沢木興道氏=坐禅が悟り

??? 酒井得元氏の評価 ???

 酒井得元氏は、沢木興道氏の高弟であり、沢木氏を高く評価する。
(大田評)
 「彼の遷化後も、駒沢大学をはじめ曹洞宗内のあらゆる場所に、彼の影響は浸透している。彼の門下と称する人達はそれぞれの城において、彼の禅風を地道に継承している。」と酒井得元氏が言うように、曹洞宗の僧侶、学者は、沢木興道氏を絶賛する風が続いてきた。しかし、松本史朗氏の「批判宗学」に発する宗学論争以来、沢木興道氏の主張は、仏教ではない、沢木氏の信仰であり、道元禅師のものとは違うと批判されることも多くなった。
 「無所得・無所悟」を、道元禅師とは異なる意味に受けとめて、坐禅のみに留まる修行になって、ただ、「駒沢大学をはじめ曹洞宗内のあらゆる場所」、つまり、宗門や駒沢大学内でのみ賞讃されるが、世間の苦悩する人々には「なんにもならない」と言って、坐禅によって救済される道を遠ざけてしまったであろう。今では、学者や僧侶さえも、坐禅しなくなった。

(9/17/2003、大田)