
大乗仏教の階位
仏教の目的と階位
道元の仏道の階位
白隠の修行の階位
仏教の目的と階位
道元禅師、白隠禅師の仏道の階位が、大乗仏教の階位と似ている。仏道の途中で、「無生法忍」という言語の絶えた体験のあることを大智度論(ナーガールジュナ)および華厳経、唯識説なども言っている。
原始仏教(インド)では、解脱(証転)までをいう。
原始仏教
−−見道−−−−修道−−−−無学道
(聞法)−−示転−−−−勧転−−−−証転
*(1)
般若経典など
新発意菩薩−−−久発意菩薩−−−不退転菩薩−一生補処菩薩−−仏
*(2)
華厳経
初地−−−−−−−−−−−−−−八地−−−−−−−−十地−−仏
*(3)
唯識説 (十地の次は仏。一生補処なし)
資糧道−−加行道−−−−−−−−−見道−修道−−−−−−−
初地−−−−−−−−−十地 仏
*(4)
(注)
*大きな転機(この前後で質的な相違)がある。
- (1)縁起、四聖諦を理解するのが、示転で、最初の悟り(知解である)。証転で、阿羅漢になる(最後の悟り、体証である)。ほかにも、種々の階位の名称がある。
- (2)無生法忍を得ると、不退転菩薩になる。
- (3)七地で無生法忍を得ると即時に八地に入り、不退となる。
- (4)加行道の終わりに、無分別智を発得する見道が起こる。これから聖者となる。
道元の仏道の階位
道元には、階位や修行の行程、修行者の成長経過に係わる言及が多い。
道元の言葉から抽出した階位に係わる言葉を総合すると、次のとおりである。
前期から晩期まで、同じような階位の思想が見られる。
四種菩薩 新発意菩薩−久発意菩薩−不退転菩薩−一生補処菩薩−−仏
*
修行の行程 相見−参禅−悟り印可−嗣法−利他−−−−−
*
修行の目標 仏道理解 二障断−−−−−−−−−−−−−−−−−−
苦の解脱−−−−−−涅槃
己事究明−−−−−−菩提 利他−−−−
* 阿耨多羅三藐三菩提
- (*)道元は、大きな転機を得道、見道、得法、無生法忍ともいう。
- 道元は、越前に入部する前も後も終始、二障の断をいっている。
- 道元の仏道は、坐禅のみ、縁起思想のみ、信のみではない。
- 大乗仏教では、無生法忍を得て、不退転菩薩になった後の修行として、利他行を強調する。それが道元の仏道の階位にもある。
白隠の修行の階位
o白隠の体験
相見−参禅−高田で悟−−信濃で悟−−禅病−−法華経に契当−−
利他−−−−−−−
o白隠の教育
−−無(または隻手)−−見性−(悟後の公案)−−−大悟−−−
学解によらない体験
大乗仏教の仏道の途中には、学解によらない体験がある。
- 禅定による自己の苦悩軽減。
- 無生法忍という無明滅、無我の体験。死の問題の解決。
- 他者の救済(学解によらない救済の実現、個別具体的な苦滅援助)の実践的能力の発揮。
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