スナフキンの本名は「スヌスムムリク」。
英訳で「スナフキン」と発音しやすく直してあります。
父親はムーミンパパの友人のヨクサル、母親はちびのミイやミムラ姉さんの母親でもあるミムラ夫人です。
スナフキンはムーミンの親友であり、ムーミンが一番尊敬する人。
ムーミンのキャラクターの中では一番、思想家でもあります。
自由と孤独を愛していながら、ヒトに対する深いやさしさを持ったこのさすらいの人は、だれもがあこがれるムーミン谷の吟遊詩人です。
旅と音楽が好きで、いつもハーモニカを持ち歩いています。
スナフキンはいつも三角の帽子をかぶり、口にはパイプをくわえ、緑色の服を身にまとい、袋とテントを背負っています。
夕方になると好きなところにテントを張り、コーヒーを飲み、パイプを吸い、ハーモニカを吹き、孤独を満喫します。
睡眠もテントでとります。
家の中で暮らすことは、スナフキンにはかえって苦痛なのです。
袋の中には調理器具などが入っており、いつも自炊しますが、人に料理をこしらえることは少ないようです。
いつも持ち歩いているハーモニカはスナフキンのママのおばさんからもらったもの。
金とローズウッドでできている高級品。
このハーモニカで作曲もします。
音楽に対するこだわりもかなりのもので、四季の移り変わりや、いろいろな生き物たちの声、小川のせせらぎなどを聞き、イメージをふくらませていきます。
その日の気分によって、曲のイメージが変わってしまうので、作曲している時は人に話しかけられるのを嫌います。
これもスナフキンのこだわりの一つでしょう。
冬眠をするムーミンたちに対し、冬眠をしないスナフキンは、秋になるとひとり南に向かって旅に出ます。
そして、春になるとまたムーミンに会いにムーミン谷へ戻ってきます。
スナフキンの旅はいつも自由なのです。
いつも一人でいるのはこじれた人間関係がいやだから。
束縛されることも嫌います。
しかし、スナフキンにとってそれは現実からの逃避ではありません。
旅をしながらいろんな生き物に出会い、話しをします。
それゆえにいろんなことを経験し、いろんなことを知っています。
しかし、その知識や経験を自慢しないところもスナフキンのいいところです。
スナフキンは迷った時にはいつも月に願をかけます。
「あたらしい歌ができますように」「あたらしい道を教えて下さい」。
風のように自由で、自分がつらくてもヒトにやさしくする余裕のあるスナフキン。
ムーミンやいろんな生き物たちが尊敬し、スナフキンに会えることを楽しみにしているのも無理はないでしょう。
著者のトゥーウ゛ェ・ヤンソンさんは、よくインタビューで「スナフキンのモデルはだれですか?」と聞かれ、
「スナフキンのように自由で、何も怖がらずに、やりたいと思ったとおりにできたらどんなにいいかしら」と答えています。
おそらくスナフキンのモデルは誰でもなく、人々の心のモデルではないでしょうか。