もう一つの仏教学・禅学
新大乗ー現代の仏教を考える会
仏教学・禅学の批判

身体の苦行ではない
(A)身体の苦行ではない
「学道用心集」
- 「心操を調うる事もっとも難し。長斎梵行もまた難からざらんや。身行を調うるの事もっとも難し。もし粉骨貴ぶべくんばこれを忍ぶ者昔従り多しといえども、得法の者これ少なし。斎行の貴ぶべくんば古従り多しといえども、悟道の者これ少なし。これ乃ち心を調うること甚だ難きが故なり。聡明を先とせず、学解を先とせず、心意識を先とせず、念想観を先とせず、向来すべてこれを用いずして身心を調えもって仏道に入るなり。釋迦老子いわく、観音流れを入して所知を亡ずと。即ちこの意なり。動静の二相了然として生ぜず、即ちこれ調なり。もし聡明博解をもって、仏道に入るべくんば神秀上座その人なり。もし庸体卑賤をもって仏道を嫌うべくんば曹渓高祖あに敢えてせんや。仏道を伝え得るの法は、聡明博解の外に在る事ここにおいて明らけし。探りて尋ぬべく、顧みて参ずべし。」(1)
(注)
- (1)「学道用心集」、「道元禅師全集」第5巻、春秋社、1989年、26頁。
- (2)同上、xx頁。
- (3)同上、xx頁。
- (4)同上、xx頁。
- (5)同上、xx頁。
- (6)同上、xx頁。
「正法眼蔵随聞記」
- 「世間の治世は、先規有道を稽(たしなみ)求むれども、猶、先達知識の、たしかに相伝したるなければ、自し、たがふる事も有也。仏子は、たしかなる、先規教文顕然也。又、相承伝来の、知識現在せり。我に思量あり、四威儀の中にをいて、一々に先規を思ひ、先達にしたがひ、修行せんに、必、道を得べき也。俗は天意に合せんと思ひ、衲子は仏意に合せんと修す。業等して、得果勝れたり。一得永得、大安楽の為に、一世幻化の身を、苦しめて、仏意に随はんは、行者の心にあるべし。
然りといえども、又、すぞろに身を苦しめ、作すべからざる事を作せと、仏教には、すすむること無き也。戒行律儀に随ひ行けば、自然に身安く、行儀も尋常に、人目も安き也。只、今案の我見の安立をすてて、一向、仏制にしたがうべき也。」(1)
(注)
- (1)「正法眼蔵随聞記」、「道元禅師全集」第7巻、春秋社、1990年、101頁。
- (3)同上、xx頁。
- (4)同上、xx頁。
- (5)同上、xx頁。
- (6)同上、xx頁。
(B)苦しくとも行ぜよ
「正法眼蔵随聞記」
- 「家を遁捨して、親族の境界を捨離すれども、我が身に苦しき事をせじと思い、病発りつべきことは、仏道なれども行ぜじと思うは、未だ身を捨てざるなり。
又、身をも惜しまず、難行苦行すれども、心仏道に入らずして、我心に違く事をば、仏道なれども、せじと思ふは、心を捨てざるなり。」(1)
- 「世人、多く、小乗根性也。善悪を弁じ、是非を分ち、是を取り、非を捨つるは、なおこれ、小乗の根性也。只、世情を捨つれば、仏道に入る也。仏道に入るには、善悪を分ち、よしと思ひ、あしと思う事を捨て、我身よからん、我心何と有ん、と思ふ心を忘れ、よくもあれ、あしくもあれ、仏祖の言語行履にしたがひ行く也。」(2)
- 「苦しく愁つべき事なりとも、−−」(3)
- 「我が心によしと思ひ、又、世人のよしと思う事、必ず(しも)よからず。しかれば、人目も忘れ、心をも捨て、只、仏教にしたがいゆくなり。身も苦しく、心もうれうとも、我が身心をば、一向に捨てたるものなればと思うて、苦しく愁えつべき事なりとも、仏祖先徳の行履ならば、なすべきなり。」(4)
- 「故に、知りたる上にも、聖教を又々見るべし、聞くべし。師の言も、聞たる上にも、聞きたる上にも、重々聞くべし、いよいよ深き心有る也。道の為にさはりと、なりぬべき事をば、かねて是に近づくべからず。善友には、くるしく、わびしくとも、近づきて行道すべき也。」(5
- 「我を離るというは、我が為に仏法を学すること無き也。只、道の為に学すべし。身心を仏法に放下しつれば、くるしく愁うれども、仏法にしたがって、行じゆく也。乞食をせば、人、是をわるしと、思はんずるなんど、是の如く思ふ程に、いかにも仏法に入り得ざる也。世情の見をすべて忘れて、只、道理に任せて学道すべき也。」(6)
- 「この事はよき事、仏道にかないたりと思うとも、なしたく行じたくとも、仏祖の心になからん事をなすべからず。これ、すなわち、法門をも、よく心得たる事にてあるなり。我が心も、又、もとより習い来たれる法門の思量をば捨てて、只、今見る処の、祖師の言語行履に、次(第)に、心を移しもてゆくなり。かくのごとくすれば、知恵もすすみ、悟りも開くるなり。」(7)
(注)
- (1)「正法眼蔵随聞記」、「道元禅師全集」第7巻、春秋社、1990年、83頁。
- (2)同上、86頁。
- (3)同上、87頁。
- (4)同上、87頁。
- (5)同上、143頁。
- (6)同上、137頁。
- (7)同上、87頁。
- (8)同上、xx頁。
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