吉津宜英「やさしい宗学」の「社会性」について

 =角田康隆氏からの問題提起
??? 昭和・平成の宗学論争 ???

 一部の学者から、「不毛の議論」をしていると酷評される禅の学問。昭和から平成の現代まで学者は何を論争してきているのか。
 種々の学問方針が提案されてきた。角田泰隆氏(駒沢短期大学)がその主要な方針を整理した論文「宗学再考」があるので、それで禅の学問の歴史を概観したい。
 吉津宜英氏(駒沢大学)は「やさしい宗学」を提案した。その中にある「社会性」について、角田康隆氏からの問題提起がある。

吉津宜英「やさしい宗学」

 角田康隆氏は、種々の宗学の提案を概観した後で、社会性についての意見を述べている。
(注)
(大田評)
 角田氏の「社会性」の受け止め方には、異論がある。伝統宗学が、批判された意味を真摯に受け止めない見方になっている。伝統宗学は、社会との接触を断つことを肯定する思想なのである。そこを批判して種々の新しい宗学が提案されているのに、伝統宗学を追認しようとしている。
 「道元禅師を見つめながら、深く信仰しながら、社会の現実問題とも大いに関わろうとし、実際に関わっている学者あるいは僧侶は大勢いる。」という、これが問題である。
 詳細は、別に掲載する。