何せ危なっかしくてねー、フラついてたもん。本編ラスト「G.W.D」では、もう何が何だかわかんねーっ!とりあえずコウジくんはいつもより多く回ってました。後は覚えてなーし。

◆ アンコール1回目はキュウちゃんタンクトップ。他は・・・変化なかったと思う。アベくんの黒リストバンドが眩しいぜ。1曲目は「ブライアン・ダウン」。普通この曲をアンコールに持ってくるか?恐らくブライアン史上最多のダイバー数。つーかこの曲でダイブしてるのなんて見たことないぞ。我も我もと蠢くダイバー。う〜〜〜ひたりたいのに曲が聴けねぇ!顔面を柵に強打して舌をガブッ&鼻の下切ったし。でも鼻血が出てるか確認して、出てないとわかるやいなや手を振り上げてしまう自分って・・・。やっぱりキュウちゃんには無様な顔は見せられないっしょ。2曲目、コウジくんがライトを浴びながら「ダニー・ゴー」のイントロを弾く。大きい場所で聴くこの曲はすごい印象的だったけど、小さいハコで聴いてもやっぱりグッときた。なんか・・・PUNK!って感じ。小バコのがよりリアルに聴こえる。何にリアル?わかんないけど。とりあえずミッシェルは演奏中。コウジくんがドラム台に上がって、場内を見渡す。楽しそうに笑ってる。こっちも楽しくてうれしくて幸せで泣きそう。泣くより叫ぶ方が楽しいか。じゃあ叫んでよう。ずっと終わらなきゃいいのに。

◆ 2回目アンコール登場。キュウちゃん、通路から水をまく。確か服はキュウ→黒タンク、コウジ→黒ドクロT、アベ→黒ドクロT、チバ→白ドクロT。今日は体操のお兄さんバージョンのチバ。子供たちに泣かれそうだ。コウジくんがドクロタオルで顔をふいた後、自分の胸の前で広げてドクロを披露。うれしげ。キュウちゃんはすっごい楽しそうで、ウチらの前を通る時、下向きに手をグー。座ってからタオルを振り回してる。しかしアベくんの描写がホンットにないな。だって全然見え(見て)なかったんだもん。でも彼は彼でいろいろかましてたようだ。アベ前の声もすごいし。

◆ 『やらせてもらいます!』と宣言して、キュウちゃんがシンバルを叩く。聴いたことある、懐かしいフレーズ。まっまさか・・・!「Remember Amsterdam」!!!うぎゃあ〜〜〜ここでこれが聴けるなんてぇーーーっっ。予想外のセレクトに、もう客はイモ洗い。もしくはザルの中の豆。チバが曲間に叫ぶ『Welcome to GEAR BLUES!!』コウジくんはベースを機関銃に見たてて殺りまくり。途中で音が止むと、一瞬静かになって、すぐさま大怒号。メンバーはその声を浴びるだけ浴びて、また演奏しはじめる。この後もチバはいろいろ叫んでたけど聴きとれなかった。チバの声もただの音として鳴ってる。本当にもう、あんたらスゲーよ。

◆ 間髪入れずに「ジェニー」。もう叫ぶ踊る飛ぶ!!『ドクロ旗なびかせ〜』でチバが指をぐるぐる〜っと回す。前はスタンド振ってたのに、だんだん規模が小さいぞ。最後のイエ〜〜〜のコーラスでコウジくん、マイクをバキィッとなぎ倒し、まるでロカビリー兄さんのようなポーズ。イカすーイカすー!でも声は微妙にこぶし回ってた気がする。銀スーツとあいまって、密かに演歌。『もういっちょやらしてもらうぜ!!』大ラスは「Baby,please go home」。いやもう本当にすごいすごいすごーーーい!!!もうギターもドラムも走る走る。ダイバーもフライ&スイミング。他の客も手を振り上げ絶叫!モーレツハリケーンな2時間15分、これにて無事終了。

◆ メンバーはとにかくみんなうれしそうで、コウジくんのおじぎもいつもより深い(気がする)。チバ・アベ・コウジのピックが手裏剣のように舞う。キュウスティックも降る。ハケていく時、アベくんからTシャツを脱ぎだす。後に続く3人も脱いで、サクッと客に提供。アベくんはソフトに、キュウちゃんは激しく客とハイタッチ。でもそれじゃ飲み会のノリだよ、キュウちゃん・・・さすが体育会系。通路の上でも手を挙げて応える4人。最後にリーダーがガッツポーズしながら楽屋に消えてった。チバの『サンキューまたなー!』の声が耳に残る。

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