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プロの冷却2001の親戚

LastModified 02/10/09

暑さ寒さも彼岸迄と申しますが、2001年ももうお盆を過ぎて暑さもそろそろ和らぎだす頃ですね。読者のあんあんさんから、会社でお使いのサーバマシンの貴重な内部写真を頂きましたので公開させて頂きます。これまで紹介してきたWorkStationとは少し趣が違いますが、堅牢さと安定性最重視のサーバの美しさを鑑賞して涼んでみましょう。

今回ご紹介するのは、富士通の最上位エンタープライズサーバPrimePower2000です。一般の知られている所では、Hi-HOとかアマゾン.comなんかに使われているそうです。自販機位の大きさですね(笑) カタログによるとPP2000の説明は
「本モデルは、最大128プロセッサ構成が可能な高性能かつ拡張性に優れた ハイエンドサーバモデルです。本モデルは、SMP(Synmetric Multi Processing ) アーキテクチャであり、アプリケーションを変更する事なく、プロセッサ数に比例した性能を発揮します。最大4プロセッサ/6PCIカードを搭載できるシステムボード(S.B.)を単位として、増設する事ができます。」
となっています。

 

CPUはスパーク系のCPUでスティングレーとキラというコードネームがあるそうです。この写真は、スティングレー(300MHz)からキラ(450MHz)への交換時に撮ったもので、正確には両方混ざっていますが、一般人には見分けがつかないそうです(^^ゞ 富士通の広告では「プロセッサおよびシステムボードのキーコンポーネントに0.18μm銅配線の最先端CMOSテクノロジの採用し、ハイパフォーマンスを実現しています」だそうです。見た所、SECC2版Pentium3よりも二周り程大きいでしょうか。しっかりとバネ付きボルトでヒートシンクが固定されています。

SB(システムボード)と呼ばれている大きな基板の上にCPU、メモリ、PCIカードが実装されます。これがPrimePower2000一筐体で8枚、同1000、800では4枚実装可能だそうです。このSBを単位としてパーティションを構成します。パーティションはSB1枚でもいいし、複数でも構いません。このように構成されたパーティション一個につきソラリスが一個動く訳です。ソラリス8であれば、SBを動的に拡縮する事もでき、DR機能と呼ばれるそうです。

SBの説明は「システムボードは、最大4プロセッサ、最大16/32のメモリモジュール、及び最大6枚のPCIカードを実装可能な本モデルのキーコンポーネントです。本ボードをシステムボードスロットに搭載することにより、任意の構成をとることができます。PRIMEPOWER800/1000では、基本筐体及びシステム拡張筐体にそれぞれ最大4枚まで実装可能です。」と広告にはあります。

左の写真は拡張作業中の物ですが、中央部にCPUが実装されているのが見えます。中央部のチップシンクもごっついバネ付きボルトで固定されていますね。PC用マザーでもこの様な固定方式を取って欲しいものです(P4やAthlonでは、CPU固定穴が用意されてますが)

吹き上げるファンが本体についていて、CPUが通る所は丁度風が通るトンネルのような構造なっているそうです。サーバでは信頼性確保の為、CPUクーラをファンレスにして筐体全体で冷却する様になっているのは、PCとの設計思想との差によるものでしょうね。

という訳で、如何でしょうか。このシリーズも早いもので5回目ですが、信頼性確保の為の設計思想という面ではPCとは全く別物という事が良くわかりますね。年々コスト削減の煽りで、PCはむしろチャチクなってる様に感じるのは私だけでしょううか。コスト削減要求が厳しくなっていくのは仕方ないとしても、そうでない部分、美しい部分は残していって欲しい物ですよね。

2001.9.24追記

きんたーさんから、PRIOPOWER2000の前の機種 PRIMOPOWER800の背面写真を頂いたのでご紹介します。右のレイアウト図を見ても判る通り左写真の左上半分の4つはファンを12連装で動かしているそうです。とてつもなくうるさいそうで・・・・・・

ちなみに隣では、IBM RS6000 SP ESSがノードフル実装で動いてるのですが、こっちのほうが静かだったりするそうです(笑) 

ただIBMはやはり老舗だけあって、機器冷却の分野でも昔から研究開発が盛んみたいですね。先日、電子機器の冷却セミナーに参加する機会がありまして、そこでIBMの冷却技術の歴史についての講演を聴きました。銅のヒートスプレッダや液冷媒による冷却等はもう20年も前にやってる技術だと知って、四万十川的には目から鱗でした。

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