スコットランド東海岸の都市アバディーンとダンディーは、それぞれスコットランドで第3と第4の町である。
この二つの町の間の南部の地域はアンガスと呼ばれ、その海岸沿いにはアーブロース(Arbroath)、カーヌスティー(Carnoustie)、モントローズ(Montrose)等、
内陸部にはブレッキン(Brechin)、フォファー(Forfar) 等のいくつかの町がある。
アンガスは一つの行政区域で、議会はForfarに置かれ、最も大きな町はアーブロースである。
この町には高名なものが二つある。アーブロース・アビー(修道院)とアーブロース・スモーキーである。
アーブロース・スモーキー(すけそう鱈の燻製)は、1800年頃からこの地方でつくられているが、
2004年にArbroath Smokyの呼称はEUから地理的表示として保護の対象になっている名物である。
グレンカダム蒸溜所はブレッキン(Breckin)にある。ブレキンはアーブロースの北約17マイルにある古い町で、かって二つのモルト蒸溜所があった。
そのうちの一つ、ノース・ポート蒸溜所は1983年に閉鎖されその跡地はスーパー・マーケットになってしまっているが、
もう一つのグレンカダム蒸溜所は現在でも操業している。創立1825年の古い蒸溜所である。
蒸溜所のオーナーは何回か変わったが1957年から2000年まではバランタイン社、現ぺルノー(Pernod)が所有し操業した。
現在のオーナーはアンガス・ダンディー社である。
蒸溜所は大きな墓地に隣接しているので、ここには二つのスピリッツ(精と霊)が住むという。
半世紀以上大きな設備改造がされていない非常に古典的な蒸溜所で、年間生産能力はアルコール100%換算1,400KL、現在の基準では小さな蒸溜所である。
モルトは大半が自社や他のブレンダーでブレンド用に使われるがシングル・モルトも出されている。
グレンカダムはバランタイン17年の魔法の7柱の1つであり、
スチュワーツのメインの原酒でもあり、アンガス・ダンディー社の買収(2003年)以降の動向が気になる所である。